飼い主さんがリーダーになるために
犬の先祖はオオカミであり、群れで暮らす動物です。人と暮らすようになった今も群れで暮らす動物としての本能があり、「家族=群れ」「家=テリトリー」として認識しており、家族の中で誰がリーダーなのかを理解することができます。
家族(人や犬)が複数である場合もその中で必ずリーダーとなる存在が必要です。群れで暮らす動物には階級意識があり、誰よりも上位に立ちたいと考えています。
そんな中、飼い主さんがリーダーとなるためには、上下関係をしっかり気づかなければなりません。
必須条件は心からの「信頼関係」
犬は決して力ずくで従わせるものではありません。怒鳴ったり、叩いたり、強制的に従わせようとする人もいますが、それば恐怖心から従わざるを得ないだけです。従わなければ怒鳴られたり叩かれたり、痛い思いや怖い思いをしなければならないからです。
飼い主さんがリーダーになるために必要なことは、「愛犬に心から信頼してもらうこと」それだけです。そして、「心から愛犬を信頼すること」が飼い主さんにも必要です。
私の群れには、人が3・犬が2・猫が1います。犬2は私をリーダーと認識しており、他の人2には従わないことが多くあります。他の人2には「噛まれるのではないか」という少しの恐怖心があり、犬を信頼することができていませんし、言うことを聞かないと怒鳴ったり大きな音を出して怖がらせたりするため、犬からも信頼されていないのです。
今まで4頭の犬を迎えていますが、リーダーになる条件は、「お互いが心から信頼すること」だと実感しています。誰が一番可愛がっているか、誰が一番おやつをくれるか、ということではないのです。
飼い主さんがリーダーであり続けるために
犬社会において上位である犬は、望む場所で眠ることができ、所有物を自由にすることができ、一番に食事をすることができ、望むままにテリトリー内を移動することができ、相手の望みを無視することができます。
これらを飼い主さんと愛犬とで考えてみましょう。
望む場所で眠ることができる
飼い主さんが「好きな場所で眠って良いよ」と指示すれば、ソファーでも眠るし、ベッドでも眠るし、ケージでも眠ります。「必ずケージで眠らなければならない」と指示すれば、それに従います。
飼い主さんがリーダーであり続けるためには、愛犬の寝床は飼い主さんが決め、それに従わせましょう。うちの愛犬(ポメラニアン)場合、ソファーやベッドの昇り降りは危険であるため、基本的には“イケナイ”としていますが、私と一緒に眠るときはベッドOKにしています。愛犬の一緒に眠ることに対しては賛否両論ありますが、私は「リーダーに従うこと」を重視しています。
所有物を自由にすることができる
リモコンを噛まれた、イヤホンを噛みちぎられた、ソファーをボロボロにされたなどありますが、下位の者である犬はテリトリー内にある群れの所有物を自由にしてはいけません。自由にできるものはリーダーから与えられた「おもちゃ」なんだと理解してもらわなければなりません。
しかし、そのおもちゃも群れの所有物であるため、飼い主さんがリーダーであり続けるためには、リーダーがおもちゃを放せと言えば放さなければなりません。
一番に食事をすることができる
群れで協力し獲た食べ物ですが、まずはリーダーが食べ、下位は残りを食べます。最も下位の者には残っていない、なんて事もあったのではないでしょうか。人と群れで暮らす今にそのようなことはありませんし、自分の分を必ず用意してもらうことができます。
リーダーであり続けるためには、食事を与える際に「マテ」「ヨシ」など指示を出し、従わせるようにしましょう。
望むままにテリトリー内を移動することができる
「家=テリトリー」ですが、家中を自由に移動することができるのはリーダーである飼い主さんや上位(家族・人)の者だけです。愛犬が行ってはいけない場所を理解してもらう必要があります。
うちの場合「和室は立ち入り禁止」とし、それを理解しているため、ドアの外で待っています。
相手の望みを無視することができる
愛犬の望みに全て答えていては、愛犬がリーダーになってしまい、飼い主さんの指示に従わなくなってしまいます。「遊んで!」「お散歩に行こう!」「おやつちょうだい!」など、とても可愛い愛犬からの誘いですが、無視はしなくとも、リーダーの指示に従ってもらわなければなりません。
遊びにはいつまでも付き合うのではなく「もうおしまいだよ」、「お散歩は〇時からね」、「おやつはさっき食べたでしょう」などすることが必要です。
まとめ
信頼関係や上下関係をしっかり築くことができず、飼い主さんがリーダーでないことが原因となり、問題行動を起こしてしまう犬も多くいます。飼い主さんがリーダーであることができれば、愛犬とのコミュニケーションもしっかりとることができます。
一度の指示だけでしっかり従いますし、何度も何度も指示を出す必要はありません。「ダメ!」「やめなさい!」と大声を出す必要もありません。
花火や雷などの音を怖がる犬も多いですが、心から信頼できるリーダーと一緒にいれば大丈夫!と思ってもらうことができれば最高に嬉しいですよね。