犬は善悪の判断はつかないが認知度は高い
犬は人間が考えている悪い事を躊躇なくします。
それは【無駄吠え】【噛付き】【引っ張り】【物を齧る】の様な問題行動です。
犬は自分のしている事に対して『善悪の判断がつかない』と、現在の科学的知見からはその様に言われています。
ですからどんなに悪い事をしても、それは悪気など全くありません。
だから次から次へと悪い事をしてしまうのです。
しかしこれらの悪い事は認知度が高くなければ出来ない仕業です。悪い事を連発する愛犬を見て腹が立つ事もあるでしょう。でも厳しく叱ったり、愛犬への愛情を失ってはいけません。コミュニケーションを図りながら愛情を注いで躾けて行けば、必ず悪い事などしなくなります。
焦らずゆくりと、『成犬になるまでに直れば良い』くらいの感覚で躾けて行きましょう。
犬は悪い事を直ぐ覚える傾向がある
初めて家に迎えたワンコに躾として教えている【マテ】や【ヨシ】はなかなか覚えてくれないのに、人間が悪いと思っている事は直ぐに覚えてしまいます。
どうしてなのでしょう?
それは犬の学習の仕方にあります。犬は受け身の学習より【自己学習】の方が得意なのです。
人間は自己学習にしろ受け身の学習にしろ、どちらを優先させなければいけないのか瞬時に判断できますが、犬はその判断が出来ません。
自己学習は非常に学習効率が良いため、犬は本能的に自己学習を優先させます。そのため、犬は人間が『悪いと思っている事を直ぐ覚える』と言う傾向があるのです。ですので人間が躾と言う受け身の学習をさせてあげなければなりません。
何が原因で悪い事や悪戯をするの?
冒頭で申し上げた人間が考える悪い事、つまり問題行動ですが、犬は問題行動を起こしても、全く悪気などありません。しかしそこには何らかの意味が隠されています。
それにはどんな意味があるのか考えてみましょう。
無駄吠え
要求,欲求不満,分離不安,恐怖,縄張り意識,何処かが痛い,認知症などが考えられます。獣医師さんやブリーダーさん、または愛犬を購入したペットショップに相談し、原因を把握して躾を行いましょう。
噛み付き
コミュニケーション不足による主従関係の逆転か精神的な病気が考えられます。コミュニケーション不足が原因だとしたら躾で直りますが、噛み付き癖が直らない場合はストレス等の精神的疾患が考えられますので、その場合は獣医師さんに相談しましょう。
引っ張り
行きたい方向に引っ張ってみると、リードを持つ人がそちらの方角に一緒について来てくれるからです。犬は人間がリードを引っ張る方向と、踏ん張る様に逆の方向に引っ張って行きます。リーダーウォークをマスターすれば問題解決です。
リーダーウォーク訓練動画はこちら↓
物を齧る
齧る行為は犬の本能です。また、好奇心と歯の生え変わる時期に歯茎に痒みを感じるからだとも言われています。ゆっくり躾けて行けば、殆どのワンちゃんが成犬になれば齧り癖は直ります。
悪い事や悪戯を止めさせるにはどうすれば良いか
インターネットやハウツー本などに色々な叱り方が書いてありますが、一番効果があるのが【無視】する事です。犬は大好きな飼い主さんから無視されるのが一番辛いのです。一言【ダメ】や【イケナイ】と低い声を発して、後は無視すれば良いのです。
叱る為に騒いだりすると、構って貰えたと思って、犬は一層悪さをするケースが多い様です。ですので悪さをしたらダメやイケナイと言って後は無視。これの繰り返しです。
この方法は効果がありますが、愛犬も飼い主さんも同時に辛い思いをする事になります。愛犬に対して無視するのは想像以上に辛いものです。しかし愛犬の為だと思い、心を鬼にして躾けて行きましょう。
もう一つは【間接的天罰方式】です。
悪い事をした時に、飼い主さんが直接罰を与えるのではなく、間接的に天罰が下った様にするのです。
例えば物を齧る場合、犬が嫌う味の苦味液,唐辛子液,希釈酢酸液などを対象物に塗っておきます。
また犬は大きな音や奇音を嫌いますので、悪い事をしたら掃除機をかけて驚かすのも効果があります。
つまり、何かをしたら『嫌な事がある』と犬に学習させましょう。
まとめ
私の愛犬は成犬になるまで悪さをしました。特に生後6ヶ月くらいが一番酷かったです。
洋服ダンス齧り,テーブルの脚齧り,座布団破り,トイレシーツ破り,スリッパ破り,座卓テーブルの上に飛び乗って台上を荒らす、等々です。
愛犬はブリーダーさんがトイレの躾けをしてくれていましたので、自宅に来た時は既にトイレで排泄出来る様になっていました。ですのでケージに入れていたのは家に来て7日間だけでした。
だからここまで悪さや悪戯をしたのでしょう。
スキッパーキと言う犬種は、非常に好奇心が旺盛な犬種ですので、自分の視界に入ったものは何でも齧りたくなってしまう様です。
犬は大きな音や奇音が苦手ですので、最初は大きな声を出して叱っていたのですが、それがトラウマとなり、私が叱ると震える様になってしまいました。「これでは信頼関係が築けない・・・」と思い、間接的な天罰方式に変えました。
その方法は、アラート音が鳴らせる携帯用ラジオから音を鳴らせる事です。
これは結構効果がありましたよ!
悪戯していてもアラート音を鳴らすと直ぐに止めてしまいました。
悪い事や悪戯をしても腹を立ててはいけません。
叱る時は【鶴の一声】で後は無視。そして間接的に天罰を与える方法を上手く組み合わせて躾け行けば、必ず良い結果に結び付くはずです。
大事なのは愛犬の気持ちを思いやりながら躾けて行く事です。
そうすれば気持ちが通じて深い絆と信頼関係が築けて、あなたの愛犬は最高の伴侶犬となるでしょう。