犬は仕草でコミュニケーションをとる
私たち人間はお互いに言葉を話し、それを使ってコミュニケーションをとることが多いです。中にはジェスチャーを交えながらコミュニケーションをとることもありますが、多くの場合、言葉で相手の気持ちや伝えたいことを理解します。
しかし、犬は私たちのように言葉を話すことができません。犬同士でコミュニケーションをとる際も、ずっと鳴いたり吠えたりしているわけではありませんよね。
犬の場合、コミュニケーションはカーミングシグナルと言って、仕草や行動で相手に気持ちを伝え、相手側もその仕草や行動によって、相手がどのような気持ちであるか、何を伝えたいのかを理解するのです。
犬が疑問を感じている時に見せる仕草
犬が疑問に感じている時に見せるしぐさは多種多様です。なぜならば、犬が感じる疑問は1つではなく、人間と同じようないろいろな疑問を感じているからです。ここでは犬の仕草ごとに、どのような疑問を感じているかについてご紹介していきます。
1.ゆっくり近付いてくる時「怒ってる?」
まずはゆっくり近付いてくるという仕草です。「名前を呼ぶと、いつもならすぐに近寄ってくるのに、今日はなんだかゆっくり近付いてきてる」と感じる事はありませんか?この場合、愛犬は「もしかして、飼い主さん怒ってる?」という疑問を感じています。
ゆっくり近付くことによって、犬は相手が怒っているかどうかを遠目からじっくり確かめようとしているのです。この時、ゆっくり近付くだけでなく、近付きながら円を描くように近付いてくることもあります。
愛犬に怒っていなくても、家族の誰かに対して怒った後であれば、愛犬も「大丈夫かな?」「僕も怒られるかな?」と不安になります。犬はその場の状況をしっかりと見ていますので、状況に応じて疑問を感じることもあるのです。
2.首をかしげる「何の音だろう?」
よく犬が首をかしげる仕草をすることがありますが、これは人間で言う「何?」とは少し違います。正しく言うならば、何か注意を引くような音を聴き取り、「何の音だろう?」とよく耳をすますために、片方の耳を聞こえやすいように上げているという状況です。
この時の仕草が人間で言うところの「首をかしげる」仕草に非常に似ているため、ただ単に「何?」「どうしたの?」といった感情として勘違いされやすいですが、実際は上記のような理由があるのです。
この仕草は飼い主さんが何か指示を出し、それをしっかり聴き取ろうとする犬にも見られます。「今、何て言ったんだろう?」という心理状態ですので、もう一度指示を出してあげてください。
3.執拗に匂いを嗅ぐ「これは何だろう?」
同じ場所をしつこくずっと匂いを嗅いでいるという仕草も実は疑問を表す仕草の1つです。そこをずっと嗅いでいるということは、その場所に何かしらの匂いが残っており、「何の匂いだろう」と疑問を持ち、判別している最中なのです。
もちろん、ただ単に自分の好きな匂いが残っているため、匂いを嗅いでいる場合もありますので、必ずしも疑問を感じているとは言い切れません。
しかし、例えば家の中に見たことのない物が入ってきた時など、それに近づき匂いを嗅いでいる場合は、「これはいったい何?」という心理状態の元、行われている行為だと言って良いでしょう。
4.短く吠える「何あれ!?」
皆さんは愛犬が短く吠えた場面を見たことがありますか?「ワンッ」と1回2回、短く吠えるというのは、威嚇しているのではなく、どちらかというと嬉しさを伴った感情と言えます。「何あれ!?」と興奮しているのです。
例えば散歩中、前から他の犬がやって来て短く吠えたのであれば、「誰だろうあれ?一緒に遊びたいな!」という疑問と嬉しさが混じり合った心境なのです。
5.しっぽを立てじっと見つめる「何だ…?」
先ほどの「短く吠える」の疑問と心理内容は似ていますが、こちらは嬉しさはなく、警戒心を持った「何だろう…」という仕草になります。
しっぽを立てている時点で警戒心を持った仕草となりますが、さらにじっと見つめているというのは、「敵かもしれないから視線を外さないようにしよう」という心理が働いているのです。
例えば飼い主さんと一緒にリラックスした状態から、ふと立ち上がり、ドアの方をじっと見つめながら尻尾を立てている場合、その後に宅急便が来たという例は非常に多いです。これも「誰か来たぞ」と警戒しているということになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬も様々な疑問を日頃から感じています。警戒や嬉しさの入った疑問から、音の正体を判別するための疑問まで多種多様です。皆さんも愛犬がこれらの仕草を行ったら、「今何かに対して疑問を感じているのかな」と観察してみてくださいね!