初心を忘れずに育てる
”初心忘るべからず”と言うことわざがありますが、何をするにしてもこのことわざの如く遂行して行けば物事は上手く行くでしょう。
ワンちゃんを家族に迎え入れる時、きっと誰もが最後まで一緒にいたいと考えて迎え入れているはずです。
つまり、犬と生活する上での初心とは、『命の尊さを強く意識しながら、深い愛情で最期まで育てる』という使命感を持つ事です。
皆様のおうちのワンちゃんの中には、良い子に育ったワンちゃんや、またそうでないワンちゃんもいるでしょう。
ですが、どんなワンちゃんに育ったにせよ、愛犬が天寿を全うするまでオーナーの為すべき事は幾らでもあります。
そして初心を忘れてしまうと、その為すべき事を見失う可能性が大いにあるのです。
もし、この『飼い主として為すべき事』を見失うと、愛犬が『お星様』になった時に『後悔と自責の念』に駆られ、それが原因で極度の『ペットロス症候群』で悩む事になり兼ねません。
そうならない様に『初心を忘れずに育てる』事が肝要ではないでしょうか。
愛犬を家に迎える前に考える事
愛犬を家に迎える前に考えなければならない事があります。
それは、ある事を心に誓う事なのですが、それが何なのかを説明する前に、少し「犬を飼う」ということについての私の考えをお話しさせて頂きます。
私は、「犬を飼う」という言葉を使うのが嫌いです。
でも、この言葉を使わないと文章の意味がわかりにくい場合には止むを得ず使いますが、できる事なら使いたくない言葉です。
"飼う"の意味は『食べ物を与えて動物を養い育てる事』。
確かにその通りなのですが、しかしこの言葉には『愛』が見えません。
このままの意味だと、ただ餌を与えて生かしている様に感じるから、私はこの言葉が嫌いなのです。
犬は"飼う"ではなく、『(自分の子供のように)育てる』という気持ちで育てて行くのです。
そして、『何があっても最後まで一緒に暮らす』と固く心に誓い、もしその様な気持ちにならなければ、犬と共に生活するのは諦めるべきだと思います。
そうでないと、そのお家に迎えられた犬は幸せになれません。
きっと、こちらのサイトにお集りの皆様は同じ様にお考えだと思います。
それからもう一つ考えて戴きたいのは保護犬の救済です。
犬が好きならば、捨てられた犬の命を救うという概念を常に持つ事が大切です。
私達一般人が出来る救済といったら、保護犬の里親になる事くらいしかありません。
体に同じ真っ赤な血が流れている仲間であり、昔から人間が大好きな犬達を『自分の行動で救う』という気持ちになって下さい。
愛犬と生活する前の私は、あまり深く考えずにいたものですから、保護犬の実態も知らずに愛犬を迎える事になりました。
現在は愛犬と2人で生活していますが、もう少し勉強していたのなら2頭の愛犬(保護犬も含む)と暮らすという様に、現状と違った生活もあったかも知れません。
あなたがもし犬との生活をお考えでしたら、保護犬の単独飼育か希望犬種との多頭飼育を検討してみて下さい。
そうすることで、殺処分の対象になる犬を少しでも減らす事に貢献できます。
犬と生活する上で、命の尊さを改めて感じる事が大切です。
命の尊さには人間も犬も変わりありません。
常に命の尊さを噛みしめながら、愛犬に思いやりを持って接して行けば最高の育て方が出来るのではないでしょうか。
愛犬の成長過程とオーナーが為すべき事
愛犬を迎えるのは生後40~60日が一般的です。
ここでは生後40日に愛犬が来たと言う設定で、愛犬が成犬になるまでの成長過程とオーナーの為すべき事をおさらいします。
生後40~60日(1.5~2ヶ月)
愛犬
- この時期から母犬から授かった免疫力が弱まり始める。
オーナー
