犬のかゆみ止めとは
犬のかゆみ止めは、いくつか種類があり、原因によって使い分けます。例えば、内的要因の場合は、原因となる食材、添加物を摂取しなければ症状は改善されます。外的要因の場合についても原因となる刺激を受けないことが最も有効的です。
しかし、ノミの寄生であればフロントラインなどの駆除薬の使用で改善出来ますが、ハウスダストや急性湿性皮膚炎、アレルギーの場合は、完璧にとり除くのは困難と言えるでしょう。免疫力をあげるなど根本的な体質改善が必要となりますが、まず、そのかゆみを止めるために、かゆみ止めを上手に活用しましょう。
かゆみ止めには動物病院の処方薬、市販薬、そして天然由来のサプリメントまで、様々な薬が販売されています。それぞれのメリット、デメリットを正しく知った上で、愛犬に適した対処法を考えましょう。
犬のかゆみ止めで使われる処方薬
ステロイド
ステロイド剤には飲み薬と塗り薬があります。犬の場合、患部によっては舐めてしまう恐れがあるため、塗り薬よりは飲み薬を処方されることが多いです。かゆみを止めるには最も効果が出やすいため、犬のかゆみ止め薬としては定番と言えるでしょう。
しかし効果が出やすい反面、副作用もあり、長期間の使用はお勧めできません。飲み薬の場合は、内臓へのダメージ、食欲増加、多飲多尿、塗り薬では、皮膚が薄くなり色素沈着が起こるなど、皮膚のバリア機能の低下が報告されています。そして、両方とも長期間の服用によって、薬に耐性が出来てしまいます。
アポキル錠
現在、ステロイド剤よりも副作用が少ない、アポキル錠が日本でも発売されています。アポキル錠はかゆみと皮膚炎を引き起こすシグナル伝達のみを阻害し、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎に伴う、かゆみの緩和に効果があります。
犬用の市販のかゆみ止め薬
ヒビクス軟膏(フジタ製薬)
急性、慢性湿疹、外耳炎、細菌性、真菌性皮膚炎に効果があります。
ネオスキン(ゲンダイ)
抗ヒスタミン剤配合で、疥癬やノミアレルギー性皮膚炎などに効果があります。疥癬の痒みは強烈なので、イベルメクチンなどの疥癬に効果のある駆虫薬を投与しなければ改善は難しいでしょう。
天然由来のかゆみ止め
C-DERM
シーディームは海藻や植物の抽出成分から作られた、米国のブランドです。米国では古くから動物病院でも処方されており、実績も高く評価されています。シャンプーやジェル、スプレーなど、様々な商品が販売されており、日本でも通販などで購入可能です。
コロイダルシルバー
アメリカにあるイノベイティブナチュラルプロダクツ社が販売している、サプリメントです。コロイダルシルバーとは、生物の身体に不可欠とされている超微粒子シルバーです。
アメリカでは、天然の抗生物質として「銀」が古くから使われています。銀は高い抗菌力、殺菌力を持ち、極微量の銀で細菌、カビ、ウィルスなど、多くの病原菌に対し、一定の効果があると証明されています。日本でも通販などで購入可能です。
ヒバ油、ヒバ水
ヒバの木から抽出されるヒノキチオールは高い抗菌力を持ち、防かび、防虫、消臭、脱臭効果があるといわれています。ヒバ油又はヒバ水として販売されています。ヒバ水は商品によってはそのまま使用可能、又は水で希釈して使用します。
ヒバ油は、数滴垂らしたボトルに水を入れて良く振って使用します。抗菌力が高いことから、急性湿性皮膚炎などに効果があり、また、スプレーボトルに入れれば夏の防虫スプレーとしてワンちゃんや飼い主さん共に、使用することが出来ます。また、入浴時に入れることで、入浴後に起こる湿疹を防ぐ効果もあります。
犬のかゆみの原因
犬のかゆみの原因には大きく2つの要因に分けられます。
外的要因
