犬の体温調整
ワンちゃんは人間と違って、全身から汗をかきません。
ということは???
汗の大切な役割に「体温調整」があります。
つまり、汗をほとんどかけないワンちゃんは実は「体温調整が苦手」なんです。
そこで問題になるのが「熱中症」です。
体温調整が苦手なワンちゃんは、暑さによる体温上昇に対してうまく対処できず、人間よりも簡単に熱中症にかかってしまいます。
ですので、日ごろからワンちゃんへの暑さ対策はしっかりと行う必要があります。
狂犬病の集団予防接種に注意
特に今の時期で、ワンちゃんの暑さ対策で気を付けていただきたいのが、「狂犬病の集団予防接種」です。
全国のほとんどの地域では、4月に一斉に狂犬病の集団予防接種が行われていると思います。
よく自治体の広報で「今年の集団予防接種の日程と会場案内」が掲載され、近くの公園や広場で実施されているものです。
ところで、狂犬病の予防接種に限らず、ワンちゃんや人間の予防接種では、副作用が出ると、それをメーカーに報告し、獣医師や関係省庁で情報を共有することになっているのですが、実は狂犬病予防接種の副作用は、多くがこの集団予防接種時に発生しています。
狂犬病予防接種の副作用が集団予防接種時に多い理由はさまざまあります。
副作用の理由
そしてその理由の一つが「暑さによる体調不良」が考えられています。
狂犬病の集団予防接種が行われる時期は4月とはいえ、日中は人間でも汗ばむ陽気となることがあります。
そんなときにはもちろんワンちゃんも、直射日光を浴びていれば体温は上昇してしまいます。
そして、集団予防接種ではほとんどの方が会場で待たされてしまいますので、少なからず暑さの影響を受けてしまいます。
さらにワンちゃん自身の緊張もあり、さらに体温上昇のリスクが高まる中の予防接種となってしまいます。
予防接種は狂犬病に限らず、体温が高いと副作用のリスクが高まると言われています。
ですので、暑さと緊張で体温が高くなっている状態で、予防接種を行うことが、集団接種時に副作用が出る原因の一つではないかと考えられているのです。
予防接種はあくまで「健康なワンちゃん」に実施するものですので、できる限りリスクは避けたいですよね。
ワンちゃんの体温が上がりそうな暑い陽気の日には、予防接種は気を付けてあげてください。
ちなみに狂犬病の予防接種は、集団接種以外にも、ほとんどの動物病院で接種可能です。
集団接種当日があまりに暑そうなとき、あるいはワンちゃんの体調がすぐれないときは、無理せず、後日、お近くの動物病院で接種するようにしてくださいね。