愛犬をドッグショーに出すためには

愛犬をドッグショーに出すためには

華やかなショーの世界。愛犬を出陳してみたいと感がることもあると思います。ここではいわゆるビューティーショーにスポットを当てて、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)、国際畜犬連盟(FCI)のショーと日本犬保存会の展覧会に出すにはどうすればよいか、紹介していきますね。

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記事の監修

ダルメシアンの犬種向上のため、2001年に「スペイン・ダルメシアン・クラブ」を創立。以降、事務局長として2020年までクラブ運営に携わり、「ブリティッシュ・ダルメシアン・クラブ」協力の下、クラブ大会を企画・開催。クラブ・ブリーダーのダルメシアン聴力検査義務化を実現。また、ダルメシアンの遠足会なども企画し、時に20頭を超えるダルメシアンと野山で遊ぶ。現在、日本におけるダルメシアンの正しい普及と犬種向上に取り組む。

ドッグショーとは

ドッグショーに出ている犬

その犬種がどれだけ定められた犬種標準に近いかということを競うものです。その犬種本来の美しさが分かることから、時にビューティーショーとも言われることがあります。

犬種標準に近いかということを追及しているので、避妊手術、去勢手術をした犬は出ることができません。噛み癖のある犬、発情犬、皮膚病・感染症のある犬は出陳できません。

ブリーダー
鈴木桂子

ドッグショーの目的は「純粋犬種を守り、後世に伝えていくこと」です。ドッグショーは、純粋犬種の保護、育成、発展、普及のために開催されています。純粋犬種の優れた血統を後世に引き継ぎ、繁殖の指針とするために行われます。

そして、それらに真摯に取り組んでいるブリーダーを評価し賞賛する場でもあります。

飼い主さん側の準備

おめかししたシーズー

団体の会員になる

まず、飼い主さんがJKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)の会員になってないといけません。JKCの会員でないと血統書上の愛犬の所有者にはなれません。また、ショーに申し込む上でも会員である必要があります。

日本犬保存会も同じです。日本犬保存会に入会し、血統書の所有者を現在の飼い主に変更しておかなくてはなりません。入会したら、定められた期日までに出陳申し込みとお金を払えば愛犬を出すことができます。

JKCに登録された血統書か

愛犬に関してはJKCに登録してある血統書を持つ純血種でなくてはなりません。日本犬保存会も同じで、日本犬保存会に登録してある血統書を持つ日本犬でなくてはいけません。

JKCないし、日本犬保存会が認めている畜犬団体が発行している血統書を持っている場合でも、出陳が認められることがあります。

ハンドリングをどうするか

ショーのリングで愛犬をハンドリングしてくれるハンドラーを依頼するか、飼い主自身がハンドリングの勉強をしておく必要があります。日本犬保存会では、会員かその家族が犬を引くことと定められています。

ブリーダー
鈴木桂子

ドッグショーに出陳する為に、各地のショーに参加することがあります。ハンドラーは基本的にJKCクラブ会員ならびにその家族に限られますが、最近はオーナーみずからラウンドするオーナーハンドラーから、専門のプロのハンドラーに依頼するオーナーが増えています。

ショーに出陳するには、愛犬のショーマナーの躾もしなくてはいけません。時間的にも金銭的にも余裕が必要です。

愛犬の準備

ショーで審査されるチワワ

JKCのショーではJKCが認めている純血種となります。その際、トリミングの必要のある犬種では、犬種標準に沿ったスタイルを求められます。

プードル種の規定

プードル種でいえば、子犬時代は「パピークリップ」、成犬になれば「セカンドパピークリップ、コンチネンタルクリップ、イングリッシュサドルクリップ」でしかショーに出せません。
※国際畜犬連盟(FCI)ではトアレットモダンクリップも認められている

その他トリミングの規定

<マルチーズ>
マルチーズは全身の毛を地面に付くまで長く伸ばして、頭は二つに結わきます。
<ヨークシャーテリア>
ヨークシャーテリアも全身の毛を地面に付くまで長く伸ばして、頭は一つに結わき、性別関係なく赤いリボンを付けます。
<シーズー>
シーズーも同じように長く伸ばして、頭の毛を結わきますが、扇形に整えます。

この毛を伸ばすには、長い時間がかかりお手入れも大変です。毎日ブラッシングし、毛を保護するために専用の紙で巻きます。その分け目は一日二回変えなくてはいけません。

日本犬保存会

日本犬保存会の展覧会は、国の天然記念物に指定されている日本犬6種のためのショーです。

<大型犬>
秋田犬
<中型犬>
紀州犬・四国犬(土佐闘犬とは別種)・甲斐犬・北海道犬
<小型犬>
柴犬
※日本スピッツや、狆、日本テリアは入りません。なお、中型の越の犬は昭和40年代に絶滅しています。

審査内容

ショーや展覧会の審査では、歯や噛みあわせ、オスならば睾丸が二つ降りているかどうか、骨格、関節の状態、歩き方、立ち姿を見るので、知らない人にどこを触られても、口を開けられても大人しくさせておく必要もありますし、正しい美しい立ち姿でじっとさせておく必要もあります。

