犬が草を食べても大丈夫?
犬が草を食べるのは、実は本能的なものだそうです。胃の粘膜が刺激されたとき、異物や有毒な物を食べてしまったときなどに、本能的に草を食べて、吐き出すことで体調を保とうとしているようです。自分の体をまもるために、古くから犬たちはそうしてきたのかも知れません。
でも、吐くということは犬の体に、大きい負担を与えます。吐いたあとは、胃の中が敏感になってしまうようです。犬は比較的、簡単に吐くことができる動物のようですが、吐かせた方が良いから草を食べさせるというのは、良くないです。
犬にとって有毒な草もありますし、線路際や、駐車場などの草むらには、除草剤がまかれていることもあります。草を食べるということに、犬の命を守る点で、危険が伴っていることを意識するのは大切だと思います。
草を食べる犬が注意しなければいけない点
- 有毒な植物
- 除草剤など薬品の散布
- ウイルス病、寄生虫などの伝染病
有毒な植物
身近な有毒な植物には、こんなものがあります。誤って口にしてしまうと、嘔吐したり、まひを起こしたり、最悪死んでしまう可能性があります。
- アサガオ
- ツタ
- スズラン
- トマトのつる
- ウメ
- スイセン
- ワラビ
などです。
除草剤など薬品の散布
線路沿いの散歩道を歩いているワンちゃんと、飼い主さんに注意していただきたいのは、線路沿いには除草剤が使われている場合が結構あることです。心配であれば、駅の係員さんや鉄道会社に確認しておくと良いかもしれません。
除草剤のかかっている草を食べてしまった場合、腸炎になるか、最悪の場合は死に至ってしまいます。公園は、最近では人間への害があるため、除草剤を使わない公園が増えているようです。ですが、使用しているかどうか心配であれば、公園の管理者に確認しておくと安心です。
除草剤は、まいた直後は草の色が変わりませんが、数日すると、草の緑色が抜けたように、茶色くなって枯れていくのが特徴です。散歩道もよく観察して、除草剤がまかれていることを確認したなら、あまり近寄らせないのが良いかも知れません。
ウイルス病、寄生虫など伝染病の危険
犬が寄生虫に感染する経路として、散歩道で草を食べることが原因になってしまっていると獣医さんに聞きました。寄生虫を持っている犬や、猫が草むらで排泄した場合、排泄したばかりは大丈夫でも、ウンチに寄生虫の卵がついていると、危険な状態になります。
2~3日かけてウンチの中で、卵が成長していき、ウンチが乾燥してくると、草むらに寄生虫が出てくる可能性があるからです。ウンチ自体がなくても、草むらに卵が残っていることもあります。そして、知らずに草むらで、草を食べてしまった犬が、寄生虫に感染しまうことがあるそうです。
細菌で怖いのがレプトスピラです。レプトスピラに、感染している野ネズミや野生動物、犬の尿に触れただけで感染してしまうようです。ですが7種以上のワクチンを接種しておけば、レプトスピラは防げるそうです。
胃腸を整える方法
吐かせた方が良いと、草を食べることは様々な危険から、やはりやめさせた方が良いようです。犬の胃腸を整える方法として、こんな工夫はいかがでしょうか?
消化の良いドッグフードに切り換える
脂肪分を減らしたドッグフードが売られています。胃腸が弱っているとき、脂肪分の高いフードは負担になることがあるので、一時、脂肪分を減らしたドッグフードに、少しずつ切り替え、胃腸の調子が整うまで様子を見ることもできます。
空腹時間が長くならないようにする
人間でもそうですが、空腹時間が長くなると胃液が胃粘膜を刺激してしまいます。できるだけ、空腹時間が長くならないようにするため、食事の全体量を変えないで、何回かに分けてあげたり、食事の時間を工夫したり、茹でたキャベツなど、胃の負担にならないものを合間に与えたりできます。
まとめ
犬が草を食べ、吐いて胃腸の調子を整えようとするのは、本能的なもののようですが、最近では除草剤など、薬品が草にかかっている危険や、細菌や寄生虫に感染する危険を考えると、むやみに草を食べさせない方が、良いかもしれません。
愛犬の胃腸の調子が悪いかどうかは、草を食べたがる様子だけでなく、吐いたり、ウンチの様子を観察したりすることで、たくさん情報を得ることができます。
家庭でできる、胃腸を整える工夫をして、愛犬の健康を見守ってあげたいですね!