犬にとっての食糞とは
人間の感覚と絶対的に違うのは、犬にとって決してウンチは汚い物ではないという事です。大小トイレの後に、足に付かないように上手に避けてくれる綺麗好きな子も沢山いますが、それとこれ(食糞)は全く別物です。よく原因として言われるのはこちらではないでしょうか。
- 消化を完全にされてないので美味しい匂いが残っている
- 体内の足りない栄養素を取り込む為
- 病気の為
わんちゃんにとっては生理行動の一つでもある食糞。そのため完全にやめさせるということはとても難しいことです。栄養不足や病気の場合は、獣医さんと相談の上、治療が必要となりますので、健康な子たちが食糞をしてしまう際のいくつかの対処方法と愛犬や訓練士の仕事を通じて見てきた犬達ケースをお話ししたいと思います。
海外在住の私が飼っていた愛犬の内、1匹はビズラという日本では聞き慣れない種類の猟犬でした。彼の祖父母は鳥猟だけでなく大型の獣猟にも参加する実猟犬だったので、その血を濃く受け継いでいた子でした。その子以前に飼っていた犬は食糞をする事がなかったので、試行錯誤の食糞対策の日々が始まる事となります。
食べないで!色々な物を試してみたのに…
彼の食糞は既に子犬の頃からとなります。先ずは獣医さんで診察をして貰いましたが、健康です!猟犬にはよくあるのよね〜。と言われてしまいます。そこで、犬が嫌な思いをする物をウンチに振りかけてみて下さい。とアドバイスされました。
今は専用の商品なども販売されてますが、当時は辛いものなどを振りかける。というのが1番ポピュラーな対処法。我が家も色々と試しました。
- マスタード
- タバスコ
- ワサビ など香辛料系
試してみたものの、何を振りかけても食べてしまう… こうなると、次はもっと辛い物を!と激辛タバスコを求めてスーパーマーケットへ駆け込み物色。しかし、余りにも効果がない事と愛犬の体が心配になり、辛いもの作戦は諦めました。
そして、体は大きく益々俊敏な動きが出来るようになると急いで食べると言う事までする始末…
ウンチに苦い物や辛い物を振りかけて食糞を止める子達も沢山いるので、決して有効でない訳ではないのですが。
好きな事は中々嫌いにはならない
自分の物だけではなく、他所の子の物まで食べるようになり、挙げ句の果てには他所の子が力んでるそばでスタンバイまでする事もありました。
また、食べるだけではなく、公園に落ちている糞を体に擦りまくって戻ってくる事もあり、あの当時は本当に大変でした。
やはり有効なのは基礎訓練の応用
今までも、食べようとしたらNO!と言ってましたが、もう一度躾を見直して強い誘惑を我慢する。という事を徹底。その為には2つのことを生活の中で何度も何度も些細な事でも繰り返しました。
- 無視しなさい
- 離しなさい
それまでも基礎は出来ていたのですが、この2つは強化すればするほど食糞対策になりました。
トイレをした時や予め私達がそこにある!と気付いている時に、ノーリードで遠隔でも「無視しなさい!」と言われれば、諦める事ができる様になります。そして咥えた瞬間であれば、「出しなさい」
愛犬は大好きな食糞行動なので、勿論渋々です。彼の欲求はかなり強かったので、例えコマンドでも我慢出来る様になったのは大いに褒めてあげる事でした。
お留守番中や見てない時は?
私の愛犬と同じ様に食糞欲求が強いと、犬1人の時まで食べない様にするというのは、中々難しい所です。食べてないウンチがあれば褒めてあげる。可能ではありますが、過去と褒められた今をリンクさせて理解させるのは根気と時間がかかることです。
我が家ではトイレの時間をコントロールしていたので、常にトイレマネージメントをしていました。そうやって食糞の習慣を消していく事で、徐々に食べようとする回数も減り、最終的には90%位は自分から食べにいく事はなくなりました。残りは… 大自然の中で知らぬ間に…みたいな状況だったので、飼い主の譲歩。息でバレているんですけどね。
トイレ後にお知らせをさせる矯正
我が家の愛犬ではないのですが、当時1グループ30頭〜40頭を同時にフリーハンドリングする仕事をしていたのですが、中には飼い主さんから食糞するのでなるべく見ていて下さいと言われる事もありました。元気なラブラドールちゃんでした。
流石に辛い物を食べさせるなんて出来ない事ですし、プライベートレッスンではないので私の愛犬と同じ事も出来ない環境でした。
それでも、その子がかなり改善された方法が「お知らせ」です。
- トイレした
- 人を呼びに行く
- 嬉しい事が待ってる
- トイレを片付けながら、また褒める
犬がこの流れを理解してくれたら、楽です。
まとめ
実は現在の愛犬はチワワなのですが、食糞をする一歳未満の子です。私の愛犬では食糞をする子二代目です。
無視や離しても教えていますが、お知らせ方法を取っていて、お知らせに来てくれます。お陰で今回は食糞での悩みは殆どありません。
なぜ殆どかと言うと、ワザワザ別の部屋にいる私にお知らせに来てくれたのに、それをお知らせだと私が気づかないで放置。後で気づくという失敗を私がしてしまっているからです。放置していると食べてしまいます。
食糞は飼い主さん達にとったら、悩ましい問題ですが、愛犬にあった方法を見つけて改善するのが一番ですね。
全く食べない子もいるので、なんでうちの子は…と疲れる時もあるかと思いますが、この記事で試した事がない方法があったらお役に立てたら嬉しいです。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 ベータママ
ですが、同じ躾コマンドで克服するなら事後のお知らせよりも排泄をコマンド化する方が効率が良いのでは?
健康な犬であれば食後30分以内にトイレをしますから、その時間帯で飼い主が排泄を促し、出来たら褒めればコマンド化できますよ。お知らせ方式に対する長所としては出掛ける前に排泄をさせることができるのです。散歩でも決まった場所でできますし。
あと、食糞をする犬の大半はペットショップの狭いケースの中で覚えてしまうもので、運動不足で暇になるとやってしまう癖と言えます。ですからしっかり散歩をさせ、エネルギーを発散させることも重要です。
30代 女性 りんたろうママ