犬を飼うことの責任と覚悟
犬を飼うということは、一つの命に責任を持つということです。簡単なことではありません。「そうは言ってもみんな飼ってるじゃん!」と思った方には、きっと犬を飼育するのは難しいでしょう。みんな飼ってるから、誰かが飼ってるから、そういった理由では命を飼うことはできません。
今回は筆者が考える犬を飼う時に必要な『4つの覚悟』をご紹介します。改めて犬を、命を飼うことに覚悟ついて考えてみましょう。
犬を飼う時に必要な『4つの覚悟』
1.責任を負う覚悟
犬を飼う場合、次のような責任が求められます。
登録責任
日本では犬を飼育する場合は市区町村への届出が必要です。犬を飼う際には「自分が飼い主である」という登録をする義務があるのです。
予防接種を受けさせる責任
日本で飼育されている犬は毎年1回の狂犬病予防の予防接種を受ける必要があります。こちらも国から飼い主に課せられている義務の一つです。狂犬病以外にも犬の命や周りの命に関わるような病気に対する予防接種を受ける必要があります。
治療をする責任
万が一犬が病気や怪我をした場合、飼い主さんは放っておくことはできません。適切な治療を犬に受けさせる責任があります。
しつけをする責任
犬が人間社会で暮らすためには人間社会のルールに沿う必要があります。そのためのルールを教えることが「しつけ」です。しつけを受けずに犬を飼うことは、周りの人間はもちろん犬自身が不幸になってしまいます。しつけをすること、これも飼い主の責任の一つなのです。
終生飼養の責任
一度、犬を飼育したら、その最期まで飼育する「終生飼養の責任」というものがあります。当たり前のことですが、いらなくなったら捨てるということはできません。
埋葬を行う責任
終生責任をもって飼養し、犬が亡くなったら埋葬を行う責任もあります。最期の時まで看取り、適切な方法で埋葬を行うまで飼い主の責任です。
犬を飼う場合、これらの責任を飼い主自身が負う必要があります。これらの責任を無視することはできません。
2.生涯費用を支払う覚悟
犬を飼育する際に必要な費用をご存知ですか?犬はペットショップで買ったら終わり。ではありません。毎月の食費に生活品費、医療費、トリミング費、ワクチン代など、毎月、毎年費用はかかります。平均寿命を15年とした場合の生涯費用は「300万円」程必要だといわれています。この額が高いと感じた方には犬を飼うのは難しいといえるでしょう。
3.自分の時間を費す覚悟
犬を飼育するには多くの時間を費やす必要があります。毎日のご飯やトイレの片付け、散歩、遊びの時間はもちろん、病気になった時には看病にも時間をつかいます。老犬になって寝たきりになったことで「お世話ができなくなった」と保健所に連れ込む人や捨てる人がいることも現実です。
あなた自身の時間を自分ではなくて犬に費やすことができるのか、よく考えてみましょう。犬がいなかったら旅行ができたのに…遊びに行けたのに…そう考えてしまう人は犬を飼育するのはやめておいた方がいいでしょう。
4.最期まで愛する覚悟
命を飼うということは、終わりもきます。どんなに覚悟を持って大切に育てたとしても、ほとんどの場合が飼い主よりも先に犬が死んでしまいます。毎日あなたの時間とお金と愛情を費やした愛犬の死。あなたはそれに向き合う覚悟はあるでしょうか。
多くの幸せな時間を一緒に過ごすからこそ、その存在はどんどん大きくなっていきます。死と向き合うのが怖いという理由で犬を飼育しない人も数多くいます。それも一つの選択です。最期の時まで愛する覚悟。何よりも大切なことかもしれません。
まとめ
犬を飼うことには多くの覚悟が必要です。労力も時間もお金もかかります。どんなに覚悟を持って飼ったとしても、想像と違った…なんてこともあるかもしれません。それでも最期まで愛することができるのか。
犬を飼う前には具体的にたくさんのことを想像する必要があります。その上で覚悟を持って飼ったのであれば、きっと労力を、時間を、お金をかけても惜しいなんて思わない、大切な存在になってくれることは間違いありません