犬が首を痛める理由 その①「椎間板ヘルニア」
椎間板ヘルニアとは、背骨の関節部にあるクッションのような役割を担っている物質(椎間板)が飛び出すことによって、その周囲にある脊髄や神経に圧迫や損傷を引き起こすものです。
軽度である場合には圧迫による痛みが起こり、重度である場合には損傷によって麻痺が起こることがあります。
椎間板ヘルニアを疑う場合、関節疾患の専門医である獣医さんを訪ねるのがおすすめです。
胸腰部椎間板ヘルニアの症状
- 腰を左右に揺らしながらヨタヨタと歩く
- 背中を丸めるような姿勢で歩く
- 首をうなだれるように歩く
- 急に“キャンッ!”と鳴くことがある
- 背中や首に触れようとすると動かなくなる
- 抱っこしようとすると“キャンッ!”と鳴いたり唸ったりする
- お散歩の途中で歩かなくなってしまう
- カラダを丸めながら小刻みに震えている
頚部椎間板ヘルニアの症状
- 背中を丸めるような姿勢で歩く
- 首をうなだれるように歩く
- 頭を上げることができず上目遣いをする
- 首をすくめるようにして動かなくなる
- お散歩中にリードが引っ張られると痛がる
- 首や周辺に触れようとすると“キャンッ!”と鳴いたり唸ったりする
対処法
神経を圧迫している場合や脊椎を損傷している場合、麻痺が残ってしまうこともあるため、緊急に処置が必要です。早急に病院へ連れて行ってあげましょう。
犬が首を痛める理由 その②「筋肉痛」
犬の筋肉痛に関して、明確な医学的解明はされていないものの、運動によって筋線維が傷つき、炎症を引き起こすことが痛みの原因になるとされています。
とくに若い犬は自分自身の体力がどれくらいあるのか、筋肉の限界を知らないため、無我夢中になって遊び、オーバーヒートしているにも関わらず運動を続けたことによって、筋肉痛になってしまうことがあるようです。
また、犬は飼い主さんとアイコンタクトするため、飼い主さんの姿を見るため、いつも上を見上げるような姿勢をとっていますよね。
私たち人間も、ずっと上ばかり見ていたら首が痛くなりませんか?そのことと同じ痛みが犬にもあらわれるようなのです。
首を痛がる筋肉痛の症状について
首や周辺に触れようとすると“キャンッ!”と鳴いたり唸ったり、首を痛がること以外にも、
- ぎこちなくヨタヨタと歩く
- 振り向くことをしない
- 見上げることをしない
- 食事が上手く食べられない
などの症状があらわれることもあります。
対処法
筋肉痛は、筋肉を作っている繊維状の細胞が傷つき、炎症が起きることを言います。炎症を抑えるために冷やしたり、温めたりしながらマッサージをすると良いとされています。
しかし、間違った方法で行ってしまうと悪化してしまう可能性もあるため、あまりにも痛がるようであれば獣医さんに適切な処置をしてもらう方が良いでしょう。
筋肉痛を予防するために
これは私が行っている方法ですが、犬の首にかかる負担やダメージを少しでも軽減させてあげたいと思い、お散歩の前と後、運動の前と後などに首と周辺のマッサージをしてあげています。マッサージ方法は獣医さんに指導していただいて覚えたものです。
また、ドッグランで走るなどの運動をさせるときは、いきなり激しい運動をさせるのではなく、先にウォーミングアップとして歩いてお散歩するなどしておくと良いと思います。
犬が首を痛める理由 その③「噛まれた」
何者かによって首を噛まれたことが首の痛みの原因になることもあります。噛まれた場合は、痛み以外にも首が腫れるなどの症状があるはずですので、被毛をかき分けてチェックしてみてください。
私の愛犬は、急に飛び出してきた野良猫に首を噛まれたことがあります。幸いにも分厚い被毛のおかげでケガは一切ありませんでした。野良猫もだたじゃれて遊びたかったようでしたので、本気で噛まなかったのかもしれません。
お散歩中、草むらなどに隠れている蛇や虫に噛まれてしまうこともあります。蛇や虫の中には毒を持っているものもいるため、すぐに病院へ行きましょう。
まとめ
首を痛がるとき、ほとんどの犬が“キャンッ!”と甲高い声をあげて鳴きます。それだけ強い痛みがあるのだと思います。
軽い痛みである場合には、症状の例としてあげたように、歩き方に違和感があるなどします。どんな痛みも軽度なうちに治療することで悪化を防ぐことができます。
歩くことができなくなってしまったり、寝たきりになってしまうこともありますので、普段から愛犬の首や周辺に触れたりマッサージするなどのコミュニケーションをとり、異常はないかチェックしていくと良いのではないでしょうか。