犬の問題行動は飼い主にあり?
「うちの犬が問題行動ばかり起こして困っている」という言葉を口にする飼い主さんは少なくありません。たしかに吠え続けたり、家具を破壊してしまったり、ごみ箱をあさったりという問題行動が続けば、飼い主さんが困ってしまうのも無理はないかもしれません。
しかし、その問題行動が犬にばかりあると考えてはいけません。本来、犬という動物は集団行動をすることで生きてきた生き物です。そのため、「リーダーの言うことは絶対に聞く」という心理は今も根強く残っています。
また、仲間として認識した相手とは助け合うという認識もあるため、仲間と認識されているのであれば、相手を困らせるようなことは起こりにくいはずなのです。
もちろん、犬としての本能的な行動として、吠えたり、走り回ったり、噛んだりという行為をしてしまうかもしれません。しかし、それは小さいうちに正しいしつけをすることで改善されます。
「うちの犬は攻撃的な性格だから吠えることを止めないの」「ソファーを噛んで壊してしまう」などの言葉を耳にすることはあります。しかし、その行動を生み出している原因は、しつけをしなかったり、正しい接し方をしていない飼い主さんにあることが多いのです。
犬の問題行動の原因例4つ
では、具体的に飼い主さんのどのような行動が犬の問題行動に繋がってしまうのでしょうか。ここからは具体的な例を紹介するとともに、その理由も合わせてご紹介して参ります。
①甘やかしすぎている
親が甘やかしてしまうと子どもが我儘な性格に育ってしまうという話を人間の子どもに関する話でも聞く通り、犬も甘やかしすぎてしまうと我儘で傲慢な性格に育ってしまう事が多いです。
甘やかしてしまうというのは、例えば愛犬が「構って欲しい」とサインを送れば四六時中構い、「ごはんではなくおやつが欲しい」とサインを送ればおやつを与えてしまうなどの行為を指します。
もしもこのような行為を続け甘やかしすぎてしまうと、犬は飼い主のことをリーダーとして見なさなくなり、自分がこの家のリーダーだと勘違いしてしまう事もあるのです。
この勘違いのせいで飼い主の言う事を聞かなくなってしまったり、知らない人が来ると「自分がこの家を守らなければ」という責任感から、必要以上に吠えてしまうなどの問題行動に繋がってしまいます。
②構い過ぎてしまう
愛犬が可愛いあまり、いつ、どんな時でも構ってしまうという飼い主さんもいると思いますが、構い過ぎという行動も実は問題行動を起こす原因となりやすいのです。
適度に構うのであれば良好な関係が築けますし、愛犬との絆も正しく深めることが出来ます。しかし構い過ぎてしまうと飼い主と愛犬という関係性を悪い方向に導いてしまい、信頼関係ではなく、依存という形となってしまいがちです。
犬は飼い主に依存してしまう事で、飼い主がいない時やどうしても構ってあげられない時に大きな不安を感じてしまいます。結果的に、極度の不安を感じることでストレスを生み、それが問題行動に繋がってしまうのです。
例えば、飼い主さんが外出中にゴミ箱を荒らしたり、吠え続けるなどの問題行動を起こしている場合には、構い過ぎが原因となり、分離不安症になっている可能性がありますので、今すぐ改善が必要でしょう。
③犬に対して感情的になってしまう
しつけをする際、犬に対して「やってはいけない事」を教える必要があります。そのため、中には叱らなければいけない状況に出くわすこともあるでしょう。
では、「愛犬を叱る際、どのように叱っていますか?」このように質問され、あなたはどのように答えますか?叱る際にどのように叱っているかという点にも、犬が問題行動を起こしてしまう原因が隠されていることがあるのです。
もしも叱る際、必要以上に大きな声で、ヒステリックになって怒っているのであれば、そこに原因があります。
犬にとってリーダーというのは、冷静で落ち着いているということも重要なポイントです。リーダーが落ち着いているからこそ、いざという時も頼れると感じるのです。
もしも叱る時に異常なまでに取り乱し、大きな声で怒鳴りつけられたら、犬はただただ「怖い」と感じるだけで、リーダーとしての威厳を感じることはありません。むしろ「落ち着いていない」と認識し、リーダーとして認識されない可能性の方が高いのです。
リーダーと認識されないという事は、ここまでも話に出てきた通り、「指示を聞かなくても良い相手」という認識とイコールになりますので、問題行動に繋がってしまいかねないのです。
④散歩を適度な量行っていない
散歩というのは運動不足解消や犬としての本能を満たすために必要な日課です。中には性格的に散歩がそこまで好きではないという子も稀にいますが、多くの犬は外に出て様々な匂いを嗅いだり、歩いたりすることでポジティブな感情を生み出します。
小型犬を飼っている飼い主さんの中には「小型犬は家の中だけで十分運動になっている」という人もいます。たしかに「小型犬」として見ると、運動量としては十分かもしれません。
ですが、先ほどもお話しした通り、散歩の役割は運動不足解消だけでなく、犬としての本能を満たすという役割も含まれています。様々な匂いを嗅ぎ、時には公園などで穴を掘って遊ぶ子もいます。オスであれば、マーキングをすることに喜びを感じる子も多いです。
散歩に行かないと、これらの本能を満たすことが難しくなりますので、家の中で物を破壊してしまったり、吠え続けたり、中には壁に向かってマーキングをするという子も出てきます。
小型犬の場合、雨の日や犬が怖がっている時などは無理に外に連れて行く必要はありません。しかし、晴れの日ならば1日1回15分程度の散歩に連れて行ってあげると良いでしょう。
まとめ
犬が問題行動を起こす原因は「全て」飼い主にあるというのは言い過ぎかもしれません。中には性格が関係している子や、前の飼い主さんに育てられた境遇上、何らかのトラウマを抱えており、それが原因となっている子もいるからです。
しかし多くの場合、飼い主さんの間違ったしつけや接し方が原因となり、問題行動として現れています。今回ご紹介した具体例に当てはまっている原因があった方は、今日からでも少しずつ改善していきましょう。