犬にとって精神的に負担となること
私たち飼い主が何気なく行っている行為や喜ばしいと思える行為が、実は愛犬に精神的ストレスを与えている要因となっていることがあります。人間にとって些細な事であっても、犬にとっては大きな出来事となってしまうのです。
では、一体どのような行為や変化が犬にとって精神的負担となってしまうのでしょうか。
長時間の留守番
まず飼い主がやりがちな行為の中で、犬が精神的負担が大きい出来事の代表として、長時間留守番させられるという出来事が挙げられます。
犬は飼い主さんと一緒にいることに何よりもの幸せを感じています。また、元々集団行動をしていた犬は家族を仲間として認識しているため、仲間と離れ離れになってしまうと「寂しい」「心細い」と感じることがあるのです。
そして人間の1時間は犬にとって4時間の感覚に相当するとも言われているため、4時間留守にしただけでも16時間1人ぼっちにさせられている感覚になっていることになります。これは人間であっても寂しいと思う人もいるのではないでしょうか。
したがって、ある研究結果では「犬を留守番させるのは4時間までが好ましい」ともされています。
近年、家族全員が仕事に出ていたり、学校に行っているという家族も少なくありません。そのため、どうしても長時間のお留守番をしてもらわなくてはいけないという状況になってしまうという家も少なくないでしょう。
その場合は、日頃から構い過ぎないようにしたり、外出する前の行動に気を付けるなど、留守番中に過度なストレスを与えないよう工夫してあげることが大切です。
ペットホテルに預けられる
旅行する時などに利用する人も多いペットホテルでは、散歩にも連れて行ってくれますし、朝晩ごはんもしっかり与えてくれます。また獣医師さんが居るペットホテルも少なくないため、飼い主さんも安心して預けているのではないでしょうか。
しかし、ペットホテルに預けられるという事も犬にとっては精神的負担が大きい事に当てはまってしまう場合が多いのです。
これは犬の性格やペットホテルの環境にもよりますが、他にも犬や猫が多く預けられていることや、狭い個室に預けられることが多いという事が原因として挙げられます。
したがって、普段から犬用ケージの中で過ごしているような狭い場所に長時間いることに慣れている子や、性格的に社交性の高い子などは大きなストレスとなりにくいのです。しかしこのように狭いケージの中に慣れていなかったり、普段から他の犬と関わることに慣れていない子である場合、恐怖感から大きなストレスとなってしまう可能性があります。
中には飼い主さんが迎えに行くと、元気がなくなっており、しばらく健康状態が不調の日々が続いたという例もありますので、預ける際には愛犬の性格などを考慮した上で預けるようにするべきでしょう。
引っ越し
引っ越しというのは人間であっても向き不向きがあると言われています。犬であれば知らない内に環境が変わることを意味しますので、尚更ストレスとなってしまいます。
もちろん、引っ越しをしなければいけない事態に遭遇することや、新しい家を買ったことで引っ越しをすることになるという事は誰にでもあります。そのため、それと共に犬も引っ越しをしなければいけません。
しかし、犬にとって家というのは自分のテリトリーでもあります。そのテリトリーから勝手に追い出され、違う場所に無理やり入れられるような感覚ですので、どうしても精神的負担が大きくなってしまうのです。
「引っ越しをした後から、犬が問題行動を起こすようになった」という声も少なくありません。それはすべてストレスのサインですので、しっかり向き合ってあげましょう。
家族が喧嘩ばかりする
最初にご紹介した「長時間の留守番」でもご紹介したように、犬にとって家族は全員仲間であり大好きな存在です。そんな大好きな人たちが喧嘩ばかりしていると、犬は大きな精神的ストレスを感じてしまうのです。
これは子どもの感覚と似ています。例えば小さい頃、両親が大声で怒鳴り合っていたり、喧嘩をしていたりするとストレスを感じていたという事はありませんか?犬も同じように感じており、負担となっている可能性があります。
家族が仲良くしていれば犬も嬉しいと感じ幸福度が上がりますし、逆に喧嘩ばかりしていてはストレスを感じ幸福度は下がってしまいます。
愛犬のためにもなるべく家族間では喧嘩を起こさず、仲良くしていてあげることが好ましいでしょう。
家族環境が変わった
これは犬の性格にもよりますが、家族環境がいきなり変わってしまうというのも犬にとっては精神的負担となることがあります。
家族環境の変化とはどのような例が挙げられるかと言いますと、赤ちゃんが生まれたり、新しく違う犬が入ってくるなどが当てはまります。
多くの犬は歓迎するものですが、甘えん坊で今まで自分にだけ愛情が注がれていたという子の場合は、その愛情が分散することを意味していますので、精神的負担が大きくなる恐れがあるのです。
この場合、自分に注意を向かせるために問題行動を起こしてしまったり、攻撃性の高い子であれば危害を加えてしまう可能性も考えられます。日頃からのしつけや構い過ぎに注意しておくことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このように私たちにとっては何気ない些細な事であったり、喜ばしいと感じることであっても、犬にとっては大きなストレスとなっている可能性があります。なるべくこのような機会を減らすと共に、日頃からストレスを軽減させてあげるようなしつけをしておくと良いでしょう。