犬の皮膚が黒い場合の病気①甲状腺機能低下症
犬の皮膚が黒くなる病気のひとつに、甲状腺機能低下症という病気があります。甲状腺ホルモンの分泌が低下することで引き起こされる病気なのですが、皮膚が黒ずんできてしまったり、抜け毛が多くなったり。体重が増えるなどの症状があらわれます。
全身の細胞に作用し、カラダの代謝を高めるために働いています。甲状腺ホルモンの機能が低下することを甲状腺機能低下症と言います。
甲状腺機能低下症の症状
- 体温が低下する
- 寒さに弱くなる
- 全身が浮腫んだようになる
- 心拍数が低下する
- 血圧が低下する
- 脂漏症になる
- 膿皮症になる
- 皮膚が黒ずんでくる
甲状腺ホルモンの低下によって新陳代謝も低下し、このような症状があらわれます。
甲状腺機能亢進症の原因その①「自己免疫疾患」
免疫系が甲状腺を攻撃してしまい、炎症が起こり、甲状腺機能が低下してしまうことがあります。本来ならばカラダの中に侵入してくる異物を攻撃するはずの免疫系が、なぜか甲状腺を攻撃してしまうのです。
甲状腺機能亢進症の原因その②「甲状腺が委縮する」
ダックスフンド・ボクサー・プードル・ブルドッグ・ラブラドールレトリーバー・ゴールデンレトリーバー・シェットランドシープドッグなどに多い症状であるとされているのですが、甲状腺が委縮してしまうことにより、甲状腺ホルモンの作用が低下してしまうことがあります。
甲状腺が委縮してしまう原因には明確なものがないようです。
甲状腺機能亢進症
逆に機能が強くなりすぎてしまうと甲状腺機能亢進症と言います。甲状腺機能亢進症は高齢の猫に多いのですが犬ではとても稀な病気であり、甲状腺機能低下症の方が患う可能性が高いとされています。
犬の皮膚が黒い場合の病気②皮膚病の悪化
犬の皮膚が黒くなる病気のひとつに、皮膚病の悪化があります。
- アトピー性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎
- 感染性皮膚炎など
の皮膚病の悪化が考えられます。
皮膚病の症状が悪化すればするほどに皮膚は黒くなり、症状が改善されることで皮膚も元の状態に改善されることがあります。
アトピー性皮膚炎
- 花粉
- ダニ
- ハウスダスト
- カビなど
初期症状では皮膚に赤みが起こり、慢性化すると皮膚が黒くなってきます。免疫力の低下により、脂漏症やマラセチアなどの二次感染の可能性も高くなります。
脂漏性皮膚炎
- 湿ったフケが出る
- 痒みが起こる
- ニオイが強くなるなど
の症状があらわれます。皮膚の新陳代謝の異常が主な原因であり、日々の食事の栄養バランスに注意し、皮膚を清潔に保つことによって予防することができます。
筆者の実体験
うちの二代目わんこはとてもひどい皮膚病と闘いました。皮膚にカビが発生してしまい、それが原因で重い皮膚病にかかってしまいました。たくさんの治療を受け、これ以上の治療法がありません、という段階にまでなりました。
皮膚は黒く硬くなり、ベタベタし、独特なニオイもありました。症状が改善された部分の皮膚は元の皮膚の色を取り戻しつつもありましたが、症状が改善されない部分の皮膚はずっと黒くなったままでした。
犬の皮膚が黒い場合の病気の治療法について
甲状腺機能低下症
不足している甲状腺ホルモンを人工の甲状腺ホルモンを投与することで補う、というものがあります。
投薬によって行いますが、投薬してから1週間~2週間ほどで改善が見られ、1ヶ月~4ヶ月ほどで皮膚の症状にも改善が見られるようになります。
しかし、一生ずーっと投薬しなければならず、治療法に悩む飼い主さんも多いようです。もし、他の病気によって甲状腺機能低下症が引き起こされている場合には、元になっている病気の治療から始めなければなりません。
皮膚病の悪化
皮膚病の悪化によって皮膚が黒くなってしまった場合、早期治療によって完全に改善されることもありますし、部分的に皮膚が黒くなってしまった部分が残ってしまう場合もあります。
愛犬の皮膚に少しでも異常を感じた場合、悪化してしまわないよう、すぐに獣医さんに相談しましょう。
まとめ
犬の皮膚が黒くなってしまう原因は主に「甲状腺機能低下症」と「皮膚病の悪化」によるものです。犬の肌はデリケートです。飼い主さんの日頃のケアが皮膚病の早期発見・予防に繋がります。少しでも肌に異常がある時は早めに獣医さんへ診せてあげてください。
ユーザーのコメント
女性 もふころ
同じ場所に針を刺すなど、皮膚に刺激を与えて続けてしまったことで黒くなってしまったようです。