心に傷を負った犬に必要なたった1つのケア

心に傷を負った犬に必要なたった1つのケア

飼い主と豊かな生活を楽しんでいる犬もいれば、残念ながら様々な理由で飼い主と離れてしまったり、遺棄されてしまうなど、考えるだけで悲しくなってしまいますが現実に心に傷を負って生きている犬たちがいます。もし、そんな子と出会ったら私たちはどのように接したら良いのでしょうか。

心に傷を負った犬の特徴

不安げな犬

  • どこか不安げな表情でおどおどする
  • 音に敏感に反応する
  • 人や犬を見ると興奮して吠える
  • 犬や人間とコミュケーションを取ろうとしない
  • 触られるのを嫌がる

などなど、犬派言葉は話せなくても、表情や行動でサインを送ってくれています。見逃さずに受けとりましょう。

犬が心に傷を負ってしまう要因

フェンスの中の犬

散歩や飼い主とのコミュニケーションがない

著者は愛犬と共に朝夕2度約1時間ずつかけて散歩をします。雨でも愛犬が散歩に行きたがるので、雨カッパを着させて出掛けます。

散歩コースにはたくさん犬を飼育している家庭がありますが、鎖にずっと繋ぎっぱなし、フェンスがある敷地内のみ移動可能、排便の処理はされておらず犬の周りに溜まっているなど、命の危険性はないもののかわいそうな環境だと感じてしまうケースがいくつもみられます。そのような環境下の犬の表情は乏しく、毛艶もなくボサボサと汚れています。1日の生活の中に喜びを感じる機会がなく、ただ命を繋いでいるのです。

犬はコミュニケーションを取ったり、学習する喜びを知る事を喜びとする動物です。飼い主さんは「番犬」として位置付けて最低限のお世話しかしないのかもしれませんが、その事が犬から感情を奪い、いつのまにか心に傷を負ってしまう場合もあるのです。このケースでタチが悪いのは、飼い主が飼育放棄しているわけではない為、注意もできませんし保護することも出来ません。

著者は、このようなケースに何とも歯がゆい想いを抱えています。

犬同士の喧嘩で本気噛みをされたことがある

喧嘩する犬

仔犬は、母犬や兄弟犬との遊びや生活を通して、どのくらいの力で噛んだら相手が痛がったり怪我をしてしまうのかを学びます。その学習がなされないまま新しい飼い主に譲られたり、競りに出荷される事で、適切な犬同士のコミュニケーションを知らないまま、牙を持たない人間に飼育されたり、散歩に連れていってもらえないなど社会性が身に付いていない子は、本能のまま相手を噛んでしまう事があります。

散歩中に飼い主が連れていない『いってらっしゃい散歩』の犬に噛まれたり、ドッグランでおもちゃの取り合いになって本気噛みされるなど、理由は様々ですが1度でも本気で噛まれて痛い思いを経験した事がある犬はそれがトラウマになってしまい、「(怖いから)噛まれる前に自分から攻撃する」という行動に出るようになります。噛むことも噛まれることも愛犬にさせてはいけません。それを充分に理解しておきましょう。

大きな環境の変化

譲渡や災害により飼い主や住む場所が変わる、飼い主の事情により留守番時間が多くなった、多頭飼いになり相性の悪い犬が入ってきたなどにより、大きなストレスがかかります。

飼い主や訓練士による過度な暴力

しつけと称して過度に犬をぶったり蹴ったりするのは良くありませんが、残念ながらこの様な事で傷ついてしまう犬がいます。人の動きに敏感に反応したり、頭を撫でようとした飼い主の手を噛むなどの問題行動に繋がってしまう可能性が高くなってしまいます。

心に傷を負った犬に必要なケア

見上げる犬

大まかな表現ですが、心の傷はすぐには回復しません。どの様な事で傷ついてしまったのかを想像し、傷つく事になった出来事は例外で、今はもう大丈夫なのだと焦らずに接することです。

例えば、他の犬に怯える場合は座れをさせて飼い主に集中させ、目先を変えてその場をやり過ごす、怖かったけど飼い主が側にいれば大丈夫なのだと学習させます。

人間の手は犬をぶつためにあるのではなく、愛を込めて犬を撫でるためにある事を毎日の生活の中で体感してもらいます。

『犬の気持ちを想像し、おもいやりを持って接する』
このひとつに尽きると言えるでしょう。

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