心にトラウマを抱えた犬をサポートするための5つのヒント

心にトラウマを抱えた犬をサポートするための5つのヒント

もしもあなたの愛犬が、過去に何か怖い思いをしてトラウマを抱えているとしたら、そこから回復できるようにサポートしてあげたいですよね。そんな時に気をつけたい5つのポイントを紹介します。

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犬がトラウマから立ち直るためにあなたができること

臆病な犬

極端に臆病で用心深い犬、特定のもの(人間の手や、長い棒状のものなど)に極端に反応して怖がる犬などは過去の嫌な体験がもとで心にトラウマを抱えているのかもしれません。
過去のネガティブな体験というと保護犬を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ペットショップで売られている子犬も早すぎる週齢で母犬から引き離され、ひどい環境で流通されているような場合は、過去に経験に影響されることもあります。
また中には、特に大きな理由はなくても生まれつき極端に怖がりな犬も存在します。
そんな犬たちが少しでも安心して快適に生きていけるように、飼い主が気を配るポイントがあります。

1.安心できる環境を作る

 
何か怖いことや嫌なことがあった時に犬が逃げ込むことができる場所を確保してあげましょう。
専用のベッドでもクレートでも、部屋の隅の犬専用コーナーでもかまいません。犬がそこに逃げ込んだら、決して追いかけたり邪魔をしたりしないで、気がすむまでそっとしておきます。
何があってもここにいれば大丈夫という場所があることで、犬は自分が安全な場所にいると感じて安心することができます。

2.犬に選択権を与える

笑顔を見せるトイプードル

犬と人間がいっしょに暮らすためには、もちろん人間が決めなくてはいけないこともたくさんあります。
けれども生活の中の安全や衛生に関わらない部分では、犬は自分で何かを選択できることで、自信の回復や安心感を得ることができます。
散歩の途中に分かれ道があったらどちらに行くか、どのおもちゃで遊びたいか、どこの場所で寝たいか、一匹だけでいたいのか家族のメンバーといたいのか、こういったことを犬自身に選ばせます。
心的トラウマのある犬は、過去に不衛生な場所に閉じ込められたまま動けなかったり、逃げる場所がなく人間にされるがままだったりして、それ以外に選択肢のない状態だったことが多々あります。
生活の中の小さなことを自分で選べるというのは、生き物にとって非常に大切なことなのです。

3.犬の発するサインを正しく読み取る

カーミングシグナルを使う犬

何が怖いのか、何が我慢できないのか、その判定をするのは人間ではなくて犬自身です。
あなたが「ちょっと爪を切るくらい大丈夫だろう」とか「隣の人は犬好きだから撫でてもらっても大丈夫だろう」と思っても、犬が怖いと感じたら無理強いをするべきではありません。
言葉を話さない犬がどうやって「怖い」とか「嫌だ」という意思を伝えるか。犬はボディランゲージで意思や感情を表現しています。そういった犬の発するサインを正しく読み取るようにしなくてはなりません。

耳を後ろに倒している、しきりに口の周りをなめている、あくびを何度もする、後ろを向いて立ち去ろうとする、これらは犬が「やめてほしい」と伝えているサインです。
「うちの犬は怖がりだから」と、人間がよかれと思って抱きしめることも、犬にとっては自由が奪われる不快な行為と感じることも多いのです。その場合も「やめて」のサインが出ています。

これらの犬のボディランゲージを基礎からしっかりと勉強して読み取ることは、犬にとって大きなサポートになります。
反対に犬の「やめて」を無視し続けたり、罰を与えたりしては、取り返しのつかないことになってしまいます。

4.新しいことは常にポジティブな体験で終える

ブラッシングをしている犬

ブラッシング、爪切り、シャンプー、獣医さん、何か新しいことや犬にとって負担になることをしなくてはならない時、最後の締めくくりに常に大好きなトリーツを与えて、ポジティブな印象で終わるようにします。
とても怖がりな犬にとってハードルが高いだろうなと思われることは、じっくり気長に時間をかけることも大切です。
ブラッシングや爪切りは、最初は道具を犬の体にソッと当てるだけで、トリーツを与えます。
獣医さんも、検診してもらう前に散歩の途中でただ立ち寄ったり、体重測定だけさせてもらったりして、そのたびにトリーツを与えます。
こうして時間をかけてポジティブな印象を積み上げていくことが、犬の自信回復につながります。

5.犬の過去に捉われすぎない

窓の外を眺めている犬

犬の過去にどんな悲しいことが起こったのかを知っていようと、犬の様子から想像しているだけであろうと、人間がそこに捉われて「悲しい過去を背負ったかわいそうな犬」と考え続けることは犬にとってマイナスにしかなりません。
一番大切なのは、あなたの犬は今は不幸な境遇ではなく、安全で幸せな環境にいるということです。
犬に対する行動は時間をかけて注意深く進めていかなくてはなりませんが、犬に対する感情はいつもポジティブに保ちます。
小さなことでも進歩があれば笑顔で褒め、望ましい行動ができたらトリーツを与えて良い行動を強化する。これらのことは「かわいそう」という悲しいネガティブな気持ちを捨ててこそうまく行きます。

まとめ

悲しい表情でケージに入っている犬

過去に過酷な体験をしたり、嫌な思いをしてトラウマを抱えている犬を、少しでも安心して快適に生きていけるようにするには人間のサポートが重要です。
上に挙げた5つのことは、どれも一般的に気をつけなくてはいけないことですが、トラウマのある犬の場合は特に用心深く常に心に置いておく必要が有ります。
プロのトレーナーなどを頼む場合も、口コミなどでトラウマのある犬への経験豊かな人を選ぶことが大切です。
辛い過去のある犬と暮らすことは正しい知識と根気と忍耐が必要ですが、愛情を送り続けることで犬もきっと愛情を返してくれます。

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