また、他の犬に際限なく吠えたり、襲いかかったり、審査員に襲いかかったりする犬は、失格になることもあります。ただし、日本犬ではそれも性格の一つ『悍威(かんい)』のあらわれとして良しとする場合があります。

ブリーダー
鈴木桂子

基本的に犬は知らない人に身体を触られるのを嫌います。ですが、ドッグショーでは審査員に口を開けて見せさせ、噛み合わせを見るために口元を触られます。また、筋肉や骨格を調べるために体を触診されます。これに動ぜず対応できるマナーを覚えさせなくてはいけません。

ショーのリンク内では、他の犬と並んで同時に審査されるため、他の犬に気を取られたり攻撃的になったりしてはいけません。ショーに出すには美しく立つ姿、走る姿を覚えさせる必要があり、生後3~4か月あたりから訓練を始めます。しっかりとした骨格と筋肉のために運動量も必要になります。

ジャパンケネルクラブ(JKC)のショー

JKCのショーでは、『タイプ』『サウンドネス』『クオリティ』『バランス』『コンディション』『キャラクター』の六つを審査員は見ています。

タイプ

犬種ごとの特色です。つまり犬種標準に定められた規定に近ければ近いほど優れたタイプということになります。その犬種に求めれる外貌、体形、性質など基本的な特徴をもっているか等をチェックします

サウンドネス

精神的・肉体的な健全性です。JKCではショーに出陳する犬がすべて家庭犬としてふさわしい性格を要求しています。つまり、審査員が触診する時に過剰におびえたり、攻撃的であってはならないということです。また、外見も健全でなくてはなりません。

以下の項目を視診や触診で審査します。

  • 頭部の構造
  • 噛みあわせ
  • 耳の付き方
  • 首の太さや長さ
  • 背中の状態
  • 四肢の状態や角度
  • 尾の付き方や形
  • 全身の筋肉状態
  • 被毛の状態
  • 睾丸の確認

クオリティ

クオリティとは、その犬の質の事です。犬種としての充実度や洗練度を審査されます。犬種らしい魅力が一層発揮されているかどうか、その犬質を見極めます。

バランス

バランスは、一部分が優れていても、全体の調和が取れていなくてはいけませんので、それを指します。

コンディション

コンディションは、犬の健康状態を指します。毛づや、肉付き、目の輝きや動きです。また精神状態も審査されます。ショー当日に向け、いかに状態を整えてきたかが重要です。

キャラクター

犬が何かきらりと光る、人を惹き付ける魅力があるかも大事です。

日本犬保存会の展覧会

黒柴と赤柴

日本犬保存会では、本質、外貌を見ます。本質は悍威に富み良性にして素朴の感があり、感覚鋭敏となります。つまり、威厳があってキリッとしているということです。日本犬にとっては最も重要な本質です。

また、良性とあるのは、華やかな犬ではなく、素朴で地味な中に品位のある味わいのある犬を指します。雄は雄らしく、雌は雌らしくという、雄と雌の性の特徴をとても大事にしています。過敏すぎてはいけないのですが、落ち着いた中に鋭敏な感覚があり、かつ警戒心を持っているというものです。

外貌は、見た目でオスメスの判断ができ、オスは体高と体長の比が『100対110』で、メスだと体高に対して体長がオスに比べるとやや長めになります。後は大きさで体高の上限下限が決まっています。

毛色は赤、黒、虎、胡麻、白とありますが、柴犬と四国犬の白は好ましくないので、減点の対象となります。

下記の項目を視診や触診で審査します。

  • 噛みあわせ
  • 歯の数
  • 舌の検査
  • 睾丸検査
  • 体高検査

ハンドラーは犬後方にたち、背線から45°程度の角度でリードを保持します。三角歩行で犬の歩様を審査します。

まとめ

トロフィーをいっぱいもらったゴールデンレトリーバー

ショーに出すには、最低限の事を書いていきましたが、いかがでしょうか。ショーによる犬種標準を知ると愛犬の事がもっと好きになると思います。出すことができなくても、身に行くだけでも面白いですよ。

ブリーダー
鈴木桂子

ドッグショーに出す犬は、その犬種の「スタンダード」にいかに近いかを審査されるので、飼い主が充分に「スタンダード」を理解している必要があります。自分の愛犬を客観的に見れ、入賞した犬を称賛する誠実さが必要です。そして足りない部分を補う努力が求められます。

「見せ方」を知っているプロのハンドラーに依頼するのも一つの在り方ですが、飼い主自らが愛犬を出陳するのは大きな喜びです。勝ち負けを競うのではなく、犬種としての美を紹介できる喜びをもって、積極的にショーに参加していただければと思います。

ドッグショー会場へは愛犬を連れて行くこともできます。(ただし、ヒート中のメスや攻撃的な犬、病気の犬は同伴できません)これから犬を飼われる方は、ぜひ一度見学にいらしてください。良い犬を見ることは喜びですし、犬を見る目を養うことが、無駄な繁殖を減らすことにもなります。

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