犬の元気がないけど食欲はある理由
ストレス
犬の元気がない理由のひとつにストレスが考えられます。人間でもストレスを感じて、いつもより元気を出すことが出来なくなる時もありますよね。食欲不振になる人もいれば、逆にストレスにより、いつもより食欲はある状態になる人もいます。犬もまったく同じでストレスにより食欲はあるけど、元気がない状態が続くことがあります。
犬の性格によりストレスの原因は様々ですが、多いのは飼い主さんとのコミュニケーション不足で寂しい思いをしたり、お散歩にあまり行けず運動不足になってしまう、また近所で工事をしている時などは騒音に対してストレスを感じることがあります。
長期間ストレスを感じ続けるのは、犬の心身に大きな負担をかけてしまいます。愛犬の性格を考え、元気がないけど食欲はある理由がストレスなのか見極めてあげて下さい。
気候や気温
犬も人間と同じで、急な気候の変化で元気がないけど食欲はある状態になる事があります。特に気をつけてあげたいのが夏場の気温が上がる季節です。
近年、猛暑になる事が多く気温の高い日が何日も続くと、犬も夏バテして元気がない状態になってしまいます。何日も夏バテの状態が続いてしまうと、徐々に食欲も落ちてきてしまいますが、最初のうちは食欲はある状態です。
犬は自ら体温を下げることは苦手なので熱中症にもなりやすいです。食欲はある状態でも、元気がないと共に下痢や嘔吐、体の震えがある時は熱中症の可能性もあるので、すぐに動物病院で診てもらって下さい。
夏バテや熱中症予防のために飼い主さんが色々と工夫してあげましょう。気温が高い日中にお散歩に行っているようであれば、早朝や日が沈んでからの時間帯に変更してあげてください。また室温が高いようであればエアコンでしっかりと温度調節しましょう。
年齢によるもの
大切な家族でもある愛犬。絶対に避けて通る事ができないのがシニア期です。犬は一般的に7,8歳からシニア期に突入し、徐々に老化が進み元気がないけど食欲はある時が増えてきます。そのくらいの年齢から少しずつ元気がない状態になり、睡眠時間も長く寝てばかりいる犬が多いようです。
老化現象も初期であれば、極端に食べなくなることはないので、食欲はあるはずです。ですが体力的には衰えてきているので、犬が今までよりも元気がないように見える事もあると思います。
老化現象を少しでも遅らせるためには、老犬になる前から犬の食生活に気を配ることが大切です。老犬になってからでも、食欲はある状態であれば、愛犬にあった良質なドッグフードを与えて上げましょう。運動不足にならないよう愛犬の運動量に合わせた運動をしっかりと行うことも重要です。
犬に元気がない時に考えられる病気
関節炎でどこかに痛みがある
犬は関節炎により体のどこかに痛みがある時、元気がないことがあります。犬は人間と比べると痛みに耐える力が強いので、痛みがあっても笑顔を見せてくれる時もあれば、ご飯もきちんと食べて食欲はあることも多いと思います。
食欲はあるけど、いつもに比べてなんとなく元気がない、また体の動きが悪い時はどこかに痛みを感じている可能性があります。関節炎とは骨と骨をつないでいる関節に炎症が起きている状態です。関節自体を動かしづらく、痛みを伴っていることが多いでしょう。
犬の体のどの部分に関節炎が起きてもおかしくはないですが、足や腰、首など特定の場所を触れられるのを嫌がり、食欲はあるけど元気がない時は関節炎の可能性が高いです。悪化すると骨の変形に繋がる可能性もあるので早めに獣医さんに診てもらいましょう。
犬風邪
犬も人間の風邪と似たような症状が起こることがあります。通称、犬風邪。ウィルスや細菌に感染し、咳や鼻水、発熱などの症状が出ます。初期症状であれば軽い咳程度で食欲はある状態が続きますが、徐々に元気がない状態になり、咳が激しくなると吐くこともあります。
重症化すると肺炎になる可能性もあるのが犬風邪です。犬に元気がないけど食欲はある状態で咳をついている時は要注意です。犬風邪になってしまったら運動を控え、室内の空気を小まめに喚起し清潔な空気の中で過ごすようにしましょう。
初期の肝硬変
犬の肝硬変とは肝臓が硬くなり肝機能が低下している状態です。初期症状としては体力が落ち、元気がない状態になります。進行すると食欲も落ちますが、肝硬変の初期では食欲はある状態で元気がないだけなので病気に気付いてあげるのが遅くなることもあります。
肝硬変により壊れてしまった肝臓の組織は、治療により修復することは出来ず、完治するのは無理だと言われてる病気です。犬の元気がないけど食欲はあるうちに受診する事をお勧めします。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症とは高齢犬にしばしば見られる病気で、甲状腺ホルモンの分泌が減少してしまう病気です。もともと高齢犬は成犬と違い元気がない時も多いかと思いますが、この病気になると元気があった犬も元気がない状態が頻繁に見られると思います。
