愛犬の咳について
犬も人間と同じく咳をすることがあります。
しかし咳の仕方が人間とは少し違うために、飼い主が愛犬の咳に気がつかないことも多いです。愛犬が頻繁に咳をするときは、何らかの病気を発症している可能性があります。
また、単に異物が喉に入り込んで、それを外に出すために咳をする場合もあるので、その場合は特に問題はありません。
元気がなかったり、咳をして失神してしまったり、血や膿を吐いたりした場合は深刻な症状である場合が多いので、速やかに動物病院で診断してもらう必要があります。
人間でも咳には重要な病気が隠れている場合があります。
愛犬の場合も同じですので、犬の咳に気がついたら注意深く、どのような咳なのか、すぐに治まるのか、元気はあるのか、時間帯はきまっているかなどを観察するようにしましょう。
咳のタイプやその原因について
人と同じように、犬の咳にも乾いた咳と湿った咳とがあります。
犬の咳は人間の「ゴホ、ゴホ」という咳とは違う咳もあるので、初めはそれが咳だと気がつかないことがあります。
例としては、喉に何かが詰ったときに「カー、カー」という咳をすることがあり、実際に食餌が喉に詰ってしまったのか、水を飲んでむせてるだけなのか区別がつかなかったりします。
私たちがよく知っている、「人間の咳」とは違うために、発見が遅くなりがちですが、なるべく早めに咳とその原因となっている病気に気がつくようにしたいものです。
咳の原因にはいくつかあり、心配のないものもあれば重大な病気のときもありますので、愛犬が咳をした時には注意が必要です。
咳の原因となる病気も様々なものがありますが、小型犬の高齢犬に多いのが心臓病によるものです。「犬の咳は心臓病のサイン」と言われることもありますので、小型犬の飼い主はよく注意してあげるようにしたいです。
症状から考えられる病気一覧
咳の症状から考えられる病気です。
伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)
症状
発作性の咳が出るが咳以外に症状はほとんどない
概要
ウィルス感染による気管支炎です。深刻なものは少なく、1~2週間で回復することが多いです。
気管虚脱
症状
ガチョウが鳴くような「ガーガー」という乾いた咳をする。呼吸が荒くなる。
概要
ミニチュアプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアのような小型犬種に多く発症しますが、大型犬種でも発症することがあります。
肥満の犬が発症しやすいので、肥満にならないように注意しましょう。
フィラリア
症状
呼吸が荒くなり咳が出る。元気がなくなる。腹水がたまり四肢のむくみが見られる。
概要
蚊が媒介して起こる感染症です。蚊に刺されないこと、予防をしっかりすることで予防できます。
僧帽弁閉鎖不全症
症状
心臓が肥大して気管を圧迫することによって咳が出る。
概要
高齢の小型犬に発症しやすい病気です。
咳が発見のきっかけとなることが多いので、小さな咳でも見逃さないようにしましょう。
肺水腫
症状
咳をする。呼吸が荒くなる。前足を突っ張って座ったまま(お座りの体勢)でいる。
概要
心臓病が原因になっていることがほとんどです。治療は利尿剤などで肺にたまった水を排出させます。
まとめ
愛犬の咳は、できるなら代わってあげたいと思うほど苦しそうで、見ているのがとても辛いものです。
辛い目にあわせないためにも、愛犬の体調は常によく観察して、かすかなサインも見逃さないようにしたいものです。
咳が出る犬の病気には、ワクチンなどの予防接種で防ぐことができるものも多いので、毎年一回の接種は忘れずに受けるようにしましょう。
また肥満は心臓に負担をかけますので、肥満にならないように注意することも大切です。