犬が噛む前に見せる3つのサイン
犬は言葉を話すことができないため、自分の気持ちの表現方法のひとつとして「噛む」ということがあります。噛むといっても甘噛みや本気噛みとがありますが、一番気を付けたいのは本気噛みですよね。
甘噛みの場合は遊んでいるときに興奮してついカプッとしてしまうことがありますが、本気噛みの場合は身を守るための攻撃なので、もし噛まれれば大きなケガにつながることがあります。
では、どのような仕草やサインをしたときに注意が必要なのかご紹介していきます。
1.「ウーッ」とうなる、牙を見せる
犬が威嚇しているとき「ウーッ」と声をだしてうなります。最初からうなりながら牙もむき出しにする場合もあれば、うなるだけで牙は見せないこともありますが、こうしたときに安易に近づくと噛まれてしまうため注意が必要です。
2.目線をそらし口回りを舐める
緊張をしているとき目線をそらしたり、口回りをペロペロ舐めることがあります。この場合は威嚇ではなく不安な気持ちが強いのですが、不安や恐怖もピークになると攻撃へと変わるため、優しく声をかけて刺激をしないように安心させてあげると落ち着く場合もあります。
3.固まって動かない
こちらも恐怖や不安といった感情が強いときに現れるサインですが、このままの状態でうなって威嚇を始める子もいれば、触った瞬間に声を出して噛みついてくる子もいるため、接する際は急に触って驚かさないようにすることが大切です。
犬の仕草やサインを見極めた接し方
噛む前の仕草やサインにはいろいろなパターンがありますが、いずれも身を守るための攻撃なので一番すべきことは安心させてあげることです。
怒りによる攻撃であれば、怒らせるようなことさえしなければ噛みつかれることはないため、何をしたら怒るのかをしっかり見極めて接することが大切です。
また、不安や恐怖といたものが原因で噛む場合はその不安を取り除くことが大切なので、触るときは優しく声をかけて姿勢を低くし、おしりや腰といった顔から遠い部分を優しくなでてあげてみましょう。
それで怒らないようであればそのまま優しく声をかけながらなで続けて、徐々に背中・首・顔といったように触る範囲を広げてみます。
もし、単純に知らない人だから怖いといった気持ちだけであれば、「この人は優しい人だから大丈夫」と犬自身が認識すると、抱っこさせてくれたり出会った当初よりも緊張が緩和されいろんなところを触らせてくれます。
しかし、中には人間のほうから近寄ってくるのはイヤだけど、自分から行く分にはOKというちょっとワガママな子もいるため、そうした子の場合はその意思を尊重して自分から来てくれるのを待ってみましょう。
犬は体の不調から噛むこともある
怒りや恐怖・不安といった理由はさまざまですが、噛むこと自体は犬にとって身を守ることなので異常なことではありません。
しかし、この「噛んで身を守る」という行為は時に体の異常を見つけるための大きな目印となることがあります。
例えば、ひどい外耳炎や強い痛みを伴うヘルニア、骨折や脱臼などいろいろありますが、いずれも軽い痛みではないものばかりです。
そして、いたみが強いことでイライラして攻撃的になってしまったり、痛みから身を守ろうと患部を触られると噛もうとすることがあるため、その変化を飼い主として気付いてあげなければなりません。
痛いから噛む?!と驚くこともあると思いますが、人間も痛いことをされそうになると必死になって身を守ろうとしますよね。
それと全く同じことなので、もし特定の場所を触ろうとして噛んできたり怒ったりするといったことがあれば、「もしかしたら痛いのかな?」と気付いてあげて早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。
まとめ
犬が噛むには理由があり、同時にその心境を示したサインがあります。そして、犬と人間は言葉が通じないからこそ何がイヤなのか?何が不安なのか?といったことを仕草から見極め、犬が少しでも安心できるような接し方をして安心させてあげることが大切です。
また、ときとしてその「噛む」という行動が体の不調を訴えていることもあるため、噛むことが必ずしも悪いことだと決め付けるのではなく、普段からコミュニケーションをしっかりとってその訴えに気付いてあげましょう。
言葉が通じない分なぜ噛むのかを探るのは安易なことではありませんが、少しでもその可能性を探り知ろうとすることでよりよい関係を築くことができるため、焦らずじっくり観察して理解してあげてくださいね。