どうして、家の中にサークルが必要?
家の中で飼っている犬に、なぜ、サークルが必要なのでしょうか?
サークルやケージは、まるで犬を狭い所に閉じ込めて、可哀そう…と思う人もいるかも知れません。
けれど、犬と人間とが同じ屋根の下で暮らす際には、犬の習性上、犬一匹につき一か所づつ、サークルを用意する必要があります。その犬の習性とはどんなことなのでしょうか?
テリトリーを与える
犬は、自分のテリトリー(縄張り)をもつ習性があります。
そして、そのテリトリーを守ろうとする本能があり、また、「テリトリーを持ちたい」という欲求もあります。
ですから、もし、犬の頭数に関わらず、家の中で犬達を自由にさせておくと、その家の中、全てが犬たちのテリトリーとなります。
よほど、飼い主さんが群れのリーダーとしてしっかりと犬達とコミュニケーションを取り、犬達が入っていい場所、いけない場所のルール決めを理解させておかないと、「私たちのテリトリーに住まわせてあげている」と犬たちが勘違いしてしまいます。そうならないように、犬達に「ここは自分のテリトリー」と認識できる場所を飼い主さんが群れのリーダーとして与える必要があります。
絶対安全な領域として与える
多頭飼いの場合、普段どんなに仲が良くても、じゃれあいが本気の喧嘩に発展してしまうこともあります。
そんな時、「この中に入れば安全」と思える場所が必要です。
また、もともと犬は狭く、暗い場所を好む習性があります。
来客が来た時や、他の犬と一緒に過ごしたくない気分の時などに、安全に体も心も休める場所が必要なのです。
サークルを使うメリット
留守番の際の事故、いたずらを防げる
多頭飼いの場合に限ったことではありませんが、飼い主さんが留守の時に犬達を一旦、サークルに入れておけば、誤飲などの事故や、部屋を散らかすようなイタズラを防ぐことが出来ます。
痴呆症の介護に使える
サークルの中には、ソフトな素材でできた円形ものがあります。
認知症になると、疲れ切ってしまうまでぐるぐると円を描いて歩き続けると言った症状が出る場合があり、その際に、円形のサークルを使うと、どこかにぶつかることもなく、安全に歩かせることが出来ます。
犬を多頭飼いする時のサークルの選び方
では、どんなことに気を付けてサークルを選べば良いのでしょうか?
サークルの高さ
いろいろな体格の犬を多頭飼いしているのであれば、その犬の体の大きさに見合ったサークルを用意しましょう。
いわゆる、「サークル」は、一般的に屋根板のないものを言います。
小型犬なら60センチ、中型犬から大型犬なら80センチの高さのものが良いとされてします。
けれども、わが家のアメリカンコッカースパニエルのめいぷるは、生後3か月の時、80センチのサークルの柵を、サルのようによじ登って越えました。
「この体の大きさだから、この高さで安心」という確証はありません。
飼い主さんの目が届き、犬の行動を把握できる状況で、一時的に犬の行動を制限するために使うのであれば屋根板なしのタイプでも問題はありませんが、留守番をさせたり、飼い主さんが目を離すことが多いとき、また、一度でも脱走したことがある場合などは、屋根板つきのサークルを選ぶようにしましょう。
強度
小型犬と中型犬、中型犬と大型犬では、当然、体当たりによる衝撃の強さも、跳躍力も、咬む力も違います。
大型犬には、動かないように固定できる重たいモノを選びましょう。
性能
室内で飼う小型犬や中型犬用のものであれば、分解できるサークルがあります。
バラバラに分解出来たり、別売りの屋根板を付けることが出来るものを選べば、掃除をしたり、移動したりする際に便利です。
まとめ
多頭飼いにしろ、一頭飼いにしろ、どんなサークルを選べばよいのかを考える時、何よりもまず、「この子たちが居心地よく過ごせる環境を作るにはどうすればよいか」を最優先に考えることです。それを踏まえて、愛犬達の体格、生活習慣などいろいろな条件を考慮しながら、最良のサークルを選んであげて下さいね。