愛犬のお尻から血が!
愛犬のお尻からほんの少しでも血が出ていたら「病気なのでは!?」と心配になってしまいますよね。
自分のことなら“すぐに良くなるだろう”とあまり大事にはしないのですが、愛犬のこととなると、ほんの少しの出血だって今すぐに対処しなければ手遅れになるのではないかと焦ってしまうでしょう。
犬のお尻から血が出てしまう原因は何なのか、原因・症状・治療法・予防法などについてご紹介します。
肛門嚢炎(こうもんのうえん)
犬のお尻から血が出てしまう原因として、肛門嚢炎という病気を疑うことができます。
肛門のすぐ近くにある肛門嚢に炎症が起こっている状態です。
みなさんは、愛犬の肛門腺しぼりをしたことがありますか?
トリマーさんや獣医さんにお願いしている方がほとんどでしょうか。
肛門腺しぼりって何のためにするの?という方もいらっしゃるかもしれません。
犬の肛門の周りには肛門腺という分泌器官があり、分泌液が作り出されています。
肛門腺で作り出された分泌液は肛門嚢に蓄積され、マーキングなど自分のニオイをつけることに使用されることがあります。
その分泌液を自力で排出することができないわんちゃんもおり、肛門腺しぼりをする必要があるのです。
分泌液が何らかの原因によって排出されなくなってしまったことが原因となり、蓄積されたままの分泌液の中で細菌が繁殖してしまい、その細菌を取り除くために炎症が引き起こされます。
そのような状態を肛門嚢炎と言うのですが、炎症によって膿が溜まり、膿瘍ができてしまうことがあります。
膿瘍は破裂する可能性もあるため要注意です。
肛門嚢炎の治療法その①「肛門腺しぼり」
軽度である場合には、肛門腺しぼりをすることで改善される場合もあります。
肛門嚢に溜まってしまった分泌液を押し出し、排出させてあげます。
自力で排出することができない場合には定期的な肛門腺しぼりが必要ですし、肛門嚢炎の予防のためにも必要なことです。
肛門嚢炎の治療法その②「投薬治療」
蓄積されたままの分泌液の中で繁殖してしまった細菌を取り除くために抗生物質の投与による治療が行われます。
カテーテルを肛門嚢の内部に挿入することで直接投薬するという治療法もあります。
肛門嚢炎の治療法その③「外科手術」
投薬治療で改善されない場合には、肛門嚢を除去するための外科手術を必要とする可能性もあります。
肛門嚢炎の予防法
最も効果的な予防法は“定期的な肛門腺しぼり”です。
肛門嚢に蓄積された分泌液を自力で排出することができる犬種もいますが、自力で排出することができないわんちゃんである場合には、飼い主さんが排出させてあげる、トリマーさんや獣医さんに排出してもらうなどの対応が必要です。
肛門腺しぼりをしてあげることができる飼い主さんはとても少ないと思いますが、私は何度も獣医さんに指導してもらい、排出させてあげることが出来るようになりました。
病院によって異なりますが、うちの愛犬たちがお世話になっている病院では¥1000で獣医さんによる処置をしてもらうことができます。
まとめ
肛門嚢炎は排便にもとても大きな影響を与え、出血を伴う場合があります。
ほんの少しの出血であってもすぐに獣医さんに相談し検査を受けましょう。
肛門嚢に炎症が起きている場合、犬がストレスを感じてしまっていることがあります。
そのストレスが他の病気を併発してしまうこともあるため、早期発見が大事です。
愛犬は肛門腺で作り出されている分泌液を排出することができているのか、肛門腺しぼりが必要なのか、よく考えてみましょう。