犬の嘔吐、下痢
うちの子はおなかを壊しやすい、とか、季節の変わり目に吐きやすい、など、それぞれの犬によって、体質的なものを持っています。また、ドッグフードの酸化や、水分量の加減、加齢など、ささいなことでも下痢、嘔吐を起こします。
動物病院で受診をすると、整腸剤などを処方され、2~3日もすれば回復することが多いものです。これらは一過性の嘔吐や下痢ですから、そう長引くこともありません。
では、緊急性があるとか、大病の初期症状などといった場合は、どういった下痢や嘔吐の症状が見られるのでしょうか。私たち飼い主があなどってはならない症状について、解説していきます。
注意しなければならない下痢、嘔吐の症状5選
1. 元気、食欲がない
下痢、嘔吐の後、なんとなくグッタリとし、無気力である。とか、数時間たっても食欲がない。という場合には、脱水症状を引き起こしている可能性があるので、注意が必要です。
特に、生後1年未満の子犬やシニア犬の場合は、単なるいつものことと思わずに、念のため動物病院を受診しておくと安心です。
2. 3日以上続く
3日以上症状が続くのは、長引いているものと考えてください。ドッグフードや食器を変えたことによる、食物、敷き物、金属アレルギーかもしれませんし、感染症、慢性的な胃腸炎も考えられます。
また、子犬や若い犬では、誤飲の可能性も。驚かすわけではありませんが、こんな例もありますので、ご参考にされてください。
心当たりは無いにもかかわらず、なにを食べても嘔吐してしまい、下痢症状が続くと言って病院に来たラブラドールレトリバーがいました。レントゲンを撮ってみると、そこにはトウモロコシの芯がまるごと一本。
もちろん緊急手術となり一命を取り留めましたが、下痢や嘔吐の原因は、このような誤飲によるものだった、ということがありました。最近では、マスクの誤飲が多いようです。
食いしん坊さん、好奇心の旺盛な子は、以下に注意しましょう。
- ゴミ箱はふた付きのものに変える
- 生ごみを漁らせないための工夫をする
- 散歩中、拾い食いの癖を付けさせない
- 繁華街、おまつり会場では特に落ちているものに気を付ける
3. 血が混じっている
下痢の中に血やドロっとした粘液が混じっている場合は、腸内のトラブルが起きているのかもしれません。消化管潰瘍や腫瘍の疑いもありますので、いずれにしても早期に動物病院への受診をしてください。
4. 黒いうんちで、異臭がする
俗にコールタール状と言いますが、下痢をした際のうんちが、異常なほど黒く、鉄のようなにおいが感じられる場合は、胃や小腸の上部からの出血が便に混ざっている可能性も。
ウイルス性胃腸炎や消化管内の腫瘍、急性膵炎などといった病気に見られる症状のひとつです。早急に動物病院を受診が必要です。検査の結果により、緊急性が伴うと判断されれば、そのまま治療、処置に入るケースもあります。
5. 下痢と嘔吐が同時
下痢だけではなく、嘔吐も同時に起きている、という場合は気を付けなければいけません。
グッタリとしたり、発熱、ふるえ、呼びかけに反応しないときには、緊急性を孕んでいるケースが多いものです。
特に、子犬期にこうした症状が見られた場合は、早急に受診してください。伝染病の可能性も考えられますので、しっかりとした処置、治療が必要です。
まとめ
犬の超危険な『下痢・嘔吐』5選!この状態は命に関わるリスクがあるかも、ということについてお伝えしてきました。判断の見極めは難しいところですが、いつもと違うな、と思ったら、回数、時刻、内容物のメモとともに、携帯カメラで写真を撮ってから受診すると良いでしょう。