犬に麻酔を使用する際の3つのリスク

犬に麻酔を使用する際の3つのリスク

愛犬の施術の際、使用されることのある麻酔。しかし、犬に麻酔をするにはリスクを伴うと言うことをご存じですか?知らずに投与してしまい、死亡してしまったというケースは意外にも少なくありません。もしもの際、犬に麻酔をすることでどのようなリスクが起こり得るのか知っておきましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の麻酔とは

注射器

犬に対し、麻酔を使う理由と言えば、手術を思い浮かべる人がほとんどではないでしょうか。その通り、麻酔というのは手術で使用される物であり、その使い方は手術内容によっても様々です。

基本的には大きく全身に麻酔をかける全身麻酔と、ピンポイントでその部分だけ麻酔をかける局部麻酔の2種類あります。麻酔をかける際には、同じ病気だからすべて同じパターンでというわけではなく、年齢などを考慮して麻酔の種類を換えることもあります。

しかし、麻酔を使うのは手術時だけではありません。動かずに行わなければいけない検査の時や、歯石を除去する際にも使用されるため、どんな犬であっても麻酔を使う機会がやってくる可能性はとても高いのです。

犬に麻酔を使う際のリスク

病院で台の上に寝る犬

近年、犬に対して使う麻酔は安全性が高まってきているという声がある一方で、まだ犬に麻酔を使うリスクがあることは否めません。では、犬に麻酔を使う際、どのようなリスクを負わなければいけないのか、知っておきましょう。

麻酔によるデメリットの可能性

こちらを見る犬

まずは麻酔を投与することにより、デメリットが生じてしまうリスクを懸念しなければいけません。デメリット(リスク)の中でも多い例としては臓器に影響を与えてしまう可能性が挙げられます。

元々持病のある犬の場合は、他の犬よりもリスクが高まる恐れがありますし、中でも肝臓や腎臓に持病がある場合には、特に注意が必要となります。

なぜならば、麻酔の薬は肝臓で分解される、腎臓から排泄されるようになっているため、肝臓や腎臓が弱い犬の場合には肝臓や腎臓の機能に悪影響がでる恐れが考えられるからです。

短頭種は呼吸困難の恐れ

パグ

パグやブルドッグなどの鼻先が短い犬種は、元々鼻孔が狭いことから、他の犬種に比べると呼吸がしにくい犬種と言われています。そのため、麻酔をかけた際に口の中にある軟口蓋が他の犬種よりも長いことが多く、気管を塞いでしまい、呼吸困難に陥ってしまう恐れがあることを忘れてはいけません。

特に注意が必要なタイミングとしては、麻酔をかけ始めた際と麻酔から目覚める覚醒時に呼吸困難が起こる可能性が高いため、注意が必要です。

麻酔後のリスク

診察中の犬

麻酔をし、施術の際には問題がなくても、無事に終わり家に帰った後で後遺症が発覚してしまうというケースも珍しくありません。

先ほどお話ししたように、臓器への悪影響がそのまま残ってしまい、麻酔後に体調を崩してしまうケースもありますし、その他にも様々な麻酔後の影響が考えられるのです。

これらの麻酔後のリスクというのは、ベテランと言われている長年施術してきた獣医師さんでも予測が不可能と言われているため、判断が難しいところです。

飼い主はどうするべきなのか

笑顔の女性と犬

いくら麻酔にはリスクが伴うからと言っても、手術をしなければいけないという場合も多くあります。その場合には、必ず麻酔をしなければいけません。では、少しでも麻酔によるリスクを避けるために、飼い主はどのような事ができるのでしょうか。

まずは本当にするべき手術なのかをもう一度考え直してみましょう。多くの場合、手術をしなければいけない状況だとは思いますが、中にはしなくても命にかかわらず問題ないケースもあります。例を挙げるならば、考え方次第ではありますが、去勢、避妊手術は室内で飼われている犬にとって、必ずしも必要だとは限りません。

麻酔をし施術しなくても大丈夫であれば、リスクを負わなくて済みますので、それに越したことはありませんよね。

そして施術してもらう獣医師さんは、本当に愛犬の命を預けることのできる相手かを考えましょう。いつも診察してもらっている獣医師さんであっても、手術の経験がしっかりあるのか、また成功確率は、など様々な点を確認するべきです。

ホームページなどに実績が載っていることもありますので、麻酔というリスクが伴う施術をする前に、疑問や不安がるのなら一度確認してみると良いでしょう。

他にも手術をする前に細かい検査をしっかりすることで、リスクを軽減することができたり、手術の際には事前に注意事項が言い渡されるため、その注意事項を厳守するということも大事です。

例えば、前日は絶食するなどの注意事項が言い渡される事がありますが、「可哀想だから」と言って食べさせてしまうと、リスクが高まる危険性がありますので、絶対に止めましょう。

まとめ

病院で犬を抱きしめる女性

いかがでしたでしょうか。麻酔には様々なリスクが伴うということを知らなかったという人も多いはずです。知らずに投与させ、「こんなはずじゃなかった」となる前に、最後に紹介した私たちができる事前準備はしっかりと行っておきましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 コロ

    3度麻酔をしての手術を受けたことがある我が家の愛犬も、その内の1度だけ心臓が止まるという高リスクに見舞われました。事前に色々な検査や犬種によるリスクなども考慮していたのですが、実際はなにごとがあるかわかりません。
    手術を行う際、ちゃんとリスクに関してお話をしてくれる獣医さんは安心です。逆に「大丈夫でしょう」と軽く捉えている獣医さんは個人的には心配です。
  • 投稿者

    女性 匿名

    ポメ(♂)を飼っている者です。

    むやみやたらと麻酔を使うのは問題でしょうけれど、我々素人が使う薬では無いでしょうから
    基本的にはプロの獣医師さんが使用するのだから、怖がっていては治すものも治せないでしょう。
    それに術後の感染症だって怖い訳ですよね。
    でもオペをしない訳にはいかないって事もあります。

    オペ前にはしっかりと獣医師さんとお話をし、納得した上でオペをするべきでしょう。
    そこでリスクもしっかりと話す獣医師さんを選ぶべきでしょう。
    リスクを隠す獣医師さんはアテには出来ません。

    我々人間に使用する麻酔だってリスクは存在します。
    病院側だってしっかりとオペに対するリスクがある事は説明するでしょう。
    それに関する同意書だって求められます。
    しっかりと考えた上で同意書にサインしますよね。

    むやみやたらに怖がらせては治る病気も治らないという事。
    リスクを理解するもの飼い主の責任。

  • 投稿者

    女性 匿名

    術前検査をしっかりし問題なかった10歳ミニチュアダックス
    術後2日経っても元気がなくご飯を食べなかった事から再び受診、急性腎不全、急性膵炎を患って毎日点滴に行くも手術から2週間で亡くなりました。
    軽い気持ちでの歯石除去、悔やまれません。手術などしなければよかった。
    生きるのが辛いです
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