警察犬といえば、その賢さであらゆる任務を全うしている姿がたびたびニュースでも取り上げられますよね。そんな警察犬という仕事を持つ彼らは、特殊なトレーニングにより鍛えられています。
今回はそんな優秀な人間の相棒である「警察犬」の仕事や「警察犬式のトレーニング」をご紹介します。
警察犬とは
厳しいトレーニングを合格した犬のみが警察犬として働くことになりますが、日本においては1912年に警視庁で採用された犬が始めての警察犬です。初代の警察犬はコリーとラブラドールレトリーバーですが、警察犬に適した犬種として「日本警察犬協会」に指定されている7犬種がいます。
- ジャーマンシェパード
- ドーベルマン
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- ボクサー
- コリー
- エアデールテリア
また、警察犬には「直轄犬」と「嘱託犬」と呼ばれる二種類があり、直轄犬は警視庁と各都道府県警管轄にてトレーニングと管理がされている警察犬です。属託犬は各都道府県警で実施されている属託犬採用試験に合格した犬、つまり民間の訓練所などでトレーニングをされてきた犬です。この属託犬には、上述した犬種以外の犬が採用されているケースがあります。チワワや柴犬、トイプードル、ミニチュアダックスフントなど、警察犬のイメージとは少し違った犬種でもトレーニングにより優秀な警察犬になれるのです。
そんな警察犬の仕事はいくつかの活動に分けられます。
足跡追及活動(そくせきついきゅうかつどう)
「足跡追及活動」では、残された臭いを元に犯人を追及・追跡します。
臭気選別活動(しゅうきせんべつかつどう)
「臭気選別活動」では、犯罪現場に残された遺留品の臭いと容疑者の臭いを照合して、犯人を選別・特定します。
捜索活動(そうさくかつどう)
遺留品、迷子、行方不明者、遭難者を臭いから捜索します。
警察犬のトレーニング方法
警察犬の仕事は人間の4,000倍~6,000倍ともいわれる、犬のその優れた嗅覚を元にした活動です。警察犬になるには厳しいトレーニングを受ける必要がありますが、実際にどのようなトレーニングが行われているのでしょうか。
警察犬のトレーニングは、直轄犬の場合は各都道府県警、嘱託犬は民間の訓練所がトレーニングを行います。そのためトレーニング方法は各機関によって異なることになりますが、ここでは警視庁や民間の訓練所でも行われており、家庭犬にも覚えさせたいトレーニングをいくつかご紹介します。
①停座
「スワレ」の合図を行い、犬を正面や横に座らせるトレーニングです。家庭犬には「オスワリ」という合図をかける方が多いかもしれませんが、エサを与える前などの短時間待たせるために行いたいトレーニングです。
②伏臥
「フセ」の合図を行い、長時間伏せの状態で待てるようにするトレーニングです。実際に犬を長時間待たせる場合、オスワリよりも伏せの状態のほうが犬は落ち着いて待つことができるそうです。
③休止
「マテ」の合図を行い、解除の合図があるまでは動かないようにするトレーニングです。飛び掛かる可能性がある場合や、突発的な事態が発生した際に愛犬を危機から守ることができるため、ぜひ家庭犬にも覚えさせたいトレーニングしたいですね。
④脚側行進
リードを付けずに訓練者の左横を歩速を合わせて歩かせるトレーニングです。「ヒール」や「ツイテ」とも呼ばれますが、家庭犬にも覚えさせておけば、散歩の際に急な飛び出しなどを防ぐことができます。
⑤「招呼」
「呼び戻し」とも呼ばれ、呼んだらすぐに訓練者のもとへ来るようにするトレーニングです。招呼ができれば、様々な危険や事故から愛犬を守ることができます。
⑥立止
「立った状態」で待たせるトレーニングです。家庭犬においても、お散歩後に足を拭く際や、動物病院で獣医さんに診察してもある際に役に立つトレーニングです。
まとめ
今回ご紹介したトレーニングは警察犬の「服従訓練」と呼ばれる基礎的なトレーニングの一部です。警察犬になる場合は、この服従訓練が終わると「足跡追求訓練」「臭気選別訓練」といった、更に高度なトレーニングや、各犬の能力や特性に合わせたトレーニングも行われるそうです。これらの厳しいトレーニングが18か月ほど行われた後、更に試験に合格した犬のみが「警察犬」として活動することになります。
また、警視庁のウェブサイトではトレーニングの様子が動画で紹介されているので、気になる方は参照してみてくださいね。
警察犬にはならずとも、家庭犬でも覚えておきたいトレーニングが多々あります。ぜひ愛犬との信頼関係を作りながら、愛犬と共にトレーニングしてみてくださいね。
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30代 女性 フィットちゃん