犬と人とでは『行動に対する意味の受け取り方』が違う?
考えかたや認識の違いから、自分のふとした行動が相手に誤解されてしまった。逆に自分が勘違いしてしまった。
「そんなつもりじゃなかったのに……」
こうした経験は誰にでも一度や二度はありますよね。
同じ人間同士でだってそうなんです。ましてや犬と人ならば行動に対する意味のとらえ方も違って当然です。
ここでは、ある行動をされたときにどういう気持ちになるのか、どのような解釈をするのかを、人と犬のケースに分けて見ていきたいと思います。
1.目をジッと見つめる
人の場合
- 私の顔に何か付いているのかな?
- 自分に興味を持ってくれている
- 恥ずかしい……私のことが好きなのかしら?
にらむわけでもなく目を見つめられた場合、人は嫌悪感よりもどちらかと言えば好意的な意味合いに受け取ることが多いのではないでしょうか。(もちろんその時の状況や、相手にもよるとは思いますが)
就職活動の面接などでも「私はあなたの話をちゃんと聞いていますよ、やる気がありますよ」というアピールのために、面接官の目をしっかりと見ながら相づちを打ちましょう、などと指導されますよね。
人同士のコミュニケーション上、相手の顔や目を見つめることはその人への興味、関心を示しているといえます。
犬の場合
- 敵意を感じる!
- ケンカなら受けて立つぞ!
犬は人と真逆で、目を見つめ続けることは威嚇の意味をもちます。これは犬に限らず、様々な動物でも同じですよね。
不用意に犬の目をじーっと見つめることは、「敵意があるな」と思われ、ケンカに発展することもあるので要注意です。
ただしこれは、人と犬、犬と犬とがあまり親しくない間柄だった場合のお話。飼い主と愛犬など、しっかりと信頼関係を築いたうえでのアイコンタクトは非常に大切です。日々のコミュニケーションやしつけにも効果的ですし、見つめ合うとオキシトシンという愛情ホルモンが分泌されるという研究結果も報告されています。
2.目をそらす
人の場合
- やましいことでもあるのかな?
- 気まずいな。何か怒ってるの?
- 照れてる?
目をそらすという行動は、人の場合はあまり良い意味には解釈されないですよね。なぜ目をそらされたのかの理由もわからないことが多いので、いったいどうしたんだろう?と不安にもなります。
犬の場合
- 攻撃の意思はないんだな
- 自分の負けを認めたな?よし、ケンカは止めておこう
犬は「敵意はないですよ」「あなたには負けました」という意味で、相手から目をそらします。こうすることによりお互いに落ち着きを取り戻し、相手とのケンカを避けることができます。
3.まばたきをする
人の場合
- 緊張してるな
- 何か隠し事してる?
ウソをつくときにまばたきの回数が増える人、いますよね。人は精神的に緊張していたり、居心地の悪さを感じると頻繁にまばたきをするようになります。
犬の場合
- 敵意はないんだな。まぁ、仲良くやろうか
目をそらす行動とほぼ同じですが、犬は相手と争うつもりがないことを示すためにまばたきをします。「あなたとケンカする気はありませんよ。お互い落ち着きましょうよ」といった感じでしょうか。
愛犬が緊張しているなと思ったら、飼い主さんがまばたきをして愛犬をリラックスさせてあげることができます。
4.背中を向ける
人の場合
- いじけてるのかな?それとも怒ってる?
- 私、嫌われてる?
人同士では、背中を向けることは怒りや拒絶といったマイナスな感情を表すことが多いでしょう。
犬の場合
- 構ってくれない……少し冷静になろう
例えば遊んでいる最中、愛犬のテンションが高くなり過ぎたとき。おやつちょうだい!散歩に行こう!としつこく催促してくるとき。なだめても、ワンちゃんがなかなか落ち着いてくれないことってありますよね。そんなときにはクルッと背中を向けてしまいましょう。愛犬の気持ちをクールダウンさせることができますよ。
5.あくびをする
人の場合
- 眠いのかな?
- 失礼な人だな
- 退屈なのかな?
人間社会では人前であくびをすることはマナー違反ですよね。眠くて眠くて我慢できないときもありますが、やはりあまり良い印象は持たれないでしょう。
犬の場合
- なんだか安心するなぁ
- 落ち着くなぁ
犬があくびをするのは眠いときだけではありません。不安や緊張を解きほぐそうとしたり、自分を落ち着かせたいときにもあくびをすることがあります。
これは相手に対しても有効です。愛犬を安心させてあげたいとき、飼い主さんがあくびをして見せると効果的です。
6.軽く体をぶつける
人の場合
- 何するの?失礼しちゃう!
- もう、ふざけないで!
これも相手との関係性によるとは思われますが、わざと人にぶつかるという行いはあまり褒められたことではありません。子供がやったら、親や先生に注意されてしまいますよね。
犬の場合
- 遊びたいんだね?よし、一緒に遊ぼう!
人同士では失礼な行動も、犬同士では「遊ぼうよ!」という楽しい誘いの合図になります。ワンちゃんが飼い主さんにトンと軽めに体をぶつけてきては離れ……を繰り返す時は、「遊んでよ」とおねだりしているのかも。
余談ですが、もう1つの有名な「遊ぼう」のポーズに、プレイングバウがあります。頭を下げお尻を高く上げた、伸びをしているような恰好です。
人から犬を遊びに誘うときにもこれらの方法は有効です。筆者はたまに愛犬を遊びに誘うとき、自分の肩を軽く愛犬にぶつけてからプレイングバウをすることがあります。けっこうノッてきてくれますよ。ただし、犬のテンションが上がりすぎて困ってしまうこともあるので、加減をしながら試してみてください。
まとめ
こうしてまとめてみると、人と犬とでは行動に対する解釈が正反対なケースが多いことに気付きます。どんな間柄にでも言えることですが、良好な関係を築くためには相手をよく知り理解し合う努力が大切ですよね。
人と犬との場合は、飼い主である私たちがリードし、ときには合わせてあげることも必要なのかなと感じます。
「そんなつもりじゃなかったのに」という切ないすれ違いがひとつでも減って、飼い主さんとワンちゃんの絆がさらに深まりますように!
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女性 おでん