犬の社会化の重要性
犬にとって、社会化は人と共に生きていく上でとても大切なことです。
犬は生まれてから数週間程で性格や精神面などが決定されると言われていますが、この数週間が犬の社会化期とも呼ばれ、社会に慣れるための重要な期間なのです。
社会化が不足している犬に多い特徴として、
- 他の犬が苦手
- 家族以外の人が苦手
- 特定の音や物を怖がったり、警戒したりする
- 体の一部を触ると嫌がる
- 歯磨きやブラッシングなどのケアが出来ない
- 吠えたり、震えたりしてお出掛けが出来ない
などの日常的なことへの不安や恐怖が強く表れるような行動を起こしやすいと言われています。
子犬時代の社会化期を有効に使い学んだ子犬は成犬になっても問題行動が出にくいと言われていますが、犬の社会化は子犬時代だけでなくずっと必要な学習です。
特に「犬対犬」「犬対人」の社会化は関わりが深いため重要視されています。
そして、社会化を学ぶ上で必要なことはバランス良く学んでいくということです。
このバランスとは一体何のことを言うのでしょうか。
犬同士の社会化を重視しすぎると…
「犬対犬」つまり犬同士の社会化を重視しすぎてしまうと、人とのコミュニケーションが不足してしまい、しつけをすることが難しくなってしまうことがあります。
この場合人へ興味を持たなくなってしまうので、呼んでも来ずに犬同士でずっと遊んでいたり、犬を見ると異常に興奮してしまったりなどの行動をとります。
原因
犬同士の社会化を重視しすぎる原因として、
- 親犬や兄弟犬と長く過ごしている
- 飼い主さんよりも犬同士で遊ぶことの方が多い
などが考えられます。
親犬とずっと暮らし、人の手がほとんどかからない生活をしている子犬は人への関心がなく、犬とのコミュニケーションがよくとれる犬になります。
さらに、飼い主さんとのコミュニケーションのとれていない犬を別の犬とよく遊ばせてしまうと、飼い主さんよりも犬の方に興味がわくようになってしまいます。
人への社会化トレーニング
様々なタイプの人に直接手から食べ物を与えてもらうことが最も効果的と言われています。
犬の散歩をしている人を見かけたら積極的に挨拶をし、おやつを与えてもらうようにお願いするとお互いの犬とのコミュニケーションもとれますし、人との社会化にもつながります。
しかし安易に近づくことはせず、相手の犬の状態を見て近づいても問題ないか判断しましょう。
人との社会化を重視しすぎると…
次に「犬対人」つまり他の犬との社会化よりも人との社会化を重視しすぎてしまうと、成犬になってから問題行動が起こりやすいと言われています。
親犬と早く離しすぎると犬同士の遊び方を知らずにすぐケンカになってしまう、甘噛みの力加減がわからないなどの問題が起きやすくなります。
犬への社会化トレーニング
まだ子犬の場合は2回目のワクチンが終わったらパピーパーティーやパピークラスなどに参加して、同世代の子犬同士で遊ばせる機会を作ることが大切です。
獣医さんからの許可がおりたらお散歩で色々な場所へ連れて行き、大人の犬と挨拶させるなど様々なタイプの犬と接するようにしましょう。
もちろん無理に近づけることはせず、怖い思いをさせないようにマイペースに接していってあげてください。
もちろん、子犬でなくても成犬からでも社会化トレーニングはできます。
保護犬が新しい家族のもとで幸せに暮らしているのは、その犬が新しい環境に慣れ、新しい飼い主さんに慣れ、自分のペースで色々なことを受け入れていくからです。
その馴染んでいく過程こそ社会化トレーニングなので、何歳からでも社会的な学習はできるのです。
犬の社会化はバランスが大切
子犬は犬同士の社会化を学んだら、親兄弟の元を離れて人との社会化を学んでいく必要があります。
人とのコミュニケーションと犬同士での遊びをバランス良く行い、より良い家庭犬として成長させていくことが犬にとっても飼い主にとっても大事なことです。
さらに、家庭犬なので犬よりも人への興味が強い方が人と生活しやすい犬へと育つと言われています。
どちらかに重きを置くのではなく、犬とも人ともバランス良く付き合っていけるように学習させていってあげてください。
成犬になってからでも遅くはないので、何かしらの問題行動がある場合は社会化不足ということも1つの原因として考えてみましょう。
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女性 たまご