犬の毛がベタベタする原因とは?
犬の皮膚は、21日周期で新陳代謝が行われます。
犬の被毛がベタついたり、逆に乾燥して大量のフケが出る、体の表面から強いニオイがする…といった皮膚病の症状が現れる時は、なんらかの原因で、ターンオーバーがうまくいかなくなり、皮脂の分泌の周期のサイクルや、分泌量のバランスが崩れていることが考えられます。
そういった症状が出る時は、この病気の疑いがあります。
- 脂漏症
では、病気の原因とは一体、なにが考えられるのでしょうか?
また、被毛がベタつく以外には、どんな症状が出るのでしょうか?
そして、病名が確定した場合、家庭ではどんな対処が出来るのでしょうか?
かかりつけの獣医さんは、皮膚科が得意な先生ですか?
人間のお医者さんは、内科、外科、産科、眼科、耳鼻科、呼吸器科など、それぞれの専門の先生に診て貰いますよね。
しかし、獣医の先生は、皮膚の病気も、人間でいう産科のことも、すべて一人の先生に任せっきりになってしまいがちです。
実は、自分でネットで探すなり、かかりつけの獣医さんに相談するなりすれば、専門の先生がいることがわかります。
例えば、目の治療や知識に長けた先生がいたり、歯科が非常に得意の病院があったり…。
例えば人がひどいアトピー性皮膚炎だったりすると、通いやすい内科が近所にあったとしても、アトピー性皮膚炎の治療に高い効果を上げている優秀な先生に見て貰いたいと思いますよね。動物も同じです。
私が、愛犬を迎えた時に、最初に相談したドックトレーナーさんは、「皮膚科は○○先生に診て貰ってて、耳の病気は△△先生、避妊手術をするなら、●●先生、っていう風に、使い分けてます」と教えてもらいました。
「被毛がべたつく」と言うのは、明らかに皮膚に異常がある状態なので、出来れば、皮膚科専門の獣医さんか、あるいは皮膚の病気に詳しい先生に診て貰うのが最短、最良の治療方法だと思います。
もちろん、みんながみんな専門の病院に行けるわけではありませんし、かかりつけの獣医さんに診てもらっているという方も多いと思います。ほとんどの獣医さんは皮膚を勉強しているため診れないわけではありませんが、もしよくならない、納得できないなどの気持ちがあるならば、専門にされてる、もしくはその分野に強い獣医さんに診てもらうのもいいと思います。
脂漏症とは?
脂漏症とは、犬の皮脂の分泌に異常が起こって引き起こされる皮膚病です。
皮膚から出る皮脂が異常にたくさん分泌されると被毛がベタつき、逆に皮脂の分泌が極端に少ないと、皮膚がカサつき、フケがたくさん出ます。
脂漏症は、素因を持ち脂漏症になりやすいと言われている犬種があり、一度発症すると、完治するのはかなり困難です。
後天的に脂漏症になる場合は、内分泌疾患や基礎疾患によって、引き起こされる場合もあります。
後天的に脂漏症を発症する要因としてもう一つ考えられるのは、ストレスや、疲労、病後など、体力が落ちている時に、普段は自分の皮膚の上でおとなしく暮らしている常在菌であるマラセチアが原因となり、皮膚炎を引き起こしてしまう場合です。
症状が進行すると、皮膚が赤くなり、痒みも出てくるため、犬が皮膚を掻きむしり、脱毛することもあります。
家庭で出来る脂漏症の対策
薬用シャンプーでの薬浴
まず、対処療法として、被毛をベタつかせている皮脂を薬用のシャンプーを使って取り除きます。
皮膚の状態や、アレルギーの有無を考慮しながら、獣医さんとよく相談して使用する薬用シャンプーを決めましょう。
フードの見直し
与えているフードが原因で、被毛がベタついている可能性もあるので、獣医さんにアレルゲンの検査をしてもらいましょう。
その結果次第で、アレルゲンをカットしたフードを与えるようにします。
被毛を短くカット
せっかく薬用シャンプーで週2回もシャンプーをしても、生乾きのまま放っておくと、より皮膚炎が悪化してしまいます。
手早くドライヤーで乾かす必要があるので、長い被毛が魅力的な犬種であっても、症状が軽減するまでは、短めのカットをしておきましょう。
飼い主として最善の対処法とは?
まずは、原因を特定する
もしも、かかりつけの獣医さんと相談して、愛犬の被毛のべたつきの原因が何からくるのか調べてもらいましょう。その後、どう治療を進めるのか、絶対に勝手に判断してはいけません。獣医さんとしっかり相談して、指示に従いましょう。
もちろん、被毛のブラッシング、寝床を清潔に保つ、など日々の生活で愛犬が心地よく過ごせるように気を配ることも大切です。
まとめ
愛犬の被毛がべたついている…と、早い段階で飼い主さんに気が付いてもらえる犬はとても幸せです。普段、何気なく撫でて、触れている愛犬の体ですが、一日に一度、あるいは数日に一度は、ただ撫でるだけでなく、脱毛がないか、皮膚に異常はないか、体臭が強くなっていないか、犬の毛がベタベタしていないか…などに気を付けて愛犬の体を観察するように心がけましょう。