犬に人の顔を舐めさせても平気?

犬に人の顔を舐めさせても平気?

ペロペロと顔を舐めてくる愛犬はとっても可愛いですよね。でもそれって危険も伴っているんです。今回は犬が顔を舐める理由から、その危険性までをご紹介します。

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子どもが食べ物をねだる時の名残

顔を舐められる女

犬の祖先だと言われているオオカミは、親が食べたものを吐き戻して離乳食として与えていました。
母親のオオカミは口元を舐められることで食べ物を吐き戻します。

また、母親のオオカミに甘える際にも口元を舐めコミュニケーションを取ります。
これを人間にやるということは親のように思っているということですね。

服従や順位の確認・愛情表現

顔を舐めるという行為は子どものオオカミが親のオオカミに対して行うものですが、大人同士でも行うことがあります。
子どものオオカミは群れの中ではまだ半人前で敵意もなく弱い存在です。大人になったオオカミの中でも弱いオオカミは強いオオカミに対しての挨拶をしたり、敵意がないことや服従を示すために顔を舐めたりします。

飼い主に対して舐める時

顔を舐めるという行為は群れの中での順位や服従を確認するための行為となっています。
愛犬が飼い主さんの顔を舐めてくるのは、飼い主さんのほうが順位が上だと思っているのかもしれませんね。
犬が飼い主さんの顔を舐める行為は「甘えたい」「大好き」「敵意はないよ」といろいろな意味を持っています。
ですがどれもポジティブな感情なので嬉しいですね。

強迫性障害

顔を舐める犬の中には止めてもずっと舐めてくる子もいます。
異常に舐めることに執着している犬は強迫性障害という精神的な問題があるかもしれません。

自分がとても弱い存在であるように感じ、強い不安や不快感などを覚えてしまうものです。
それを振り払うために意味もなく舐め続けてしまうことがあります。
強迫性障害の原因としては以下のようなものが挙げられます。

  • 持続的な痛み
  • 閉じ込めっぱなし
  • 長時間の留守番
  • スキンシップが少ない
  • 散歩が少ない

治療法としては、まず病気の可能性を排除する必要があります。

皮膚病や寄生虫、てんかん、アレルギー、ウイルス、細菌感染など可能性がないことを病院で確認してください。

ストレスを減らす

犬のストレスになっているであろうことを取り除きます。
マッサージなどでスキンシップを多めにとったり、散歩の時間を伸ばしてみたり、犬のストレスかもしれないと思うものを解決していきましょう。
またしつけでも改善することがあります。顔を舐めようとしたときにおもちゃなどを与えてみたりしてください。
あまりにも酷いようでしたら獣医さんに相談して、投薬治療を行うこともできます。

舐めさせても良いのは?

舌を出す白い犬

結論から言うとなるべく控えたほうが良いでしょう。
理由はいくつかあります。

感染症の可能性

室内で飼われている犬の多くは清潔で病気を持っていないと思う方が多いかもしれません。
しかし室内で飼われている犬でも口の中では病原菌が繁殖している可能性が高いです。

顔を舐める行為が甘えや好意、服従を意味するなら続けさせても良いように思えますが、口の中にはパスツレラ菌ブドウ球菌など約150種もの細菌が生息していると言われています。
そのため犬に顔を舐めさせることは、菌に感染するリスクを高める行為なのです。

パスツレラ菌とは?

パスツレラ菌とはパスツレラ症の原因菌です。
免疫力が低下している時に発症することがあります。高齢者や子どもは免疫力が低いので感染する可能性が高く、気をつけなくてはいけません。
パスツレラ症は感染してから30分〜2日で症状がでます。
あらわれる症状としては以下のようなものが挙げられます。

  • 呼吸器症状:咳、鼻水、喉の痛み、痰、肺炎など
  • 皮膚症状:発疹、膿、激痛など
  • 骨髄炎:発熱、脱水、意識障害など
  • 外耳炎:痛み、誤嚥障害、頸部腫張など

一旦発症すると重症化する恐れもあり、最悪の場合死亡することもあるので甘くみてはいけない病気です。

飛びついてくる危険あり!

人の顔を舐めようとするとどうしても人に飛びついてしまうことになります。小型犬では可愛いものかもしれませんが、大きめの犬になると転倒してしまう危険性があります。
特に子どもや高齢者だと犬を受け止めきれずに倒れ、けがをすることもあります。
犬に悪気はなくても結果として傷つけてしまうことは避けたいですよね。

やめさせるにはどうしたらいいの?

女性と向き合う犬

顔を舐める行為というのは基本的に犬が飼い主さんへの好意のアピールです。
そのためきつく叱ったりしてもなぜ叱られているのか理解できません。
叱られてしまうと「怒らないで」と更にアピールしてくる可能性もあります。

舐める状態にしない事

無理にやめさせるのではなく、できない状態にすることが有効です。
できない状況が続くとそれが当たり前だと思い、ストップします。
興奮しているようなら一度クレートやケージにいれて落ち着かせるのも手段のひとつです。落ち着いたら外に出すようにすれば段々とわかってきます。

コマンドで教える

コマンドを覚えさせるのも良いでしょう。「おすわり」や「まて」を教えて、顔を舐めようとしたらコマンドを出して、言うことをきいたら褒めるようにしましょう。
そうすることで顔を舐めることから意識がそれていきます。

まとめ

飼い主を舐める子犬

いかがでしたか?愛犬が飼い主の顔を舐めるのには様々な理由がありましたね。
また、おかしいな?と思う事があれば、獣医さんに相談をしてください。
そして、愛犬が舐めた場所・舐めそうな場所はいつも清潔にしておきましょう。
あまりにも舐めぐせが酷い場合はしっかりとトレーニングをして辞めてもらえるようにしつけをしましょう。

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