マズルコントロールが批判される理由とは?
マズルコントロールは、母犬が子犬のマズルを噛むことで犬社会のルールを教えるという行為です。母犬が子犬に対してマズルコントロールを行うことで、服従することや敵から身を守ること、群れで暮らしていくために必要なことを兄弟と共に学ぶのです。
本来ならば母犬が子犬に対して犬社会ルールを学ばせるために行う行為なのですが、しつけとして人が犬に対してマズルコントロールを行うことがあります。
これに対して批判的な意見も多いようなのです。
マズルコントロールをする目的とは?
人が犬に対してマズルコントロールを行う目的は、
- 噛み癖を矯正するため
- 吠え癖を矯正するため
- 歯磨きなど口腔内のお手入れをするため
- 興奮した犬を落ち着かせるため
などであるとされています。
犬にとってマズルを触られたり掴まれたりするということは、とても嫌なことであり、ほとんどの犬が抵抗するでしょう。しかし、飼い主さんと愛犬との上下関係や信頼関係をしっかりと築くことができている場合、抵抗したり怒ったりすることなく、安全に触らせてくれるはずです。
マズルコントロールは必要なのか
私も愛犬のマズルコントロールを行うことがありますが、「しつけ」と考えて行ったことはありませんし、体罰として行うものではないと考えています。たとえば、電話をしている最中に吠えてしまったとき、「静かにね」と言ってマズルをそっと掴むことがあります。
犬の健康のために毎日の歯磨きを欠かすことはできません。そのため、子犬の頃からマズルに触れることを習慣としています。上手く歯磨きができたら、マズルを掴むようにしてナデナデしながら褒めます。
これによって、私の愛犬たちは問題なく歯磨きをすることができますし、お口の中の健康チェックすることもできます。残念ながら獣医さんが触れることには抵抗するため、私が口を開けさせて、獣医さんに診てもらうようにしています。
また、マズルは犬の急所でもありますから、「あなたのことを信頼しているよ」という気持ちを伝えるため、他人の犬のマズルに触れる機会がありました。
近所のボーダーコリーが脱走してしまったときです。発見し、リードをつけたかったのですが、威嚇されてしまったからです。「そんなこと考えられない!」と思われるかもしれませんが、マズルに触れたことでお互いに安心できたことを実感しました。ある意味、リードをつけるためのマズルコントロールだったのではないでしょうか。
マズルコントロールを行う目的は人それぞれにあるかと思いますが、体罰として行われてはならないと私は考えています。体罰としてあることが批判の理由なのではないでしょうか。
ホールドスティールが批判される理由とは?
“ホールドスティール”みなさんはご存知でしょうか。あまり馴染みのない言葉であるかもしれません。
ホールドスティールとは、人が全身を使って、犬のカラダを包み込むようにすることです。悪い言い方をすると、犬のカラダをホールドすることで自由を奪うということです。
たとえば、注射をする際に愛犬のカラダを包み込むように押さえつけたことはありませんか?動いてしまっては危険なので、動かないようにするための行為ですよね。ホールドスティールを行う相手が飼い主さんなのであれば、愛犬を落ち着かせるなどの効果があるのではないでしょうか。
批判される理由とは?
ホールドスティールを行う目的は、
- 噛み癖を矯正するため
- 吠え癖を矯正するため
- 歯磨きなど口腔内のお手入れをするため
- 興奮した犬を落ち着かせるため
などであるとされており、マズルコントロールと同じ内容です。
しかし、ホールドスティール以外の方法でしつけを行うことはもちろん可能です。無理やりカラダを押さえつけなくてもしっかりしつけを行うことが可能なのであれば必要のないことなのではないでしょうか。
「かわいそう…」という気持ちから批判する方もいらっしゃるのだと思います。しかし、愛犬の安全を守るため、必要になる場面に遭遇することがあるかもしれません。大興奮して暴れてしまっているとき、飼い主さんが抱きしめてあげることで落ち着きを取り戻す犬もいます。
お散歩中に興奮してリードを引っ張ってしまい、首輪が抜けて逃げ出してしまい事故に遭った、そんなこともなくなるのではないでしょうか。
まとめ
マズルコントロールにしろホールドスティールにしろ、犬にとって必須のしつけではありません。その他の方法でしっかりしつけをすること、服従させることができるのであれば問題ないと思います。
上下関係や信頼関係を築き上げるために良い方法でもあると思いますし、マズルコントロールが上手くできれば、歯磨きや口腔内のお手入れができ、病気を予防することができるなどもメリットもあります。必要に応じて取り入れてみてはいかがでしょうか。