犬がストレスを感じやすい動き
犬は人間よりも体が小さい犬種が多く、さらに聴力が良いことから、様々なことに対しストレスを感じやすい動物でもあります。人間が気にしないような些細なことも「怖い」と感じ、ストレスとなり得るのです。
ストレスとなり得るものの中には、人間の行動も当てはまるものがあります。では、どのような人間の行動に犬はストレスを感じるのでしょうか。
傘を開く
まず1つ目に紹介する行動は、「傘を開く」行動です。人間にしてみれば、傘は雨の日に当たり前のように開き、使うことで雨を凌いでいるため、とても便利な日用品です。しかし、犬にとっては恐怖の対象となってしまうのです。
なぜならば、今の傘の多くはワンタッチ式で突然バッと開くため、聴力が優れている犬にとって、「急に大きな音を出す怖い物」という認識なのです。また、細く先が尖っている傘は、犬にとって未知との遭遇のため、より恐怖心が増すのです。
大きな音が出る上、怖い見た目をしている傘は、犬にとってストレスとなる可能性が高いのです。筆者の犬も始めは傘を見て吠えたりしていました。
素早く目の前を歩く
突然素早く目の前を歩かれることも犬にとってはストレスとなってしまいます。今でも野生本能が残っている犬にとって、素早い動きをするものは敵という認識が残っています。そのため、警戒心が強くなってしまいストレスとなってしまう可能性があります。
また素早く歩いたり、素早い動作をすることは、普段よりその動作で発生する音が大きくなりがちです。その音に対しても敏感となってしまい、犬の中には「飼い主さんが不機嫌かも?」と不安になりストレスを感じる子もいます。
掃除機をかける
そして犬が嫌いな音の代名詞とも言える掃除機もストレスの原因となります。掃除機をかけることで、普段生活している中ではあまり聞くことのない音に反応してしまい、「怖い」と感じてしまう子が多いのです。
さらに掃除機をかける際、独特な轟音だけでなく、掃除をするために人が掃除機を前後に動かして使います。犬から見て大きな本体がガタゴトと揺れる姿や音にも不安感を覚えるため、掃除機をかける行為は犬にとって「嫌だなぁ~」とストレスとなるのです。
それぞれの行動に対する対処法
ここまで3つの犬がストレスに感じる人間の行動をご紹介してまいりましたが、どれも日常生活を送る上で必要な行動でもあります。そのため、愛犬にも少しずつ慣れてもらわなければいけません。そこで、それぞれの行動に対して慣れてもらうための対処法をご紹介してまいります。
傘を開く→遊ぶ場所に傘を開いて置く
「傘を開く」行動に慣れさせるためには、まずは犬を傘事態に慣れさせることが大切です。傘は危ない物じゃないということを認識させるために、家の中のいつも遊んでいる場所に開いた傘を置いておくと良いでしょう。
最初はびっくりするかもしれませんが、徐々に「これは何だろう」という好奇心に駆られ、自分から近づいていき匂いなどを確かめ始めます。そこで「危険な物じゃない」とわかると、その後は気にせず普段通りに遊び始めますので、それを飼い主さんが感じたら、犬が傘に慣れたということです。
次のステップとして、愛犬から少し離れたところで傘を開いたり閉じたりしてみましょう。先ほどと同じように繰り返すことで、犬も開く音に慣れ始めます。
素早く目の前を歩く→廊下などで軽くかけっこ
家の中で素早く動かなければいけない状況というのは、人間ならば誰でもあります。この行動も犬にとっては驚いてしまい、ストレスに感じる行動となる事は先ほどお話ししました。
しかしこの行動に関しては、基本的に時間が経つにつれて慣れてくる子がほとんどです。散歩に行くとランニングをしている人などもいますので、自然に人間との共存という環境に慣れてくるのです。
それでもまだ小さい内は慣れずに驚いてしまう子が多いのも事実です。そこで、家が一軒家ならば、廊下で軽くかけっこをする方法が1つの手段として挙げられます。
まずは犬の前を飼い主が走り、その後こちらが追いかけるという遊びを繰り返します。そうすることで、犬は飼い主の走る姿に慣れますので、少し目の前を早歩きしたくらいでは驚かなくなります。
掃除機をかける→近くでOFF状態の掃除機を見せる
掃除機に慣れさせるためには、長期間を想定して行うことが大切です。中にはすぐ慣れてしまう子もいますが、多くの犬は掃除機を普通にかけることに慣れるまでには、長い時間を要します。
掃除機をかける行動に慣れさせるためには、まずスイッチをOFFにした状態の動かない掃除機を近くで見せるところから始めます。掃除機はどのような形をしているのか、どのような匂いをしているのかを確かめることで、少し緊張を和らげてあげましょう。
その後は犬の近くで、スイッチをOFFにした状態で掃除機をいつも通り動かして見せます。これは危険じゃないよ、という認識を持たせ、掃除機の動きに慣れさせるのです。
最後に掃除機のスイッチをONにし、犬から離れた場所で掃除機の音を聞かせます。一軒家の場合は、違う階から音を聞かせると良いでしょう。そこから少しずつ近付け、最終的には近くで電源をONにしても動揺しない状態になるまで、根気強く挑戦してみましょう。
1日に長時間行ってしまうと過剰なストレスを与えてしまいますので、1日に行う時間はほんの5分程度など、愛犬の様子を伺いながら行うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「こんなことも?」と思うような些細な行動や音でも犬にとってはストレスとなってしまう可能性があることをおわかり頂けたのではないでしょうか。最後に紹介した慣れさせる方法に関して重要なポイントは根気強く、長期間を想定して行うことです。ぜひ少しずつ挑戦してみてください。
ユーザーのコメント
女性 ゴン吉
私が足を怪我して動きがゆっくりな時、不審者だと思ったのか愛犬によく吠えられていました。