犬が小刻みに震える理由はさまざま
愛犬がブルブルと小刻みに震えていると「どうしたんだろう?」と、心配になりますよね。犬が震える理由はさまざまで、あまり心配のない震えもあれば、動物病院での受診が必要な震えもあります。
受診が必要な震えなのに「きっと心配ない」と軽く考えて放っておくと、愛犬の命に関わることもあります。かと言って、震えをすぐに病気と決めつけるのもよくありません。
ですから、この機会に犬が震える理由について知識を深め、愛犬の震えにしっかり対処できるようにしておきませんか?
以下から、犬が小刻みに震える理由を7つご紹介していきますので、ぜひ参考になさってください。
犬が小刻みに震える理由①寒さ
犬も人間と同じように、寒さを感じるとブルブル小刻みに震えます。よく「犬は寒さに強い」と言われますが、全ての犬がそうではありません。
温暖な地域が原産の犬や被毛が上毛のみのシングルコートの犬は、寒さに弱い子が多いようです。また、子犬や老犬は体温調節が上手くできないため、寒さで震えやすいです。
愛犬が寒くて震えているときは、室内の温度を上げたり、毛布やペット用の暖房グッズを活用して、暖かい環境を作ってあげましょう。寒い時期のお散歩などで震えてしまうのなら、服を着せて出掛けるといいでしょう。
犬が小刻みに震える理由②中毒
ネギやチョコレートなど、人間には問題なくても犬には中毒性のある食べ物があります。食ベ物だけではなく、犬が口にすると危険な植物もありますし、もちろん殺虫剤や除草剤なども有害です。
こうした犬にとって危険なものを口にしてしまうと、中毒を起こすことがあります。その場合、震えやけいれん、嘔吐、下痢、よだれ、呼吸困難などの症状が見られ、最悪の場合は死に至ることもあります。
飼い主さんに覚えがなくても、飼い主さんの目の届かないところで危険なものを口にしているかもしれません。突然の震えやけいれんと共に嘔吐や下痢などが見られる場合は中毒の可能性も疑い、速やかに動物病院へ連れて行きましょう。
犬が小刻みに震える理由③不安・緊張・恐怖
皆さんは、大勢の人の前に立つなどして緊張ときに、手足が震えたことはありませんか?それと同じように犬も、不安や緊張、恐怖などを感じるとブルブルと震えてしまうことがあります。
例えば、苦手な犬や人と会ったとき、大きな音を聞いたとき、慣れない場所へ行ったときなどに犬は不安や緊張、恐怖を感じて震えてしまうのです。特に、花火や雷の音に恐怖を覚える犬は多く、震える以外にも逃げ出そうとしたり、隠れたり、部屋の中を暴れ回ったりすることもあります。
不安などで震えている場合は、その不安などの原因となっているものを取り除いてあげたり、その場から離れたりすることで震えは止まるはずです。
花火や雷が原因の場合は、音が聞こえないようにできる限り音を遮断し、愛犬をそばに呼んで遊ぶなどして気を紛らわせてあげるといいでしょう。また、普段からおやつを与えながら花火や雷の音が収録されたCDを聞かせるなどして、少しずつ花火や雷の音に慣らしていくのもひとつの手です。
犬が小刻みに震える理由④筋力の低下
老化や運動不足によって筋力が低下すると、自分の体を支えることが難しくなり、小刻みに震えてしまうことがあります。
筋力は使わないと、どんどん衰えていきます。特に、犬は後ろ足の筋力が衰えやすいと言われており、立っているときに後ろ足がプルプル震えてしまう老犬は多いです。ですから、筋力を維持するために、愛犬が元気なうちはできるだけ運動をさせましょう。
とは言え、老犬に長距離の散歩をさせたり、激しく走らせたりするのは、骨や関節に負担をかけ過ぎてしまい、よくありません。普段の散歩のときに、舗装された平坦な道ばかりではなく、未舗装の場所や緩やかな階段も歩かせるなど、全身の筋肉にまんべんなく刺激を与えるような工夫をするといいでしょう。
犬が小刻みに震える理由⑤痛み
体のどこかに痛みがあるときにも震えることがあります。愛犬が震えていて、抱っこや体に触れられるを嫌がったり、体に触ると「キャン」と鳴いたりする場合は、椎間板ヘルニアや関節炎などによって強い痛みが出ている可能性があります。
また、膵炎が進行すると激しい痛みが出るため、お腹をかばうように丸まって震えます。痛みで震える以外にも食欲不振、下痢、嘔吐などの症状が見られ、放っておくと死に至ることもあります。
痛みが理由で震えているときは明らかに体調が悪そうなことが多いので、飼い主さんもすぐに分かると思います。痛みによる震えに気づいたら、早めに動物病院へ。
犬が小刻みに震える理由⑥病気
病気が原因で震えることもあります。例えば
- 低血糖症
- ジステンパーウイルス感染症
- てんかん発作
- 尿毒症
- 肝性脳症
などは震えやけいれんを起こしやすい病気です。けいれんは、体の一部が一定の間隔でピクピク動いたり、全身が激しくけいれんしたりしますが、軽度のけいれんは震えと区別がつきにくいこともあるようです。また、てんかん発作の予兆として震えが見られることもあります。
震えが続き、食欲不振や元気消失なども見られる場合は病気を疑い、早めに受診しましょう。明らかに震えではなく、身体をのけぞらせたり、手足を突っ張るように伸ばしたりしながらガタガタ震えていて、けいれん発作と思われる状態が1分以上続く場合は、至急動物病院へ連絡を。
犬が小刻みに震える理由⑦飼い主の気を引くため
犬は、震えたときに飼い主さんに「どうしたの?」と声を掛けられたり、抱っこをされたりして、優しくしてもらえた経験があると、飼い主さんの気を引くために震えるようになることがあります。
いわゆる仮病のようなものですが、もちろん犬は仮病とは意識していません。震えると飼い主さんに優しくしてもらえると学習し、自分にプラスになる行動をしているだけなのです。
寒さや恐怖などを感じているわけでもなく、体調も悪くなさそうなのに愛犬が震えているときは、飼い主さんの気を引きたいのかもしれません。飼い主さんの気を引くために震える場合は、震えたときにかまってしまうと、震える行動がどんどん強化されていく可能性があります。
ですから、震えていないときにたっぷり遊ぶなど愛情を示し、愛犬の心を満たしてあげるようにしましょう。そうすることで、飼い主さんの気を引くための震えは少しずつなくなっていくでしょう。ただし本当に体調不良の場合もありますので、気になる震えは動物病院でまず診察を受けてください。
まとめ
いかがでしたか?犬が小刻みに震える理由はさまざまだということがお分かりいただけたかと思います。愛犬が震えたときにその理由を見極めるためには、飼い主さんの観察力がカギになります。慌てずによく愛犬を観察してくださいね。
中毒や痛み、病気が理由で震えていると考えられる場合、震える理由が分からない場合、震えが続く場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。