コマンドとは?
まずはじめに、コマンドは『犬に指示をする言葉』です。「オテ」「オスワリ」など基本的なコマンドから「ウエイト」「ヒール(左につけ)」など盲導犬たちがお仕事の時に使うものまで、それは多岐に渡ります。
さて、犬はコマンドを理解して行動することができるとても賢い動物ですが、飼い主がコマンドを正しく使用できていないと犬は困ってしまいます。特に次のような場合は、コマンドを変えたほうが良いケースにあてはまりますので、チェックしてみましょう。
こんな時は指示する言葉を変えよう!
コマンド自体に悪いイメージがついてしまった時(コマンドに従ったら嫌なことが起きた、など)
犬はコマンドに良いイメージがつくと、コマンドによって決まった行動できるようになります。しかし、逆にコマンドに悪いイメージがつくと、そのコマンドが嫌いになり行動できなくなる場合があります。
具体的にどういうことかというと、例えば「オイデ」と呼ばれたあとにいつも怒られる、嫌いな爪切りをされるなど「オイデ」という言葉とその後に起こる嫌な動作が結びついてしまっている場合です。
そうなると、飼い主が一緒に遊ぼうとするときなど楽しいことをするために犬を呼ぶために発する「オイデ」にも犬にとっては嫌なイメージがついているので、「オイデ」というコマンドに従わなくなってしまうかもしれないのです。
このような場合は、思い切ってコマンドの言葉を変えましょう。動作自体は犬は覚えているので、新しい言葉と動作のイメージを結びつけて教えてあげましょう。
コマンドによって「楽しいことが起こる!」とイメージ付けてあげることが成功のポイントです。新しいコマンドを発しながら動作を誘導し、成功すればオヤツをあげたり、たっぷり褒めてあげましょう。
コマンドの意味が犬の中で変わってしまった時
こちらのケースは、1つのコマンドが複数の意味を持ってしまった場合です。
具体的には、家族の中でお父さんは「オイデ」と犬を呼んだあとに自分の前に座らせます。一方、お母さんは「オイデ」と犬を呼んだあとに膝の上に載せます。これは犬を呼ぶ人によって動作のゴールが違うので、犬にとっては一体どの動作をすればよいのか混乱してしまう場合があります。
そうしているうちに犬にとって「オイデ」の意味が変わっていってしまうかもしれません。
この場合、大まかに見れば“こっちへ来る”というこは出来ているのでそんなに気にしなくても良いかもしれませんが、 犬の競技会に出る場合やきちんと指示を出したいときには、「オイデ」を止めて新しいコマンドとして「コイ」や「カム」などに変更するのがよいでしょう。
指示の言葉を変えたら全員が同じ言葉を使うこと
指示を統一しないと犬が混乱してしまう!
せっかくコマンドを変更して、愛犬も覚えくれたけれど、家族が複数人いて人によって違うコマンドを出しているとします。これではせっかくコマンドを変更しても意味がありません!余計にワンちゃんが混乱してしまうことになります。
- こっちへ来て人の前に座ること=「カム」
- 伏せをして待つこと=「マテ」
など、具体的にほかの人と共有できるようにしましょう。新しいコマンドに変える時には、家族や一緒に住んでいる方とよく話し合って具体的に表にまとめてみたりして、みんなでコマンドを統一できるようにしましょう。
まとめ
犬を困らせないこと!
ワンちゃんは言葉の意味が分かりません。コマンドとして発せられる言葉の音や雰囲気で理解しています。人間にとってはほとんど同じ意味の言葉でも、犬にとっては言葉が違うと何をすればよいのか混乱してしまいます。
常に的確に同じコマンドを出して、飼い主さんが良きリーダーとなりワンちゃんに信頼されるために、わたしたちが工夫していきましょう!
お互いに信頼し合える幸せなワンちゃんと飼い主さんが増えますように。