犬とのスキンシップは絆のために必要不可欠
犬は飼い主や大好きだと思った相手に対しては心を開き、自分の気持ちを全面に表現してくれます。その姿は本当に愛くるしく疲れた心も癒やされるほどのパワーを感じるほどです。
優しく声をかけ頭を撫でたり、横に並んで同じ時間を共に過ごしたり、散歩やドライブなど一緒にお出かけしたりといったように、ひとつひとつのスキンシップが蓄積されることで信頼関係を生み出し、飼い主と犬との絆を深めていきます。
しかし、こうしたスキンシップがほとんどない犬と飼い主には強い絆が生まれないため、しつけをするにもなかなか言うことを聞いてくれなかったり、時には飼い主に対して恐怖心や警戒心を抱くこともあります。
本来であれば家族同然の存在であるはずなのに、スキンシップ不足なためにそんな悲しい思いをするなんて嫌ですよね。そうならないためにも、犬と飼い主のスキンシップは絶対に欠かすことができないものなのです。
犬に間違ったスキンシップは上下関係トラブルに
犬とのスキンシップは、お互いの絆を深めるために欠かすことができない大切なコミュニケーションです。しかし、そのスキンシップのやり方を間違えてしまうと関係が良好になるどころか、むしろ犬と飼い主の立場が逆転してしまう危険性が出てきます。
犬と飼い主の上下関係が逆転してしまうと、犬は自分より下の飼い主を守らなければと周りに対して神経を使うことになり、常にリラックスできない状態になってしまったり、しつけの点においては服従しなくなるため言うことを聞かず、自分に逆らおうとする飼い主に怒ることもあります。
そうなると無駄吠えや噛み付きなど問題行動にもつながるため、間違ったスキンシップは取らないようにしていくことが大切です。
1.犬を人間より高い位置で抱く
では、犬にしない方がいいスキンシップをお教えしていきます。まずは小型犬でやってしまいがちな「抱っこ」です。もちろん、抱っこ自体は絆を深めるにあたって非常に有効なものですし、抱っこが好きな犬もいるため悪いものではありません。
しかし、ここで問題になるのが飼い主よりも高い位置に犬を持ってきてしまうということです。例えば、上の方に乗せる抱っこの仕方や、背中の上に乗せるといった状態です。
こうすると、目線が飼い主よりも高くなり必然的に犬より飼い主が下の位置にくるため、犬は「自分のほうが偉い立場なんだな」と認識してしまいます。
監修ドッグトレーナーによる補足
2.犬に口を舐めさせる
犬は愛情表現で顔や口を舐めてきて可愛いのですが、口を舐めさせることは衛生上おすすめすることができません。
犬の口の中にはさまざまな菌や伝染病の元となるものが存在するため、もし舐めさせたときは口の中に舌や唾液が入らないようにしたり、口周りを洗うなどして感染予防に努めましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
3.犬をお腹の上に乗せる
横になっているときに犬が遊びに誘ったり甘えてくることもありますよね。その時に寝転がりながらお腹の上に犬を乗せてしまいがちですが、そうしてしまうと犬が飼い主よりも上に位置することとなり、上下関係の逆転へと発展してしまいます。
特に、大人よりも子供は自分より小さな存在に嬉しくなって乗せてしまったり、力や動きに押されて上に乗ることを許してしまうことがありますが、犬は子供を大人よりも立場的に弱い存在だとわかっているため、そのチャンスを犬は見逃さないため注意が必要です。
まとめ
犬は人間が思ってる以上に観察力や判断力に優れ、特に上下関係に関しては群れで生活する生き物である以上一番敏感に反応するものです。
そのため、つい可愛さのあまりいろんなことを許してしまいがちですが、その許した行動の先には上下関係の逆転が待っていることを忘れてはなりません。
また、行き過ぎたスキンシップは感染症と言った怖い結果を招く可能性が高く、特に抵抗力の低い子供やご年配の方は危険性が高まるため、一緒に過ごしたことが後悔になってしまわないように節度あるスキンシップを取るようにしましょう。