犬の息が荒くなる原因
犬の平常時は鼻呼吸
犬は平常時、鼻呼吸をしています。落ち着いてゆっくりと休んでいるときは、口を閉じて静かに鼻呼吸をしている姿を見たこともあるのではないでしょうか。犬の息が荒くなっているときは、基本的に口呼吸をしています。口を開けて苦しそうに「ハァハァ」と息をする姿は見ていて辛くなることもありますよね。犬が口呼吸をする原因はいくつかあるようです。
- 生理現象
- 興奮している時
- 病気
お散歩やたくさん遊んだ後に、息が荒くなるのは生理現象のひとつ。体内へ素早く酸素を補給するために息が荒くなることがあります。また運動後や気温の高い日に、体温が上がってしまっときも「ハァハァ」と口呼吸することによって体温調節をしています。生理現象なので、涼しい場所で休ませて、通常の呼吸に戻るようであれば問題ありません。
犬の息遣いは、その時の精神状態も影響しているようです。特に興奮している時は交感神経が優位になるので息が荒くなることもあるよう。興奮状態になると血液が循環して体温も上がりやすくなります。精神的な影響と共に、体温を下げるためにも口呼吸が必要になるようです。
何かしらの病気が原因で、犬の息が荒くなる場合、運動量や気温、体温に関係なく症状が現れるよう。心臓の病気や呼吸器系の病気など、息が荒くなる病気は意外に多くあります。以前よりも、ちょっとした運動で息が切れしやすくなった、体全体を使って大きく息をするようになったら動物病院で診察してもらいましょう。早期発見のためにも、いくつか息が荒くなる病気をお伝えしたします。
犬の息が荒い時に考えられる病気4選!こんな状態だったら病院へ!
1.熱中症
真夏の暑い時期だけでなく、春から増える病気が熱中症。初期症状のひとつが「荒い息」になります。急上昇した体温を下げるためパンティングと呼ばれる激しい口呼吸を繰り返します。
息が荒くなるとともに、舌や口の中が赤くなる、ヨダレの量が増える、横になったまま起き上がることができない、などの症状が見られたら熱中症の可能性が高くなります。日の当たらない涼しい場所に移動して水を飲ませる、体に水をかけて風をあてるなど、体温を下げるための応急処置を施し、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
2.気管支炎
気管支炎は気管が炎症をおこす病気。原因はウイルスや寄生虫の感染の場合もありますが、ハウスダストやタバコの煙などのアレルギーが原因となることもあります。気管は喉から肺に空気を流す管なので、炎症することにより息が荒くなることも。
その他の症状は急な発熱や咳、鼻水や食欲不振など。重症になると呼吸困難を引き起こし、肺炎に繋がる危険性も。ウイルス性の感染の場合、成犬は比較的症状が軽く済みますが、子犬や老犬は重篤化することも少なくないようです。
3.肺炎
肺炎はウイルス、細菌、真菌、寄生虫などの病原体が肺に感染し炎症を起こす病気。酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する臓器である肺が炎症を起こしてしまうので、非常に息苦しく呼吸困難になります。息が荒くなる以外にも発熱や咳、食欲不振、元気消失などの症状が見らることが多くありあます。呼吸困難から命に関わる恐れもあるので早めに受診を。
4.拡張型心筋症
犬の心筋症は拡張型、肥大型、拘束型に分けることができますが、拡張型心筋症がほどんどのようです。心臓の筋肉に異常が起こり、心機能が低下してしまう病気。「息が荒い」という症状も見られますが、心臓が機能しないことにより、全身に血液を送ることができないため、体全体に様々な症状が現れるようです。
初期は症状がほとんど現れないため、飼い主さんは気づきづらいかもしれません。元気消失、食欲低下、また次第に散歩を嫌がり咳をするようなるなどの症状が見られうようです。早期発見が難しい病気なので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。
まとめ
犬の息が荒くなってしまう病気は、呼吸器系や心臓の病気が関わっていることが少なくないようなので、重篤化すると命にかかわることも…。安静にしていても息が荒い時は、一度動物病院で診察してもらいましょう。また、初期症状がほとんどない病気もあるようなので、健康管理のためにも定期的な健康診断を心がけましょう。