外からの刺激に対して身体が拒否反応を示して起こります。
犬アトピー性皮膚炎
イエダニなどのハウスダスト、花粉など、外的刺激に対し身体が異常に反応して起こす疾患です。強いかゆみを伴い、慢性の湿疹、ただれなどが特徴です。掻き続けることで皮膚のバリア機能が失われ、皮膚のごわつきが起こり、サメ肌と呼ばれる皮膚の乾燥が起こります。
ノミアレルギー性皮膚炎
夏場のノミの活動期に多く発症する疾患で、ノミに噛まれた際にノミから出る唾液成分に強い反応を起こし、かゆみ、湿疹、脱毛を引き起こします。
疥癬
イヌセンコウヒゼンダニに寄生されることによって起こります。肉眼では見えない非常に小さなダニの1種です。犬の皮膚病の中でも非常に強いかゆみが特徴で、犬が身体を掻きむしってしまうため、症状が一気に広がってしまいます。疥癬は感染した犬と接触をもつことによってうつります。
急性湿性皮膚炎
真夏に湿疹を発症するワンちゃんはとても多いです。急性湿性皮膚炎、ホットスポットとも呼ばれています。
特にアンダーコートの犬種は、夏場の気温と湿度の高さから皮膚が蒸れるなど、環境が悪化することにより、バリア機能が失われます。そこに細菌が付着し、強いかゆみを伴う湿疹や、舐める事によって付着した唾液と湿疹からの分泌液がこびりつき、脱毛してしまうことも珍しくありません。
内的要因
中からの刺激、すなわち身体に入るものに対し、身体が拒否反応を示して起こります。
食物アレルギー
内的要因でまず考えられるのは食物アレルギーです。代表的なものとしては、鶏肉、小麦粉、とうもろこし、牛乳などがあげられます。口や目の周り、肉球の間などが赤く腫れ、強いかゆみと湿疹を引き起こします。
添加物アレルギー
ドッグフードや市販の犬用オヤツに含まれている添加物を、身体が排出しようとした際に起こるアレルギーです。目や口、脚の周り、肉球が赤く変色し、赤く腫れ、強いかゆみをもたらします。
病院で生まれつき皮膚が弱いと診断され、長期間かゆみ止めを飲み続けたワンちゃんの中には、フードやオヤツを見直しただけで改善されたケースがたくさんあります。
まとめ
ペットブームの昨今、犬のかゆみ止めにも様々な薬やサプリメントが販売されています。ステロイド剤の副作用を恐れ、使用を敬遠する飼い主さんも少なくありません。
しかし、かゆみは犬にとっても非常に辛いものです、用法、用量を守り、短期間であれば、まずかゆみを止めてあげるために必要な場合もあります。要因にもよりますが、皮膚炎は完治までに時間を要する場合が多く見受けられます。
完治させよう!と躍起になると、飼い主さん自身の負担も増え、そのストレスが犬へも伝わってしまいます。いろいろな方法を試してみて、症状をうまくコントロールしてみようと考えを変えてみると、案外、完治への道が近くなるのかもしれません。
ユーザーのコメント
20代 女性 あめたま
その時に医師から処方されてのはビビクス軟膏でした。
ステロイド軟膏の処方はされた事がありません。
ビビクス軟膏は皮膚に優しく安心してワンちゃんに使えますが、塗るのをやめてしまうと一気に悪化してしまいます。
また、皮膚の改善の速度も遅いです。
一方でステロイド軟膏は効果が早く出るので、治りが早く愛犬の痛々しい姿を見るに耐えないという飼い主さんには安心出来る薬かもしれません。
ですが、副作用が強いので正しく使う事が出来なければ思ったような効果が得られない点がステロイド軟膏の特徴です。
ステロイド軟膏を塗る際は肌に刷り込むのではなく、患部に乗せる程度で塗っていくと十分な効果を得られる事が出来ます。
とはいえ、皮膚に強い影響を及ぼす薬である事には変わらないので、医師から処方されない限りゆっくりと治していく方法が最も良いと言えます。
40代 女性 匿名
20代 女性 てとまる
女性 ビンゴ