ごはんよりも飼い主さんが大好き!
アメリカの学者グレゴリー・バーンズ氏は雑誌「Social, Cognitive and Affective Neuroscience.」に、犬と飼い主の関係に関する論文を発表しました。
それは『犬は食べ物と飼い主のどちらを優先するのか』というもので、13匹の犬で検証を行ったところ、13匹中11匹の犬が、食べ物よりも飼い主を選んだという結果が出たそうです。
さらにバーンズ氏は論文の中で、「犬は食べ物より飼い主を優先する」、あるいは少なくとも、「犬は飼い主と食べ物を同等」に見ていると述べました。
同氏は、残りの2匹について「正真正銘の食いしん坊だったのでしょう」とユニークなコメントをしています。バーンズ氏自身も相当の犬好きなのでしょうね。
飼い主が優先!のしつけ
愛犬に対して、「やっぱり私の(飼い主)のことを一番に考えてくれているんだ!」と、喜びで叫んでしまうような内容の論文ですね。
この論文だけでなく、私たちも普段の愛犬との生活の中で「食べ物より飼い主を優先している」という事を体験していませんか?
それは、「マテ」のしつけ。
ジッと飼い主を見つめ、「ヨシ」が来るタイミングを待っている姿は、まさしく食べ物より飼い主を優先、あるいは食べ物と同じくらい、彼らの生活のなかでなくてはならない存在だと認めてくれているように感じます。
主人との関係が大事
飼い主を大切にしてくれる犬たちの性格。それが飼い主の心を癒してくれるのは周知の事実ですね。
この”飼い主を大切にする”犬たちの性格の奥底には、彼らが群れで生活してきた習慣が関係しているのではないでしょうか。
犬の祖先は狼と言われており、狼は群れで行動していました。
狼の群れは、血縁関係などの身近な関係で形成され、その中で順位をつけて生活を営んでいました。
その血を継ぐ犬たちにとって、主人は自分よりも順位が上の存在で、食べ物を前にしたとき、「自分より地位の高いものが先に食べる」あるいは「地位の高いものの号令を待つ」という掟がしみついていてもおかしくはありません。
まとめ
犬と散歩している時や、飼い主が遊んでくれるのを待っているときに、一心にこちらを見つめる犬たちの眼差しには、バーンズ氏の論文の通り、何よりも飼い主を大切に思う気持ちがあるように思います。
バーンズ氏はこのほかにも、犬の脳の働きをMRIで観察するなど、様々な研究を行っています。
そんな犬の生態についての専門家に期待してしまう研究といえば、「犬と会話する方法」ではないでしょうか。
もし彼らと言葉が通じたら、どれだけ生活が豊かになるか。
言葉の通じない犬たちとの生活の疑問や彼らの“本当の気持ち”が、さらに私たち飼い主に伝わるきっかけになると嬉しいですね。
長い歴史の中でパートナーとしての信頼を築いてきた犬と人間の関係を、さらに一歩近づける研究に期待します。
おまけ ー「マテ」で楽しく遊ぶー
ここで、「マテ」のしつけが苦手、あるいは「マテなんて、かわいそう」と感じてる方へ、マテを意識しない簡単な遊びを1つ、ご紹介します。
まず基本的な「マテ」の姿勢から
飼い主が手におやつなど食べ物を持ち、犬の目の前で手をかざして「マテ」と伝えます。
「マテ」が苦手な犬はここで、必死に飼い主の手の向こう側の食べ物を食べようとしますが、そっと食べ物を犬から離し、再度「マテ」と言葉をかけます。
待つのが苦手な犬には短い時間で「ヨシ」と声をかけ、食べ物を与えます。
これを繰り返すと、少しずつ「マテ」の時間が伸びても待つことができるようになります。
「マテ」を使った遊び方
最初に「マテ」と指示した後、見せていた食べ物を一度両手で隠したあと、片方の手に移したあと両手とも握ったままの状態で犬の前に差し出します。
飼い主が「どっちだ」と声をかけると、犬はどんな姿をみせるでしょうか。
「犬の鼻の冷たい感触が大好き!」という方は、それを十分に堪能できること、請け合いです。
犬の表情も、「マテ」のときの真剣な表情とかわって、どこかウキウキとした楽しそうなものに変わりますよ。
ぜひ一度、お試しください。