大型犬を飼うための知っておきたいポイント
1.温度調整の必要あり
大型犬は、寒さには強くても暑さに弱い犬種が多く、夏場のクーラーは必須です。犬種によっても多少異なりますが、犬のとって過ごしやすい気温は21〜25℃、湿度は50〜60%と言われています。
お家のエアコンの性能や外気温や湿度、部屋の広さなどによっても、温度や湿度を調整しましょう。また、夏の散歩には特に注意が必要です。人間にとってはそんなに暑くない日でも、アスファルトは日中の熱がこもってしまい地面に近い犬はとても暑く感じます。できるだけ涼しい時間帯に散歩を行うと良いでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
夏場は、窓から入る日差しにも要注意です。クーラーをつけていても、窓際など日光から逃げ場がないと熱中症になってしまうこともあります。
犬がくつろぐ場所は窓際などを避けることや、遮光遮熱カーテンを利用すると良いでしょう。
2.運動はしっかりと
元気で若い犬はエネルギーを持て余しています。しっかりと運動をさせないと、ストレスで問題行動を起こしてしまうことも。特に大型犬は必要な運動量が多く、1回の散歩だけでは満足しないことも少なくありません。
大型犬の散歩に必要とされる時間は、1日に2回行う場合は2〜4時間、距離にすると6〜8kmが理想とされています。当然のことですが、飼い主さんはそれだけの距離を毎日歩ける体力が求められます。また、力も強い大型犬をコントロールするためのパワーも必要となります。
散歩の時間が作れない、自分の体力に自信がないなら大型犬を飼うのはオススメできないでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
大型犬は、ただ歩くだけの散歩では満足しないこともあります。
休みの日や週末などは河川敷や公園、大型犬専用のドッグランなどで思いっきり走らせるなども必要になるでしょう。移動には車も必須です。
3.室内・生活環境を整える
大きさに関係なく、犬を室内で飼う場合は排泄物や抜け毛などの処理が必要となります。トイレのしつけをきちんとすることや、ブラッシングであらかじめ無駄な毛をとっておくなどの工夫が必要です。
部屋がいくつもある場合は2箇所にトイレを置いてみたりするのもひとつの方法ですね。また、大型犬はあまり広くない家だと自由に動き回れずストレスを溜めてしまうことも。家具などの配置は、犬が動きやすいように変えると良いでしょう。
マンションで飼うための注意点
1.無駄吠えさせない
マンションなどの集合住宅では、住んでいる階数にもよりますが、上下左右に色々な方が住んでいます。そこでよく問題になるのが無駄吠えです。特に大型犬は大きな声で響くように吠えるため、騒音による苦情になることも少なくありません。
家の中で窓を閉めていれば大丈夫だろうと思っても、意外と外に聞こえてしまうものです。トラブルにならないためにも、無駄吠えをしないようにしつける必要があります。
音に敏感な犬だと、上の階の足音や隣の部屋の物音に吠えしまうことや、物音以外にも運動不足によるストレスで吠えてしまうことあります。散歩は毎日が基本。忙しくてどうしても散歩の時間が作れないのであればペットシッターなどを利用してみるのも良いでしょう。
2.トイレはちゃんと覚えさせる
大型犬は体が大きい分、排泄物の量も多くなります。また、オスの場合マーキングもあるのでトイレやマーキングに関してしつけをしておかないと臭いの元になってしまいます。
室内では決めた場所でトイレをすることはもちろん、共用スペースなどでも粗相したり、マーキングをしないようにしつけるのも大切。繁殖する予定がないのであれば、病気の予防などのメリットもありますので避妊・去勢手術も検討してみてください。
3.室内での激しい運動はNG
室内では、落ち着いて過ごしてもらう必要があります。犬の足音や物音は、下の階に意外と響いてしまうもの。飼い主さんは気にならなくても、走ったりするとドタバタと音が響いてクレームになってしまう可能性もあります。
また、壁などを引っ掻くのも意外と響くので注意が必要です。ストレスで部屋の中を走り回ったり、壁を引っ掻くことでエネルギーを発散しないよう、満足してもらうように運動量を保つが大切です。
監修ドッグトレーナーによる補足
フローリングの床も足音や爪の音が下の階にかなり響いてしまいます。
犬の足のためにも、滑りにくいマットを敷くことや、こまめに爪のお手入れをするだけでも 音を軽減することに繋がります。また、ジョイントマットなら汚れた場所だけ取り替えることができるのでおすすめです。
4.共有スペースの確認はしっかりと
マンションによっては、犬と一緒にエレベーターに乗るのを禁止している場合や、共有スペースではリード着用が必須や、場合によっては廊下も抱き上げて移動しなければならないこともあります。
ペット可のマンションであっても、全ての住人が犬好きとは限りません。周りへの配慮は忘れないように心がけましょう。外では犬の行動をしっかりとコントロールできるようにするのはもちろんですが、抜け毛などにも十分に配慮することも大切です。
5.ブラッシングは室内で
換毛期などで大量に毛が抜けるからと、ベランダでブラッシングをする方もいることでしょう。しかし、マンションでは控えておいたほうが良いでしょう。毛が飛んでしまい近隣の方の洗濯物などについてしまう可能性があります。
たとえ犬好きでも、犬を飼っていたとしても他の犬の毛は気になるものです。ブラッシングは必ず室内で行いましょう。
マンションのバルコニー、ベランダ、窓や玄関ドアは「共用部分」だと言うことを忘れないようにしましょう。監修ドッグトレーナーによる補足
犬の毛がついた洗濯物にも気をつけましょう。干すときに毛をはらおうとすると、周囲の洗濯物に毛が飛んでしまうこともあります。
換毛期などは、どうしても毛がついてしまうことも多いので、洗濯前にコロコロなどで毛を取ってから洗濯するのがおすすめです。
まとめ
マンションなどの集合住宅で大型犬を飼うのは難しいことです。大型犬を受け入れてくれる物件自体、稀ですし何より大型犬が窮屈にならない広さを確保するのも簡単ではありません。ですが、家具の配置の工夫や適切な運動量を保つなどの努力で一緒に住むことは不可能ではありません。
マンションで大型犬をお迎えしようと考えている方、もうすでに飼っている方も一度犬のしつけや室内の環境、マンションのルールなどを改めて確認してみましょう。大型犬と今よりも快適な生活を送れるようしてくださいね。