- 排尿や排便を決められた場所で出来る様にトレーニングする。
- 抱っこして散歩に連れ出し、景色や散歩コースなどを見せる。
- 人間に慣れさせるために、時には近所の人からフードを与えて貰ったりする。
- 人に慣れる目的で色々な人に会わせる。
- 騒音恐怖症を防ぐため色々な音に慣れさせる。
- コミュニケーションを沢山とる(体に触れる,アイコンタクト,愛犬の名前を呼ぶ)
- ケージ,クレート,バリケン等に入れる様に【ハウス】のコマンドを教える。
生後60~120日(2~4ヶ月)
愛犬
- 乳歯の発育が止まる。
- 本格的な社会化期に突入する。
- 甘噛みが始まる。
オーナー
- バビー教室に参加して社会化教育する。
- 2回目、3回目のワクチン接種(1回目のワクチン接種は生後45日齢ぐらいで終わってい
る)させ、2年目以降は1年間に1回接種させる。
- 2回目のワクチン接種が終了したら、接種日3日以降自宅でのシャンプーが解禁となる。
- リードを繋いで本格的散歩を開始する。
- 甘噛みが始まったら人間を本気で噛まない様に躾ける。
- 散歩をさせながらリーダーウオークを教える。
- 生後91日以降のなるべく早い日に狂犬病ワクチンを接種させる。
- 市役所にて畜犬登録をする
生後4ヶ月
愛犬
- 警戒心が芽生えて来る。
- 乳歯が抜け出して永久歯が生え始める。
オーナー
- 愛犬とコミュニケーションを図って信頼関係を築いて行く。
- 家具などをカジったり物を破壊する場合があるので、その場合はしっかり躾ける。
生後5ヶ月
愛犬
もし去勢,避妊手術を受けるならこの時期が良いと言われている。
オーナー
去勢,避妊手術に関しては賛否両論です。
メリット,デメリットを考えてどうするのか決断する。
生後6~7ヶ月
愛犬
- 仔犬の被毛から成犬の毛に生え変わり始める
- すべて永久歯に生え揃う
オーナー
- ブラッシングやシャンプーなどのグルーミングをしながら信頼関係を深める
生後8~10ヶ月
愛犬
- オスは生殖機能が備わり、メスはヒートによる出血が認められる様になる。
- 小型犬は成犬の大きさに成長する(大型犬は約1年で成犬になる)
オーナー
メス犬のヒート中の散歩は、周りにス犬が集まる場合がありますので、十分注意しながら散歩させる。
生後11~12ヶ月
愛犬
- 成犬になるとオスはテリトリー意識が強くなり、攻撃的な側面が表面化するケースもある。
オーナー
- 幼犬時代はある程度肥っていても問題ないが、成犬になったら肥らせない様にする。
(肥満犬になると人間同様、生活習慣病に掛かるリスクが増える)
- 成犬用フードに切り替える。
まとめ
ここまでザックリと犬の成長とオーナーの為すべき事を述べて来ました。
如何でしたか?
現在愛犬とお住まいの方は、当時の事を思い出していただけたのではないでしょうか?
また、これから犬と生活しようとお思いの方の参考になれば幸いです。
このように、当時の事をおさらいして思い出す事で、愛犬に対しこれから為すべき事が見えて来るはずです。
これは私の考えですが、少しでも愛犬が長生きしてくれる様に健康管理をしてあげる事だと思います。
そのためには勉強も必要ですよね。
勉強をしながら愛犬家レベルをアップさせる事が、愛犬の幸せに繋がって行くのだと考えています。
そして信頼関係と絆を更に深めて行く事。私は、信頼関係と絆には限度は無いと思っています。
信頼関係と絆が深く成れば成る程、愛犬とオーナーである自分の心は幸せと充実感に満ち溢れ、それは愛犬と自分だけの『楽園』へと誘われる気分になります。
その様にして、愛犬との生活を精一杯楽しんで行けば良いのではないでしょうか。