動物愛護法ってなに?
「動物愛護法」は『愛護』と『管理』の目的から制定された法律です。
『愛護』動物の虐待を防止して命を大切にすること
『管理』飼育している動物が周囲に迷惑をかけないようにすること
昭和48年に制定されてから、平成11年、17年、24年に改正されてきました。
知っておいた方が良いかも、最新の動物愛護法の一部を紹介
平成24年9月5日に議員立法による改正動物愛護管理法が公布され、平成25年9月1日より施工されているものが最新のものになります。
このときに改正された内容を一部紹介します。
犬や猫の販売は生後56日以降から
子犬や子猫が早い時期に母親や兄弟と引き離されてしまうと、社会化が出来ずに問題行動を起こしやすくなるということが指摘されています。そのため、改正動物愛護法では、子猫や子犬の販売・引き渡し・展示が生後56日を経過していないと出来ないようなりました。
しかし、条文では56日となっていますが、経過措置として施工後3年間は45日、それ以降は別に法律に定めるまでの間は49日とされています。
現在、科学的に検証されている親や兄弟との引き渡しによる弊害が起こりやすいとされているのが7週(49日)のためです。次の法改定までに専門家による検証が行われるとのことです。
犬や猫のインターネット販売での規制
インターネットによる犬や猫の生体販売のトラブルが急増してきた背景から規制が入りました。ネット販売が禁止になったわけではありませんが、必ず一度は購入者と販売者が直接会って、犬や猫の確認をする現物確認の義務、対面説明の義務が課せられました。
一度も直接会わないまま、インターネットで注文し、振り込みなどで支払いをし、空輸などで犬や猫の生体が送られてくるというのは違反行為となります。
これら現物確認と対面説明の義務は、販売者に課せられる義務となっています。
終生飼養の徹底
平成24年に改正された動物愛護法でいちばん大きな変更は、「終生飼養の徹底」が明文化されたことです。
この改正で、ペットの飼い主に対して「終生飼養するという責任」が明文化されました。
これは、動物取扱業者にも同様のことが求められます。販売が困難になった動物の終生飼養の確保が明記されました。もしペットショップなどで売れ残った犬や猫は、譲渡先などを事前に届け出をすることが義務付けられました。
また、保健センターなどの行政は、持ち込まれた犬や猫が、終生飼養の原則に反する場合は「引き取りを拒否できる」と明記されました。
災害時の対応
東日本大震災でのペットの被害を受けて、災害時の条文も盛り込まれました。
具体的には、災害時における動物の適正な飼養および保管に関する施策を、都道府県が策定する動物愛護管理推進計画に記載することが義務付けられました。
飼い主は、前述した終生飼養の観点から、ペットとの同行避難などの準備を日ごろから行いましょう。
動物虐待罪の具体的な事例も例示
エサを与えないなどだけではなく、不衛生な環境で衰弱させたり、重い怪我や病気を治療せずに放置することも虐待罪に当たります。
動物をみだりに殺したり、傷つけたりする行為は殺傷罪となり、懲役2年の刑事罰となります。
罰則は2倍に強化
改正前と改正後で、動物愛護法の違反罰則は2倍に強化されました。
これにより、これまで警察が取り合ってくれなかったような事案も、罪が重くなることで取り締まりやすくなったといいます。
例えば、愛護動物の虐待や遺棄が、改正前は50万円以下の罰金だったのが、改正後は100万円以下の罰金に。愛護動物の殺傷は、改正前は1年以下の懲役または100万円以下の罰金だったのが、改正後は2年以下の懲役または200万円以下の罰金になりました。
動物愛護法:今後の課題
平成24年に動物愛護法が改正された際に、重要事項でありながら立法化に至らなかったいくつかの事案が付帯決議とされました。
- マイクロチップ装着を促進するための規格やデータベースの統一化
- 動物実験の扱い
- ペットの埋葬業者に関する規制
- 野良猫や地域猫の対応
動物愛護法は、社会状況の変化に沿って5年おきに改正されることが決められています。次の改正は来年度です。
まとめ
動物愛護法の精神は、動物を大切にするということだそう。
わんちゃんホンポの記事をお読みの方たちには、動物愛護法で定められている決まりはどれも当たり前のことかもしれません。
日本は動物愛護の点では後進国と言われていますが、社会の変化とともに少しずつペットにまつわる法律が充実してきており、さらなる発展に期待したいところです。
ちょうど今時期次の改正に向けてスタートを切る頃ではないでしょうか。来年度が次の改正予定です。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 ちーちゃん
実は、家の側(2.5km)のの所へ(住民に説明がないうちに)石炭火力発電所が建設されてしまいました。(国内では、45基の新規の石炭火力発電所建設計画が持ち上がっております)
環境や健康被害が危ぶまれるため住民が反対しているのですが、人の被害は勿論ながら、私はペット
のことが心配です。
事業者は「自治体との公害防止協定値を守るので人は勿論、野生動物やペットにも影響は無い。」と言い切るのですが、条例で環境アセスの対象外(11.25万kw以上でアセスが必要なところ、11.2万kwで建設)のため自主アセスも拒否しております。
協定値は窒素酸化物並びに硫黄酸化物は100ppm、ばいじんは50mg/㎥Nです。その他PM2.5や水銀なども放出されます。
犬は皮膚病やアレルギーに罹患するケースが多くなっていると、ペット保険の会社の情報で知りました。今は14歳以下の子供の数よりペットの数の方が多いそうです。ペットはもはや家族の一員です。
犬を初め、様々なペット達が人と同じ基準の環境基準値で本当に大丈夫なのでしょうか。水銀に汚染されたマグロの話もあります。
石炭火力発電所は海中だけではなく、大気中にも水銀を放出します。どこに確認したら動物達の環境影響の状況を教えて頂けるのか分からず、困っております。
今現在、工場の公害によるペット被害に関する議論は聞かれませんが、(石炭火発建設問題を考える会の)勉強会に参加したところ、人間の呼吸器やアレルギーの専門医達のお話も伺い、PM2.5に健康被害で人も犬も肺がんや気管支喘息等死亡率増加は勿論のこと生殖器への影響(精子減・異常・低体重・奇形児出産)、脳神経細胞の減少(アルツハイマー病・パーキンソン病態発現)が報告されているとの事でした。
特に犬は散歩の際に、人より地面に近い位置にいるため、水銀などの影響も受けやすいそうです。
法施工にはまだまだ至らない(というか、飼い主もこの様な意識は持っていない)のですが、法を動かすのも世論の力だとおっしゃっていました。
ペットを守るためにも、「石炭火力発電所建設に反対」の声をあげて頂きたいと思います。