リンパ腫とは?
悪性リンパ腫とは血液中に含まれる白血球の1種であるリンパ球がガン化したものです。リンパ球やリンパ節は細菌やウイルスなどの病原体の排除など免疫を担当すし、身体を守っています。
悪性リンパ腫が起きてしまう根本的な原因が未だ明らかになってはいませんが、染色体の異常によりリンパ系細胞がガン化し発症するのではないかとかんがえられています。
そんな悪性リンパ腫ですが、発生する部分によって病名が変わってきて、以下のような3つに分類ができます。
多中心型リンパ腫
このタイプのリンパ腫が皆さんがよく思い浮かぶ悪性リンパ腫で、イヌのリンパ腫のおよそ80%を占めているタイプです。
これは皮膚の近くにある白血球が集合するリンパ節が大きく腫れ上がってしまい、癌化してしまうといったリンパ腫で顎の下や脇の下、膝の下などにある他のリンパ節より大きいリンパ節で起きてしまうことが多いです。
また皮膚の近くにある小さいリンパ節が癌化しても多中心型リンパ腫に分けられます。
消化器型リンパ腫
消化器型リンパ腫は消化管や腸間膜リンパ節や肝臓などの消化器系に起こるリンパ腫です。犬のリンパ腫のうち5~7%と上記の多中心型リンパ腫より起きてしまうことは少ないです。
しかし、嘔吐・下痢・血便といった消化器症状が起こります。
縦隔型リンパ腫
「縦隔」というものは肺の両方と肺の後ろにある背骨と肺の前にある胸骨を結んでできる体の空間で、首の付け根から肺と内臓を分ける横隔膜まで広がっています。
この部分にあるリンパ節が癌化されると縦隔型リンパ腫と言われ、イヌのリンパ腫のおよそ5%がこのタイプです。
このタイプのリンパ腫ができてしまうと肺に水がたまったり、肺の周りに水がたまって肺を圧迫して呼吸がしにくくなってしまいます。
悪性リンパ腫の初期症状とは?
では実際に犬のどのタイプのリンパ腫でも見られる3つの初期症状について紹介していきます。
しこり
まず目で見た時に分かりやすいものはしこりで、多中心型リンパ節を初期の時に見つけるときには簡単で分かりやすいです。
リンパ腫の場合、触って分かるのは体表リンパ節だけです。縦郭型リンパ腫や消化器型リンパ腫の場合は体内なので外からは分かりません。顎の下や耳の下、脇・股、膝の裏にリンパ節がありますので触ってみましょう。健康な状態でも少し触れますが、リンパ腫の場合は2~3倍の大きさになります。日ごろから触り、確認しておきましょう。
後ほど述べますが私の愛犬も横隔膜のあたりにしこりのようなものができた時にこれをまず疑いましたが、注意してほしいことがあります。それは、「愛犬が肥満体質ではないか」ということです。肥満体質だと目で見ても分かりにくいし、ただ太っていて脂肪の塊でしかないのではないかと勘違いしてしまう場合がありますので、思い込まないようにしましょう!
このしこりですが、1、2か月たっても大きくならないようでしたらただの炎症が起きているだけなので安心して大丈夫ですが、日に日に大きくなるようだったらこれを疑い、すぐにお近くの動物病院に向かいましょう!
食欲減衰、下痢
リンパ腫になると体を守るための白血球の1種のリンパ球がガン化しますので免疫が落ちます。
そのため、病原菌から体をうまく守ることができなくなり、愛犬は日々様々な病原菌の危険からさらされます。
消化器型リンパ腫の場合、食べ物が消化器の中をスムーズに通ることができなくなり、栄養分が吸収されず消化不良のまま体から出てしまうことで下痢が起きてしまいます。それによって食欲も減退してしまいます。
呼吸困難
縦郭型リンパ腫は胸腔内の胸腺や縦隔リンパ節に腫瘤が発生する病気です。胸腔内に腫瘤があるため呼吸がしにくく、胸腔内に液体が溜まり胸水を発症します。
この症状は縦隔型リンパ腫に見られる症状ですが、他のタイプでも見られる症状でもあるので、あなたの愛犬が「どうも呼吸がしにくそうだな」とか「少しの運動でもすぐに息切れを起こす」と思ったらリンパ腫の可能性がありますのですぐに動物病院に行きましょう!
私の愛犬にしこりが!?
私が現在飼っているイングリッシュコッカースパニエルの「ユタ」は私が幼いころからやんちゃで手がかかる犬でした。
9歳を迎えたある日、私はいつものようにユタとじゃれあってるとわき腹にパチンコ玉のサイズしこりを見つけ、親に相談したところただの脂肪の塊だろという言葉で終わりました。
というのも、ユタはかなり太っていて食事制限をしろと獣医さんによく怒られていたのでそう考えるのもおかしくはありませんでしたがなかなかそのしこりはなくならず3年ほど残っており大きさも500円玉くらいの大きさに成長していました。
大学で勉強している浅はかな知識でも少し頭にリンパ腫という言葉が頭をよぎり動物病院で血液検査や遺伝子検査をしましたが結果はただの良性腫瘍だということが分かり安心しました。しかし、もしリンパ腫だったらと思うと脂肪塊と勘違いすることがいかに怖いということが分かり恐れを感じました。
まとめ
今回はイヌのリンパ腫の3つの初期症状を紹介しました
- しこり
- 食欲不振並びに下痢
- 呼吸困難
リンパ腫は白血病とは異なり早期発見することで治る病気ですので、「ただのしこり」「ただ体調が悪いだけ」と思い込まないように、心配になったらすぐにお近くの動物病院に向かいましょう!
その行動がリンパ腫からあなたの愛犬を守れるかどうかが決まります!