犬のおねしょの原因
犬がおねしょをしてしまう原因は、膀胱炎や特に老犬の場合は糖尿病などの病気が考えられます。いつもはきちんと犬用トイレでおしっこをしている子が、急にトイレ以外の場所でおもらししてしまったり、寝ている間に布団でおねしょをしたりするのは、何らかの病気が原因であることが疑われます。
きちんとトイレトレーニングができている犬でも、時には失敗することがあるので、一度や二度なら心配することはありません。でも、回数が頻繁な場合や、寝ている間におしっこをジャーっと漏らす場合は、動物病院で診察を受けましょう。
犬がおねしょをする原因となる病気について、以下に説明します。
犬のおねしょは病気のサイン
糖尿病
糖尿病のせいで、犬が大量に水を飲むようになり、それが原因でおねしょをすることがあります。糖尿病になると、食べた物がうまく体に取り込まれず、満腹感を得られなくなります。
そのため、犬はたくさんの食べ物を要求するようになり、糖分を尿と一緒に排出します。尿で排出するためには、たくさんの水も必要なので、水を飲む量が増え、それに伴っておしっこの回数も増えます。
おしっこの回数が増えるあまり、犬がおねしょをするようになる場合があるので、多飲多尿になったら、早めに動物病院で診察を受けることをお勧めします。
腎臓病
多飲多尿といえば、まず疑われるのは、腎臓の病気です。老犬に多い病気ですが、大けがをしたあとなどの原因でも、腎臓にダメージを受けることもあります。
特に、慢性の腎臓病になると、犬はとてもたくさんの水を飲むようになります。最初は喉が渇いているだけかな?と思うかもしれませんが、この状態がずっと続くようなら、腎臓病の可能性が高いです。
おしっこの回数もぐっと増えますので、トイレを失敗したり、おねしょをしてしまったりすることもあります。愛犬がおねしょをするようになったら、水を飲む量をチェックしてみてください。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアと犬のおねしょは関係ないように思えますが、ヘルニアによる神経のマヒが原因で、排尿がコントロールできなくなる場合があります。
神経のマヒで、下半身に力が入らなくなり、その結果尿もれやおねしょをするようになります。
クッシング症候群
主に老犬に多い病気です。クッシング症候群は、ホルモンの異常を引き起こし、多飲多尿になります。膀胱にためておける量をオーバーしてしまい、おねしょの原因になります。
避妊・去勢手術の後遺症
病気ではありませんが、避妊・去勢手術の後遺症として、おねしょや尿もれが起きることがあります。きちんとトイレトレーニングができていた犬が、主に夜中寝ている状態でおもらししてしまうことが増えます。手術後すぐに起こるよりは数年後に起こる傾向があります。このような場合手術の後遺症が疑われます。
犬のおねしょ対策
犬がおねしょをする原因が病気の場合、適切な治療を受けるのが前提ですが、家でできるおねしょ対策をいくつか紹介します。
洗えるシーツ
犬がよくおねしょをする場所に、洗えるシーツを敷きます。犬が寝るのが犬用ベッドであれ、ソファや人間のベッドであれ、汚れるたびに洗うのは困難ですよね。特に犬用ベッドや、リビングに置いたソファなどは、洗濯自体できないものです。
そこで、ソファやベッドをカバーするために、洗えるシーツを敷きます。そうすれば、汚れるたびに洗えますし、替えを用意しておけば、常にシーツでカバーしておくことができます。
ペットシートを敷くこともできますが、お漏らしの範囲が広いときは、シーツのほうが便利かもしれません。
おねしょシーツ
汚れたシーツを洗うのが面倒という方には、おねしょシーツをお勧めします。防水加工がされていますので、普通のシーツよりずっと扱いやすいです。
特にペット用でなくても、人間用のおねしょシーツを使うことができます。介護用品として販売されていますので、ホームセンターやネットショップで購入できます。自宅で洗濯でき、繰り返し使うことができます。
水のいらないペット用シャンプー
おねしょをすると、犬自身の体も汚れてしまいます。毎回シャンプーするのは、特に老犬にとっては負担になりますので、スプレータイプのシャンプーをお勧めします。
汚れた部分にスプレーして拭きとってあげるだけで、ニオイも消えますし、清潔を保つことができます。
犬用おむつ
犬のおねしょ対策として、おむつをはかせるのも1つの方法です。犬用のおむつが、各サイズ販売されていますので、小型犬から大型犬まで使うことができます。
ただ、最初は犬がおむつをいやがることが多いです。犬は決まった場所で排泄する生き物なので、おむつの中でおしっこをするのに抵抗を感じます。寝たきりの老犬なら、あまり気にしないかもしれませんが、まだ歩ける状態だと、おむつをいやがって、嚙みちぎろうとする場合もあります。
そのため、お漏らししそうな時にはかせて、汚れたらすぐに取り替えるなど、最初は短時間から慣らしていきましょう。おむつのいいところは、犬の体が汚れないこと、床なども汚れないことです。
小型犬ならば、人間の赤ちゃん用のおむつに尻尾の穴を空けて使うこともできます。おむつに慣れてくれれば、お世話も楽になりますので、上手に活用したいところです。
まとめ
犬がおねしょをするようになったら、困ったなと思うのが、飼い主の正直な感想かもしれません。でも、病気が原因であることも多いので、おねしょが続くようなら、必ず動物病院で診察を受けてください。
治療が効いておねしょが止まればいいですが、特に老犬の場合には排泄のコントロールができず、人間と同じように下の世話も必要になってきます。そんなときは、おねしょシーツやおむつを上手に使って、犬も人間も負担が少ない方法を見つけたいですね。