犬の攻撃行動とは何?
犬の攻撃行動といえば吠える、唸る、咬むなど、飼い主としては少し困った行動を思いつくでしょう。
犬の攻撃行動と言っても色々と種類があるようです。
ではその攻撃行動の種類について見てみましょう。
攻撃行動の種類
- 縄張り
荷物の配達や電気、水道の検針など宅地内に人が入ったり、物音がすると吠える、威嚇する。
これは縄張りを守るための攻撃行動です。
- メスの奪い合い
オス同士が繁殖期になるとメスを奪い合おうとして犬同士で攻撃する。
- 犬同士の序列
犬同士が群れで社会的序列の為に吠えたり、唸ったり互いに攻撃する。
これはオス犬が多いようです。
- 母性
母犬が子供を守ろうとすると、唸り、時には咬むこともあります。
- 痛み
病気や怪我または、先天的に体に痛みがあると、誰でも触られたくないですよね。
その為に、唸ったり、咬んだりする行動です。
- 防御
飼い主や同居犬を守るための攻撃行動です。
- 食事中、おもちゃ
食事中のエサや遊びで、夢中なおもちゃなどの独占欲が強く出た時の唸る、咬むなどの攻撃です。
- 遊び
人や犬との遊びの最中に、ヒートアップし吠える、唸る、歯をあてるなどの行動です。
- 恐怖性
病院で痛い思いをしたり、虐待や恐怖を伴う罰やトラウマなど、恐怖が限界になった時に見せる攻撃行動です。
- 特発性
簡単に言うと、原因がはっきりしない突発的な攻撃行動の全般を呼びます。
てんかんや脳の疾患、または薬が原因で引き起こされる事もあるようです。
ひとつひとつを見ても、決して特別なことではなくて、日常でみかけることもありますよね。
ですが、それらを放置しておくと、確かに良いはずはありません。
そして、様々な原因が複数絡まって攻撃行動を起こしている事が多く、その数が多ければ多いほど改善が難しくなるようです。
攻撃行動を長期期間、見逃すと改善が難しい⁈
様々なことが起きる犬の攻撃行動ですが、実はこの攻撃行動に対して、特に何も対処せず放置した期間が長ければ長いほど、改善が難しいと言われています。
愛犬がなぜ攻撃行動をとるようになったのか、どういう環境がそうさせるのか。
まずは、その犬の生まれ育った環境や、その放置期間をもとに、攻撃行動の原因を探ってみましょう。
攻撃行動を誘発する環境
そもそも犬は産まれた時から群れの中で暮らし、他の犬達から社会性を学ぶ事ができる、とても学習能力の高い動物です。
子犬が産まれてすぐに、メス犬もしくはオス犬だけで過ごしたり、母犬から離されたり、ケージの中だけで過ごしたり、さらには人や犬、そして車や物音など、社会性を身につけるべき時期にそういったものから隔離されることが犬の性格に影響を及ぼします。
そしてその期間が長ければ長いほど、その影響は強いといわれています。
まさにこの社会性の不足が、先ほど述べた攻撃行動を起こすひとつの原因にもなっています。
さらに、犬が可愛いゆえに人と同じ扱いで育てたり、長期にわたり適切なしつけがないまま過ごしてしまうと、攻撃行動を治すのはさらに難しくなってきます。
なぜ攻撃行動を放置しておくと改善しにくいの?
犬は人間と違って、脳の構造上、何時間も注意された事などを覚えておく事が得意ではありません。
しかし、習慣による行動は繰り返す事で、身につける事はできます。
少し時間は掛かっても、攻撃行動をその場その場で注意し、『できたら褒める』を記憶として残すしかありません。これは正の学習ですね。
反対に、注意せず放置し続ければ、攻撃行動そのものが良しとして学習する事になります。
それが長期となれば犬もなぜ悪いのかわからず混乱し、しつけの度に牙を向くようになり、改善が難しくなります。まさしく、負の学習です。
そして大事なのは、『できたら褒める』事。
この褒めるしつけが脳を心地よくさせ、また心地よくなりたいから良い事を繰り返すようになるのです。
そんな褒めるしつけが、攻撃行動を改善させる近道ではないでしょうか。
育った環境やそのしつけが影響するって、犬も人も同じ⁈
確かに、犬と一緒に暮らすには、育てる環境としつけが、その犬の社会性を身に付けさせるのに、大切な事だとわかります。
その環境としつけが小さな頃からいい加減で、自分本位でよく理解もせずに長い間放っておけば、人だって犬だってみな問題行動になるのは、何だか当たり前のように見えてきませんか?
人の場合も、生まれ育った環境がその後の性格に影響し、自らの性格を変えていくのは余程の意志の強さがないと難しいです。
なかなか人の性格や本質って変えられませんよね。
これって、人も犬も同じだと思いませんか?
攻撃行動を取る犬達に私達がすべきこと
そこで、犬は学習能力が高く、習慣性を好む動物である事を上手く利用し、家族や周囲が一貫性のあるしつけの徹底と、愛情のある接し方、そして共に助け合える環境作りがとても大切であるのがわかります。
また、攻撃行動をとる犬の中には闘犬のような遺伝的に操作され、もともと持って産まれてきた犬達もいます。
闘犬が良いか否かはここでは述べませんが、これらの犬だってもともとは群れを成し、生きていた動物です。
攻撃行動の部分を特化させ、人間の手によって操作されている以上、最終的には人がどんな苦しい思いをしようと、その犬の最後まで責任を持って飼わなくてはならず、決して自分勝手に生きている訳ではない事を考えて欲しいです。
愛犬家であれば、犬が望んで闘犬になりたくて産まれたのではなく、人間の手によって産まれた責任を重く感じて欲しいです。
最後に
今、攻撃行動で悩むワンコとその飼い主さん。
ワンコは攻撃行動をする事を人間同様、どうして僕は...。と悩んでいるはずです。
人が人と出会う確率より、ワンコと出会う確率の方が遥かに少ないですよね。
そんな素敵な出会いを大切に、そして、のんびり幸せなワンコライフが、早く迎えられるよう、あなたが悩めるワンコを笑顔にする救世主になって下さいね。