犬が目を掻いているときに考えられる原因
犬が目を掻くのは、目に痒みや痛みを感じたときです。この痒みや痛みの原因には、どういったものがあるのか見ていきましょう。
目にゴミが入っている
犬は、目に細かいゴミや毛が入ってしまっても、気にしないことがほとんどです。犬自身が目のゴミを気にしている様子がなければ、無理に取ろうとせず様子をみましょう。ゴミは涙で流され、自然に目から排出されます。ですが、犬が目を気にしている様子がある場合、掻くことで目を傷つけてしまう恐れがあります。
目に傷がついている
目を掻いた、擦った、ぶつけた、といったことが原因で、目を傷つけてしまうことがあります。目が傷つくと、目を掻く以外にも症状が現れることがあります。
- 目がしょぼしょぼする
- 目が開かない
- 涙や目やにが増える
- 目が充血する
これらの症状が見られた場合は、動物病院で目に傷がついていないか、診察を受けましょう。動物病院を受診するまで、目を掻くことで傷が広がらないように気をつけましょう。目の傷が広がったり、深くなったりすると、どんどん治りづらくなってしまいます。
結膜炎
結膜炎は、結膜(まぶたの裏や眼球を覆う粘膜)が炎症を起こした状態を言います。
- まぶたの充血
- 涙や目やにが出る
- 目をしょぼしょぼする
結膜炎ではこれらの症状が見られ、炎症が広がると角膜炎を引き起こすこともあります。結膜炎を引き起こす原因は、目の周りの毛による刺激や、アレルギー、シャンプー剤などの刺激などです。治療の際には、原因を取り除く処置とともに、炎症を抑える点眼液を処方されることが多いでしょう。
目以外を掻いている
犬は耳や口を気にして掻いている場合でも、目を掻いているように見えてしまうことがあります。この場合は、目に異常は見つかりません。耳を気にしている場合には、外耳炎を起こしていることが考えられます。口を気にしている場合には、歯周病で歯肉に炎症を起こしている場合や、アレルギーで痒みが出ている場合が考えられます。
また、初めは目以外を気にして掻いているうちに、うっかり目を傷つけてしまうということも、しばしば見られます。原因は何であれ、顔のどこかを気にして掻いている場合は、早めに治療を始めてあげましょう。
犬が目を掻いているときの対処法
犬が目を掻いているときは、掻くことで目を傷つけないように対処してあげましょう。すでに傷ついてしまっている場合でも、傷を広げないよう、同様の対処が必要です。目を掻かないよう保護するための、一番簡単な対処法は「エリザベスカラーをつけること」です。愛犬用のエリザベスカラーがお家にあるようでしたら、すぐにつけてあげましょう。
エリザベスカラーがない場合、カップラーメンの容器やクリアファイルを犬の身体に合わせて切り取ることで、代用品を作ることができます。代用品が用意できない場合、オモチャで一緒に遊ぶなどして、愛犬の気を目から逸らしてあげることで、目を気にする時間を少なくしてあげましょう。
もし、目にゴミが入っている、という明確な原因がある場合には、それを取り除くことで解決するかもしれません。ゴミを洗い流すには、人工涙液や生理食塩水のような目に刺激のない液体を使うとよいでしょう。指やティッシュで取ろうとしてはいけません。目を傷つける原因になってしまいます。
目にゴミが入っていないにも関わらず、犬が目を気にし続けているようなら、早めに動物病院にかかりましょう。前述のような原因やその他の病気などが起きているかもしれません。
まとめ
目は、愛犬とコミュニケーションをとる上で大切な器官であり、チャームポイントの一つでもあります。また、日頃愛犬の目を見る機会は多く、そのため異常に気がつきやすい場所でもあります。ですが、異常に気がついていても、対処する前に犬が自分で掻いてしまい、状態が悪くなってしまうということがよくあります。
異常に気がついたときには、大したことがなさそうに見えても、そのまま掻き続けていてはあっという間に状態が悪くなってしまうでしょう。目はとても大切な器官です。異常を見つけたら、早めに動物病院を受診しましょう。