犬の外耳炎の薬の種類
犬の外耳炎の薬には、症状が軽度であれば点耳薬を使用します。犬の外耳炎が重度である場合は、痒みや感染が症状として出るため、痒み止めや抗生剤を使用します。
これらの薬を使って、まずは犬の耳の感染症を治し、細菌が増えやすい状態を改善する必要があります。
犬の外耳炎を治療するにあたり、耳の洗浄剤(クロルヘキジン、スルホコハク酸カルシウム、ヒビテンなど)や耳垢溶解材を使用して耳を洗い、後に治療で使用する抗生物質の効きを良くします。この「犬の耳をきれいに洗う」ということが最も大切な処置であり、この処置をしてから以下の治療薬を使用します。
- 犬の耳の細菌や酵母を治療する薬
- 耳ダニなどの寄生虫を駆除治療する薬
- 外耳炎の炎症を抑えて治療する薬
犬の耳の細菌や酵母を治療する薬
犬の外耳炎には様々な細菌や酵母が見られます。治療するには、まず犬の耳垢を採取し効く抗生物質を探すことが大切です。
犬の点耳薬と内服薬では、抗真菌剤であるゲンタマイシン、クロラムフェニコール、フラジオマイシン、ケトコナゾールなどの抗生物質で治療します。犬の耳に点耳したり内服をしたりして、耳の内から外から菌を倒していきます。
耳ダニなどの寄生虫を駆除治療する薬
犬の外耳炎の原因が寄生虫の場合は、殺虫剤であるロテノン、ピレスリン、イベルメクチンなどを投与して治療します。イベルメクチンは抗フィラリア薬としても使用できる強力な殺虫剤なので、寄生虫にもよく効く薬です。
外耳炎の炎症を抑えて治療する薬
犬の外耳炎の炎症を抑えるため、ステロイドを使用した薬、プレドニゾロン、デキサメサゾン、ベタメタゾンなどで治療します。体全体に起こっている炎症を、全体的に抑える効果があります。
この治療は効果が早く出て治りやすく、費用も安価ですが、免疫力が弱くなって細菌の繁殖を招いてしまうデメリットもあります。心配な方は獣医師さんとよく話し合ってステロイド治療をするかどうかを決めましょう。
犬の外耳炎の治療におすすめの薬
オスルニア
オスルニアは、ブドウ球菌、マセラチアに効果のある犬用外耳炎治療薬です。マセラチアとは犬の体に元々存在する菌で、カビや酵母などの菌界に属する生物です。オスルニアは1週間に1回、動物病院で犬に点耳するだけで1ヶ月程効果が続きます。有効成分には抗菌剤であるフロルフェニコール、抗真菌剤であるテルビナフィン、抗炎症効果のある酢酸エステルがあります。
ヒビクス軟膏
ヒビクス軟膏はステロイドが入っているため、犬の外耳炎の効果が強い塗り薬です。成分はトリアムシノロンアセニド、ナイスタチン、硫酸フラジオマイシン、チオストレプトンであり、この4つの有効成分に、犬の外耳炎の抗炎症作用、痒み止めの作用、抗真菌作用、抗細菌作用があります。
ヒビクス軟膏は犬の耳に1日1~3回塗ります。
ミミィーナ
ミミィーナは犬の外耳炎の初期症状の時に多く処方され、マラセチア、パルディルマチスによる炎症治療の最も刺激の少ない抗真菌剤点耳薬です。1日2回、よく振ってから犬の耳道内に1回4~5適、落とします。
犬に点耳薬を直接耳に入れるため、違和感を覚えて嫌がる犬が多く、その前に容器自体を耳に入れられることを嫌がる犬もいます。そして犬は、耳が痛くて触ることさえも嫌がるので、さらに点耳が難しいものになります。
もし2人居る場合は協力して、1人に犬を抑えてもらい、1人が犬に点耳するという方法もあります。ただ無理やり点耳薬をしすぎると、犬は嫌なものだと思い込んでしまい、次からやらせてもらえないという、良くない状況になることもあります。
この対処法としては、点耳薬を自分の手やコットンにつけて犬の耳に優しく塗る方法の方が、耳に直接入れられるよりかは良さそうです。この場合は耳の奥まで薬剤が届かないことがデメリットです。
ただし、ステロイドが入った犬用外耳炎治療薬を使用するときは、直接手につけずに手袋をしましょう。手についた場合はしっかり手を洗ってください。
犬の外耳炎に人間の薬は使えるのか
犬の外耳炎に用いる薬は人間と同じものが多いのですが、人間の薬なので犬とは量や方法が違っていたりします。素人判断で、犬の耳に人間の薬を投与してしまうと、犬の耳が悪化してしまう恐れもあります。必ず獣医師さんに診断してもらって正しい量、正しい方法で投与してあげましょう。
外耳炎かなと思ったらすぐに病院へ
犬の外耳炎の炎症が、軽いものだからと放置していると、悪化して鼓膜まで及ぶこともあります。
犬の耳の様子に、変な耳垢がでてきた、犬の耳が臭う、犬が耳をよく掻いたり頭をブンブン振る、などちょっとでも異変を感じた場合は、すぐに獣医師さんに診てもらいましょう。
犬の外耳炎の薬もネットで売っているのをよく見かけますが、買った薬が本当の症状と違っているかも知れません。必ず診断を受けてから正しい治療を行ってあげてください。
ユーザーのコメント
女性 MIHO
外耳炎になると耳から独特の匂いが漂ってきて、愛犬には申し訳ないのですが「う!」
となってしまいます。また、愛犬は外耳炎になるととても痒そうにしています。最近は
もう外耳炎か?と思った時にはすぐに病院へ連れて行っています。きちんとお薬をして
いれば、すぐに治ってしまいますよ。