犬の感情
犬はさまざまな表情や仕草で自分の気持ちを伝えてくれます。嬉しい時、楽しい時には尻尾を振り回したり、ジャンプしたり、体全体を使ってその気持ちを表します。悲しい時や怒られている時も、切ない表情や反省の表情を浮かべます。これらの表情は信頼関係を築いた飼い主さんや家族だからこそ、理解できるものだったりします。
そんなさまざまな犬の感情表現ですが、特にネガティヴな感情を抱いている時、犬はどんな仕草を見せるでしょうか。不安な気持ちや寂しい気持ち、ストレスを感じている時には、その時に見せる仕草があります。これらの気持ちを知って、飼い主さんが対応してあげるからこそ、更に犬との絆を深めることができます。
今回はそんな「ネガティヴ」な感情を抱いている時の仕草を4つご紹介します。愛犬の感情を知ることで、信頼関係をより深めていきましょう。
犬がネガティヴな感情を抱いている時の4つの仕草
1.体を舐める
何度も何度も犬が「体の一部」を舐めている場合、それは「ストレス」のサインだと考えられます。猫はよく体を舐めますよね。犬も体を舐めることがありますが、猫と比較するとその頻度は少なくなります。
犬の運動欲求が満たされていない時、特に前足の一部を舐め続けるといわれます。運動欲求が満たされていない、つまり、日々のお散歩や運動、飼い主さんとの遊ぶ量が足りていない可能性があります。
犬が体を舐めるのは、人間で例えると頭を掻きむしったり、足を踏み鳴らしたりなどのストレスを発散させる行為に近いと考えられます。人間も過度なストレスがかかると自分でコントロールできないほどに頭を掻きむしったりしますが、犬も同様にストレスで延々と足を舐めてしまうことがあります。舐めてるだけならいいやと放置する方が多いですが、犬の舌は人間と違ってとてもざらざらとしています。そのため舐め続けることで、被毛が抜け、皮膚が炎症し、皮膚病などの皮膚疾患に繋がることがあります。
手先の場合は飼い主さんが気付くこともあるかもしれませんが、自分のお腹や内股を舐め続ける犬もいます。そうした場合、発見した時には酷くただれていたなんてこともあります。犬が体の一部を舐め続けている場合、それは自傷行為の一つだと捉えて、ストレス解消をしてあげましょう。
2.あくびをする
犬のあくびは犬に仕草の中でも人間が勘違いしやすいものの一つです。あくびをして眠いのかな、気が抜けているのかな、なんて思ったりしますが、犬は強いストレスを感じた時にあくびをします。これはあくびをすることで自分自身を落ち着かせているのです。例えば犬を叱った時にあくびをした場合、飼い主さんは聞いてない!と更に怒ったりしますが、実際は叱られていることを理解し、反省していることが考えられます。
例えば連続してストレスがかかっている場合、あくびをしている間はストレスを忘れることができるため、頻繁にあくびを繰り返すのです。これらの行動が見られる場合、愛犬が飼い主さんに対して不満を抱いている可能性が高いです。もしくは運動不足やコミュニケーション不足がストレスになっている可能性もあります。
頻繁にあくびをしているようであれば、飼い主さんとの関係性をはじめ、普段の生活にストレスを感じさせることがないか考えてあげましょう。
3.身震いをする
体が濡れていないにも関わらず、体を震わせてブルブルと身震いをすることがあります。犬が身震いをするのは、水をはじく以外にも緊張や恐怖を感じている時に見せる仕草です。何かを拒否したいときに体を震わせて身震いをします。
例えば病院などの特定の場所へ連れていった時に身震いをしていたら、その場所を怖がっている証拠かもしれません。病院を避けることは難しいですが、それ以外に散歩中などに特定の場所で身震いをしているようであれば、その場を遠ざけてあげましょう。しつけの最中に身震いを繰り返すようであれば、少し休憩をして落ち着かせてあげてください。
4.自分の尻尾を追いかける
成犬が自分の尻尾を追いかけるのもネガティヴな感情を抱いている時に見せる仕草です。子犬の場合は尻尾が何かを理解しておらず、追いかけることがありますが、尻尾が自分の体だと理解している成犬が尻尾を追いかけている場合、高確率でストレスを抱えています。
これらのストレスの要因は退屈が主な原因になるといわれています。飼い主さんが留守がちの家庭や単独飼育などで常に孤独を感じている時、これらの行動が見られます。この仕草は放っておくと癖となり、ストレスが解消されても治らない場合があるため注意が必要です。また、怖いのは犬が尻尾を追いかけた結果、噛んで傷つけたり、噛み千切ってしまう恐れがあるということです。
また、尻尾を追いかけるのと同様に同じ場所をぐるぐると回ることがあります。これもストレスが関係しているといわれます。これらの行動を見せた時は、犬との時間を見直し、犬が安心できる環境を用意することを心掛けてください。
まとめ
犬がネガティヴな感情を抱いている時に見せる仕草をご紹介しました。放っておいたら犬自身が更に苦しみを感じてしまいます。愛犬にご紹介したような仕草が見られる時は、コミュニケーションの方法を見直してあげてください。
日々の小さなコミュニケーションも大切にして愛犬との信頼関係を築き、できるだけストレスを溜めないような安心できる環境を用意してあげましょう。