犬に感情はある?
犬の「感情」については、いまだに研究中で明確には解明されていません。はるか昔には「犬には感情がない。痛みに反応しているように見えるのは機械が音を鳴らすのと同じだ」などという動物機械論なんていう考え方も広がっていました。
しかし、犬と暮らしている方はわかるように、犬にも感情はあります。人間と同じような反応を見せるわけではありませんが、確かに悲しい、嬉しい、怖い…などといった感情を持っていますよね。
実際、現代では、犬は人間の2歳~2歳半と同じくらいの感情を持っているのではないかといわれるほどです。また、犬には声を出して笑う、涙を流して泣くなどといった感情表現をすることはありませんが、代わりに犬の感情は尻尾と耳に現れます。
犬が持っている5つの感情
実際に犬が持っている感情について、いくつかご紹介します。
1.期待
犬には『期待』する感情があります。例えば「散歩に行けるかもしれない」「遊んでもらえるかもしれない」といった期待の気持ちです。また、期待する感情と、それが得られた時に『満足』する感情も持ち合わされています。
飼い主さんがビニール袋の音をカサカサと立てた時に、尻尾を振っていたり、急いで近寄ってきたら「おやつがもらえるかもしれない!」と期待の気持ちを持っている可能性がありますよ。
2.喪失感・悲しみ
犬は喪失感も感じます。1つ目にご紹介した期待の感情を抱いていてワクワクしていた時に、その期待がお預けになった時や裏切られた時。犬は『喪失感』を感じるといわれています。この喪失感こそ、犬にとっての『悲しみ』の感情です。
また、これらの期待が裏切られた時に感じる喪失感以外に、一人ぼっちの状況にも悲しみを感じます。家族が留守にしている時や、家族や仲間を失った時。犬は喪失感による悲しみを感じるのだそう。
犬は「共感」をすることができるともいわれています。そのため家族が喪失感を感じている時や悲しみを感じている時に、犬はそれを察知して寄り添う行動を見せることがあるのです。
3.怒り
『怒り』も犬が持つ感情の一つです。自分に不快感を与える刺激に対して、犬は怒りの感情をみせます。痛みや暑さ、寒さといった外的な刺激や、空腹や喉の渇きといった内的な刺激も怒りを抱く要因となるのだそう。お腹が空いてイライラするのは人間と同じなのですね。怒りの感情を持っている時は気が立っているため、注意が必要です。
4.苦しみ・恐怖
不快感を与える刺激に対して、怒りの感情を見せるのはもちろん、同時に『苦しみ』や『恐怖』も感じます。身体的な痛みには苦しみも感じますし、恐怖も感じます。苦しみ、恐怖を感じるからこそ怒りの感情を抱くのかもしれませんね。
5.安心・喜び
犬は『安心感』も感じています。身の安全が確保されて安心感を抱いている時、犬は「遊び」の行動を見せます。飼い犬が無邪気に遊んでいる姿は、安心を感じているからこそ見ることができる姿なのです。犬にとってはこの安心の気持ちが『喜び』の気持ちともいえます。
まとめ
- 期待
- 喪失感・悲しみ
- 怒り
- 苦しみ・恐怖
- 安心・喜び
犬にも人間と同じように立派な感情があります。最近では犬が感じる「嫉妬心」や「自尊心」、「恥ずかしさ」といった感情についての研究も進んでいるのだそう。
感情は意識の主観的な側面です。そのため人間であっても、同じ事象に対して抱く感情は異なりますし、名前を付けるのは少し難しいものです。しかし、犬も人間と同じような感情を持っているというのを理解するには十分ではないでしょうか。
愛犬が期待すること、悲しみに感じること、喜びに感じること、そういったものは飼い主さんが一緒に過ごすうちに分かってくるものなのだと思います。また、苦しみや恐怖、怒りといった負の感情も犬は抱きます。それらの感情を少しでも感じずに暮らすことができるようにしてあげたいとも思いますよね。
自分の感情を持っているだけでなく、人間の感情にも寄り添うことができる犬。私たちも愛犬の感情を察知して、大事にしていきたいですよね。
ユーザーのコメント
女性 もふころ
期待している時は目が大きくなりますね。悲しい時は思いっきり耳を倒します。尻尾もだらんと力なく落ちます。怒っている時は鼻息が荒いです。「フン!」っとわかりやすいです。恐怖は悲しい時と似ています。極力体を小さくしようとする姿もありました。安心は言わずもがなですね。長く一緒にいると表情と感情が読めるようになってきますね。