食べ物を受け付けなくなる病気ではないので食欲はありますが、甲状腺機能低下症になってしまうと、元気がない以外に動きが鈍くなり、犬の顔つきがボンヤリしてくるなどの症状も見られます。その他にも脱毛や皮膚の色が黒く変色するなど、確認しやすい症状が出る病気なので、元気がないけど食欲はある犬でも、これらの症状が見られたらすぐに獣医さんに診てもらいましょう。
犬に元気がない時の対処法
まずは体の隅々までチェック
犬に元気がないけど食欲はある状態の理由ひとつに、痛みなどの不快感を感じている可能性があります。元気がないけど食欲はあるときに、スキンシップも兼ねて犬の体の隅々までチェックしてみましょう。
関節炎であれば痛みがある部位に触れると、嫌がる素振りをすると思います。皮膚に炎症が起きている可能性もあるので、かるく犬の被毛をかき分けて皮膚の状態もチェックするのが良いでしょう。
日頃あまりきちんと見ることが出来ない耳の中や口の中も確認していきましょう。耳の中はライトを当てると見やすくなるので耳垢がたまっていないか、傷がないか確認してください。
口周りを触れることが出来る犬は口内のチェックも出来ますね。歯だけではなく歯茎が腫れていないかも確認しましょう。食欲はある状態でも口内に違和感がある時は食べるのが遅くなる事があるので注意深く確認して下さい。
犬の元気がないけど食欲はある原因が、たとえば耳垢が溜まっている程度であれば近隣のショップで耳掃除をしてもらうだけで、元気がない状態も治まるかもしれません。体の隅々までチェックする事によりご自身で対応できるものか、動物病院にお世話になるべきなのか判断しましょう。
食事を見直す
犬の元気がないけど食欲はあるとき、なんとか元の元気を取り戻してもらいたいと対処法を考えますよね。食欲はあるのですから、食事の内容を良質な物に変更してみましょう。
近年はドッグフードの種類もとても豊富で、ご近所のスーパーやドラッグストアなどでも気軽に購入することが出来ますね。愛犬に与えているドッグフードの原材料をしっかりと確認したことはありますか?
ドッグフードは防腐剤や着色料など、添加物を使用しているものが多く販売されています。犬の消化器官に負担をかけ、下痢や嘔吐の原因にもなりかねないので、犬の元気がない時は出来るだけ無添加のドッグフードを与えるようにしましょう。
また犬にもアレルギーがとても増えています。せっかく無添加のフードに変更してもアレルゲンが使用されているフードだと意味がありません。犬に元気がないけど食欲はある時に、1度アレルギー検査をしてみることもお勧めです。
生活環境や接し方を見直す
もし犬の元気がないけど食欲はある原因がストレスの場合、あらためて犬の生活環境などを見直してみることも大切です。生活環境も居住空間だけではなく、散歩の質や飼い主さんが愛犬とどのように接しているかなど、犬のストレスの原因を幅広く考えて見ましょう。
犬の元気がないけど食欲はあるとき、お留守番が長すぎて寂しい思いをさせてはいませんか?そんな時はコミュニケーションをとる時間をじゅうぶんに確保しましょう。また厳しすぎるしつけに怖がる素振りを見せている時は、犬が理解しやすいしつけ法などに変えてみましょう。
居住空間はケージ、寝床、トイレなどを常に清潔を保ち、室内の温度設定も気をつけてください。また睡眠時間が短いのも、犬の元気がないけど食欲はある状態になる原因のひとつです。犬が眠そうにしているのに無理矢理起して遊んだりしないようにして下さい。
犬が感じるストレスは個体により様々ですが、気付いてあげられるのは飼い主さんしかいません。元気がないけど食欲はあるとき犬は「ストレスがあるんだよ」と教えてくれているのかもしれません。犬はストレスを感じている時、あくびをしたり、鼻先を舐めたり、目をそらしたりと仕草で伝えてきます。
愛犬がこれらの仕草を頻繁に行い元気がないけど食欲はある時は、ストレスが原因の可能性が非常に高くなります。ストレスの原因を探り環境や接し方をしっかりと見直してあげてください。
まとめ
犬の元気がなくなる理由は様々ですが、食欲があるのであれば大丈夫なことが多いとは思います。しかし犬は話すことが出来ないので、ちょっとした体調の変化にも気をつけてあげたいですね。
少し休ませれば復活することもあれば、通院が必要になってしまうケースもあると思います。気付いてあげられるのは飼い主さんだけなので、いつも注意深く愛犬を見守ってくださいね。