愛犬の病気の兆候を見逃していませんか?
愛犬は大切なパートナーであり家族の一員です。飼い主であれば、愛犬の健康状態も常にチェックしておきたいものです。
鼻で健康状態を知る
愛犬の健康状態を知る上でよく知られているのが鼻の状態をチェックすること。恐らく愛犬家であれば誰もが知っているほどのメジャーな健康チェック方法でもありますよね?
健康な状態であれば常に湿っている鼻。ワンちゃんの嗅覚が鋭いと言われているのは、この湿りによって臭い物質をしっかりと捉えることができるからですが、それ以外にも大切な働きがあります。それが「放熱」です。汗腺が肉球にしかないワンちゃんは体全体の体温調節が難しいため、鼻からの放熱や舌を出して唾液を乾かすことで体温調節をしています。
鼻から健康状態を知る上でよく言われるのが、「鼻が乾いていたら注意!」という言葉。確かに間違いではありませんが、その逆もあります。つまり、湿り過ぎているという場合や鼻水が出ているといった状態は病気のサインである可能性があります。
一口に鼻水といっても、鼻水の状態によって疑われる病気は様々です。例えば、鼻水に加えて下痢や嘔吐などの症状が加わればケンネルコフなどの感染症が疑われますし、鼻腔内に腫瘍ができている可能性もあったりします。また、単に鼻炎であっても放っておけば副鼻腔炎になってしまうことも考えられます。鼻水を確認したら、早めの受診がおすすめです。
足を舐める
ワンちゃんが自分の足を舐める行動は比較的よく見られる行動ではありますが、その行動があまりにも多すぎる場合は要注意です。
足を舐めるという行動で最も多いのがストレスです。毛が抜けるだけに留まらず、皮膚自体がただれてしまうこともあります。傷ついた皮膚にバイ菌が入り、さらに症状が酷くなることもあります。
また、アレルギーが原因の場合も少なくありません。アレルギーの場合はその原因を突き止める必要がありますから、獣医による検査が必須です。原因さえ分かれば飼い主の対処によって改善されます。
その他、細菌の感染に伴う「膿皮症」なども疑われます。必要以上に足を舐めたりしている場合は、なるべく早めに受診しましょう。ストレスが原因の場合は、その原因を取り除くことで改善されるケースがほとんどです。スキンシップはしっかりとれているか? などを再考してみましょう。
愛犬のくしゃみ・しゃっくり・咳にも要注意!
くしゃみの原因
くしゃみの原因というのは、人でも犬でも同じ理由から引き起こされます。大抵の場合は鼻に入ってしまった異物や刺激物を体外へ出すための防御反応であることがほとんどです。クンクン臭いを嗅いでいるときに異物を吸い込んでしまったりした場合などにくしゃみが出たりします。
しかし、人もそうですがアレルギー反応によって引き起こされるくしゃみもあります。人で言えば花粉症が代表的な例ですね。アレルギーによって鼻炎が引き起こされてくしゃみが出るというのは人も犬も同じなのです。アレルギーのほかにも感染症も考えられます。鼻水を伴う場合は早めの受診をおすすめします。
また、異物を体外へ出すくしゃみ以外にも、逆に一気に空気を吸い込むような症状を見せることもあります。一般的に「逆くしゃみ」と呼ばれるこの症状については、未だにハッキリとした原因は突き止められていません。小型犬や短頭種によく見られるとも言われていますが、心配であれば動物病院に相談してみましょう。
しゃっくり
犬のしゃっくりも、人と同じく横隔膜の痙攣によるものです。特に、早食いの傾向があるワンちゃんはしゃっくりが多いとも言われていますし、ストレスによって引き起こされることもあります。
しかし、特に注意したいのは呼吸器系の疾患や循環器系の疾患です。肺炎や喘息によってしゃっくりが引き起こされるワンちゃんもいますし、心臓に関わる疾患が原因でしゃっくりが出るワンちゃんもいます。その他、寒さによる低体温やてんかん、脳卒中などでもしゃっくりが引き起こされます。
咳
犬が咳をする時は、感染症やアレルギー、循環器系の疾患、ケンネルコフなど様々な原因で引き起こされます。
人もそうですが、犬も健康な状態では咳をすることはありません。咳をする時にはなんらかの病気のサインが隠されていることも多くあります。頻繁に咳をしている、もしくは激しく咳き込んでいる場合は動物病院で診てもらう方法が一番です。
愛犬の震え・痙攣
愛犬が震えている場合は、生理現象か病気かを見極める必要があります。単に寒くて震えている場合もありますし、恐怖からくる震えもあります。この辺りは人と同じ生理現象です。また、激しい痛みで痙攣を起こしてしまうワンちゃんも多くいます。
ただし、場合によっては大きな病気が隠れていることもあります。低体温症やホルモンバランスの乱れによる内分泌異常、中毒症状、けがなどに伴うショック症状などが考えられますし、雷や花火大会の音が怖くて震えるワンちゃんもいます。老犬であれば脳疾患などで震えを伴うことがあります。
また、震えとよく似た症状で痙攣があります。痙攣の場合は震えとは違い、ほぼ確実に病気が原因です。震えの場合と同様の病気で痙攣を起こすこともありますし、感染症や尿毒症でも痙攣を起こします。体を硬直させて泡を吹いていればてんかんだったりします。
痙攣を起こしたらすぐにでも動物病院を受診しましょう。
震えと痙攣は判断が付きにくいこともしばしばありますが、全身が硬直し意識がはっきりしていなければ痙攣していると判断して間違いありません。触れたりすることを極度に嫌がったりなど、ちょっとでも普段と違う様子が見受けられたら迷わず受診することをおすすめします。
普段から愛犬とのスキンシップを
普段から愛犬としっかりスキンシップをとっていれば、健康に異常があるかどうか気付きやすくなります。スキンシップは愛犬の健康管理になくてはならいものと言っても決して過言ではありません。
大きな病気の兆候を見逃してしまったことで後悔の念に駆られてしまう飼い主さんはたくさんいます。震えひとつにしても、しっかりとコミュニケーションが図れていれば生理現象なのか病気によるものなのかの判断はつくと思います。
我が家の愛犬も痙攣を・・・
我が家の愛犬も去年激しい震えを起こしたことがありました。丸まった状態でプルプル震え続けていたのです。かかりつけの動物病院にフィラリアの薬をもらいに行き、血液検査をして家に帰宅してすぐのことでした。
ほんの数十分前までは普通にしていたので本当に慌てました。13歳という老犬でもあったので、すぐに病院で診てもらいました。
結果、特に悪い部分は見当たりませんでした。病院で処方された痛み止めなどの薬を飲ませたら、それきり何事も無かったかのように元気に過ごしています。我が家の場合のように、何が原因で体調を崩したか分からないということも、老犬であれば珍しくありません。
納得がいかなければセカンドオピニオンという選択肢も必要
しっかりとしたコミュニケーションが図れていれば、普段とどのように違うのかも医師に細かく説明することもできます。ワンちゃんは同居人ではなく家族。家族であればこそ、飼い主の責任として健康にも気を配りたいものです。
かかりつけの動物病院を見つけておくのはもちろんですが、同じ症状に対しても獣医によって治療方法などの見解が分かれたりもします。治療方法などについてしっかりした説明が無い場合にはセカンドオピニオンということも視野に入れておくといいでしょう。セカンドオピニオンで他の獣医からの意見を聞けば、治療に対する選択肢も広がります。
愛犬にとってどのような治療が好ましいのか――それを判断するのも飼い主です。コミュニケーションさえ図れていれば、その選択も決して難しいことではありません。