1.犬を支配しようとしない
愛犬へのしつけを「人間の言うことをきかせる」と思い込んで取り組んでいる方がとても多いように思います。
確かにいざという時、愛犬をコントロールしトラブルにならないようにすることが大切です。これは完全服従が必要な使役犬(軍用犬、警察犬、盲導犬など)程必要はありませんが、万が一犬の喧嘩に巻き込まれそうな時、何らかの理由でリードが外れてしまった時など、愛犬が飼い主の声を無視するようでは困ります。
ついつい熱が入って大きな声で威圧をかけながら「座れ!」「待て!」「いけない!」と言ってはいませんか?私達人間もうるさく一方的に指示されたら聞く態勢を作ることは難しいですよね。
愛犬が飼い主の要望を汲み取ろうとしてくれれば、そこで初めて「聞く耳」を持ってくれます。まずはこれがしつけの入り口、第一歩です。問題行動を起こす犬はこの聞く耳を持っていない場合が多いのです。
2.しつけとは愛犬とコミュニケーションをとるツール
犬は、飼い主と共に過ごす時間や作業を楽しみにしています。その習性を多いにしつけに利用しましょう。
人間と犬の本能や生活様式は異なるものです。その中でお互いが気持ちよく生活する為に最低限のルールが必要になります。それがしつけです。
意思疏通をはかる時に必須となるのはアイコンタクトです。しつけも愛犬にとっては飼い主と行う共同作業。今からどんなことが始まるのか、期待を込めてキラキラした目で飼い主を見たらしつけの始まりです。
飼い主は手品師のように愛犬が集中してしつけに取り組めるよう、声のトーンやご褒美等で変化をつけて愛犬の気を引きましょう。おやつが好きな子はおやつが集中力が増して良いでしょう。その他ボールやお気に入りのおもちゃなど、コマンドを理解したら与えましょう。最初のうちは名前を呼んでアイコンタクトが出来た時点でご褒美をあげます。大切なのは出来た時だけご褒美を与えます。中途半端な理由なきご褒美は愛犬を混乱させる事になるので注意しましょう。
3.自分の感情を押し付けない
しつけを始めるにあたり、飼い主の頭の中には愛犬の成長した姿や、しつけが済んだ優雅なパートナー犬になってほしいと想い描くものです。もちろんそれはとても大切な事です。しかし、しつけはいつでも順調には進みません。昨日出来た事が今日は出来ないなんて事はしょっちゅう起こります。その時にイライラした感情をぶつけないようにしましょう。地道に繰り返す事で1つのコマンドを理解するようになります。
出来ない事を繰り返すより、出来ることをさせご褒美をあげましょう。しつけの終わりは必ず成功して褒めて終了します。その事で翌日に愛犬の楽しい気持ちが持ち越されます。
4.犬に対して常に思いやりを忘れない
愛犬は飼い主に常にシッポを振って愛情を表現してくれます。その事に感謝しましょう。しつけが上手く進まない日は潔く止めて遊んだり散歩に行く等切り替えましょう。愛犬がやる気がないのにしつけを押し付けても意味がありません。反対に嫌いな共同作業になってしまいます。犬は具合が悪くても本能からそれを隠そうとします。頭が痛いかも、お腹が痛いかもしれません。愛犬がどんな状態か常に観察しリズムを掴みましょう。
まとめ
愛犬や飼い主の個性がそれぞれあるように、しつけの仕方の正解はありません。ぜひ、お互いが心地よくしつけが出来て、成功した喜びを一緒に喜び、一緒に成長して下さい。子育てと同じように、愛犬により飼い主も成長させてもらいます。せっかく出逢った愛犬との生活を今よりも豊かにする為にしつけを楽しんでください。