犬の認知症の症状
一般的に犬は7歳を過ぎるとシニア期に入ると言われています。もちろん、犬種などにより個体差はあるものの、7歳前後になると動きが鈍くなったり、前より活動量が減ったなどの変化が見られるようになります。
それと共に、犬も認知症を患ってしまうリスクが一気に高まります。では、犬の認知症はどのような症状を発症するのでしょうか。
1.昼夜逆転してしまう
まずは昼夜逆転してしまうという症状が起こりやすくなります。昼間にずっと寝ていたと思ったら、夜になって起き出し活発に活動し始めるのです。
これは認知症によって、体内のリズムが崩れ、昼と夜の区別がつかなくなっている可能性があります。区別がつかないので、寝たいと思った昼間にたくさん寝てしまい、その分夜中に起きるという現象が起きていると考えられます。
もちろん、当人は区別がついていないので、夜であっても昼間だと勘違いしている可能性もあるでしょう。そうして他の家族が寝静まった際、寂しくなり、夜鳴きに繋がることもあります。
2.無駄吠えや夜鳴きが続く
先ほど昼夜逆転してしまい夜鳴きに繋がるという話がありましたが、犬の認知症の症状として、無駄吠えや夜鳴きが頻繁に起こるという症状がとても多いです。
この症状に悩まされ、ノイローゼ状態に陥ってしまったり、あるいは不眠症になってしまったりする飼い主も少なくありません。
これは様々な要因が重なっていますが、認知症になることで心細くなり、吠えるという本能的行動に繋がっていることや、今まで制御できていた気持ちをコントロールできなくなったために、本来の吠えるという行動を本能のままに行っているという理由が考えられます。
3.同じ所を歩き回る
また、吠える以外にも同じ所をずっと歩き回るという行動も犬の認知症によく見られる症状の1つです。これは人間の認知症でも起こりやすい症状ですよね。
自分が回り続けていることすら忘れてしまっていて、さらに何をしようという目的すら見失っているため、ずっと同じ所を行ったり来たりしたり、あるいは歩き回ったりしています。
無理に止める必要はありませんが、床にものが落ちていたり、机の角にぶつかりそうになるなど危険がある場合は、それらを取り除き、安全対策を施しておきましょう。
4.攻撃的な性格になる
人間の認知症でも聞くことのある症状ですが、認知症になると攻撃的になる犬が多いです。これも2パターンあります。
1つは悲しいですが認知症によって飼い主を忘れてしまっているから。飼い主を忘れているからこそ、「誰だお前は」「こっちに近寄るな!」と攻撃的な態度を見せているのです。
2つ目は感情を制御することを忘れてしまっているパターンです。どちらかというとこちらの方が軽度ですが、認知症によって感情のコントロールが上手くできず、不満があれば怒りを表すという本能のままに行動するようになります。
5.おもらししてしまうことが多くなる
トイレの場所がわからない、むしろおしっこやうんちはトイレでするものという認識を失ってしまっているという理由から、お漏らしの回数が増えてしまう事も多いです。
シニア期に入り、「前に比べておもらしするようになってしまった」と違和感を感じ始めたら、認知症の症状が出始めている可能性があります。しかし、膀胱炎の場合もおもらしのような症状が出ますので、症状がおもらしのみの場合は認知症と決めつけるのではなく、尿検査を行い膀胱炎などがないか確認しましょう。
まだ意識がしっかりとしていて、おもらしをしているようであれば、トイレの場所がわからず、トイレでしなくてはいけないことは理解しつつ、間に合わずしてしまったという心理状態です。
ここで強く叱ってしまうと逆効果になりますので、優しく落ち着かせ、次から飼い主がおしっこサインを見逃さないようにするなど対策を施しましょう。また、認知症が進行しないよう、脳を使った遊びを取り入れるのも良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。皆さんの愛犬はこのような症状は出ていませんか。シニア期にはいっており、尚且つ上記のような症状が見られる場合には、認知症の疑いがあります。なるべく進行を遅らせるためにも、認知症予防に効果的な工夫を取り入れましょう。