犬は言葉を覚えることができるの?
犬と一緒に暮らしている私たちは、日頃から犬に対して声をかけることが少なくありません。例えば「ごはん食べる?」や「散歩行く?」は代表的な例です。このような言葉をかけると嬉しそうにはしゃぐという犬も多いでしょう。
これらの一連の反応を見ると、「やっぱり犬は言葉を理解しているのでは?」と思われる方もいるのではないでしょうか。
犬は飼い主が話しかけてきた言葉に対し、「言葉」として拾っている場合と、「感情」という面で受け取っている場合があります。もっと厳密にいえば、「言葉」か「感情」のどちらかしか読み解くことが出来ないのです。
したがって、感情的になって話しかけてしまうと、「感情」として処理されてしまうため、実際に言葉を読み解こうとしていることにはならないのです。
また、何度も同じ単語を聞き、その後で起こる行動パターンを同じにすることで、犬も「この言葉が来たら、これが起こる」というように理解します。これらを理解した上で犬に言葉を覚えさせると良いのです。
ボーダーコリーのチェイサーちゃん
実は世界には、1000もの言葉を覚えているチェイサーちゃんというボーダーコリーが存在します。チェイサーちゃんは名詞と動詞の区別もできているとされており、何をどうするのかを読み取っています。
もちろん、言葉を覚えるといっても人間のように「犬」を「いぬ」だと言葉として理解しているわけではありません。しかし、飼い主さんの行動を見て、「この言葉の時はこうするんだ」というように、行動と関連付けて覚えているとされています。
犬に言葉を覚えさせる3つのコツ
ここまで犬は言葉を理解しているのかどうかについてお話しして参りました。結果として、言葉としては理解していないものの、「この言葉の時はこうする」「この言葉の時はこういうことが起こる」という行動パターンは読み取っていることがわかりました。
では、ここからが本題です。自分の愛犬にできるだけ多くの言葉を覚えさせるには、どのようなコツが必要なのでしょう。今回は3つご紹介していきます。
①家族間で言葉を統一させる
まず1番大切なことは、覚えさせたい言葉を家族の間でしっかり相談し、統一するという事です。わかりやすい例を挙げるならば、家族間で犬に対し様々な名前で呼んでしまうと、どの言葉の時に自分が呼ばれているのかわからなくなってしまうという例があります。
もしも散歩という言葉を覚えさせたいならば、「散歩に行く?」や「お外行く?」など様々な言葉を使うのではなく、どちらか一方に絞って家族間で統一する必要があるのです。
②意味に合わせて声のトーンを変える
先ほど感情的になると言葉を読み取ることが出来なくなってしまうというお話をしました。しかし、これはあくまで感情的になりすぎてしまった例です。
怒鳴ってしまえば言葉を読み取ろうという気持ちよりも「怖い」という気持ちが先行してしまうため、言葉を覚えることが出来なくなってしまうのです。だからこそ、言葉を覚えさせる時には感情的になりすぎてはいけません。
しかし、言葉には良い意味と悪い意味を含むことがあります。例えば「ダメ」は悪い意味が込められていますし、「散歩」であれば犬にとっては良い意味を含んでいます。ちょっとした感情であれば込めることで、犬も言葉を覚える手助けになります。
犬は声のトーンや声の大きさで感情を読み取っています。そのため、飼い主が怒鳴ったりはしゃいだりするのではなく、少し声のトーンを変えて言葉を聞かせるようにしてください。声の大きさを変える必要はありませんよ。
③はっきりと短い言葉で伝える
そして、犬に言葉を覚えさせる際に最も重要なコツは、覚えさせる言葉を短い言葉で伝えるというものです。
例えば、ごはんをあげる時には「ごはん」だけで良いのです。「お腹が空いていると思うからごはんを出そうと思うんだけれど…」などと長々と話してしまっては、犬はどこを聞き取ればよいのかわからなくなってしまいます。
このように、いけない事をしたときは「ダメ」、散歩に行くときは「散歩行く?」、ごはんを上げる時には「ごはん」と短い言葉ではっきりと伝えてください。そうすることで、犬も言葉を覚えやすくなりますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回お話しした通り、犬は言葉自体の意味を明確に理解しているわけではありません。しかし、日々の飼い主さんの声かけや行動パターンを関連付け、何を意味しているのかを覚えることはできます。
「愛犬に言葉を覚えてもらいたい」と思う方は、これらの意味をしっかりと理解した上で、今回ご紹介したコツを実践してみてください。