お褒めの言葉よりナデナデ希望!わんちゃんが喜ぶしつけ

お褒めの言葉よりナデナデ希望!わんちゃんが喜ぶしつけ

犬は「褒めてしつける」と言われます。でも”褒め言葉””撫でる””おやつ”など褒める方法もいろいろ。こうした方法のうち犬が喜ぶのは”褒め言葉”よりも”撫でる”。そんな実験結果が報告されました。

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犬を褒めてあげるタイミング

#おすわりしてマテする黒い子犬#

犬のしつけとは、「犬に特定の言葉や動作を覚えさせ、人の指示に従うようにすること」です。解りやすいのは警察犬や盲導犬などのワーキングドッグです。彼らは人の指示・規律に従って行動しますよね。

犬にはいろんな習性があり、しつける時はこうした習性を利用します。

  • 行動した時に「嫌なこと」が起こると、行動の頻度が減る
  • 行動した時に「嬉しいこと」が起こると、行動の頻度が増す
  • 行動した時に「嬉しいこと」が減ると、行動の頻度が減る
  • 行動した時に「嫌なこと」が減ると、行動の頻度が増す

こうした習性から考えると、「いけないことをした時に叱る」という方法でしつけるという方法があります。
ですが、これでは犬にとってマイナスになってしまうことが多いと言われています。

今は「いけないことをした時は無視(叱らない)」「いいことをした時に褒める」という方法でしつけるのがいい、と言われています。

しつける時は、どの行動が無視や褒めるに繋がったのか、犬に理解させなければなりません。
”無視””褒める”のタイミングがとても大切です。

「いいことをしたら、すぐに褒める」
「いけないことをしたら、すぐに無視」

この2つのポイントが重要です。必ず行動の直後に褒めたり、無視したりします。
スワレの指示に従ったら、すぐ褒める。要求吠えを始めたら、すぐ無視する。
”その場ですぐ!”というタイミングを逃さないようにして、言葉と行動を結びつけて覚えさせます。

タイミングを逃してしまうと、「あれ?どうして無視されるの?」「どうして褒められたの?」と犬は混乱し、指示を覚えてもらえません。

犬は言葉よりスキンシップが好き!

#抱っこされて寝ている犬#

犬は人の言葉を理解できません。ただ、嬉しいことと言葉を結びつけて覚えることはできます。

(1)スワレ、と指示する
(2)座る姿勢を取らせる
(3)犬が座る姿勢を取ったら褒める

これを繰り返すことで「スワレ」と言われた時に座ると褒められる(嬉しいことが起こる)と犬は覚えます。
言葉を覚えた犬は「スワレ」の指示に従うようになります。

では、言葉を覚えてもらうまでにどれくらいの訓練が必要でしょうか?できるだけ早く覚えてもらいたいですよね。
これは「嬉しいこと」が「犬にとってどれだけ嬉しいことか」が関係しています。
つまり「めちゃくちゃ嬉しいことが起こるなら、すぐに覚える」ということですね。

褒める方法には、主に”言葉で褒める””撫でる””おやつ”の3つがあります。
犬はおやつが大好きなので、おやつがもちろん一番効果があるご褒美なのですが、与えすぎると肥満の原因にもなってしまいます。。。

”言葉”と”撫でる”ではどちらが効果あり?

フロリダ大学とアリゾナ州立大学の研究者達が「楽しそうな声で褒める」「声をかけずに撫でる」どちらを犬が好むのか、という実験を行いました。

実験には飼い犬とシェルターの犬、飼い主と見ず知らずの人が参加していて、犬がそばに来たときに「楽しそうな声で褒める」「無言でなでる」という2パターンの行動を取りました。

犬や人の組み合わせをいろいろ変えて実験した結果、犬は撫でてくれる人を好む、という結論が出たそうです。飼い主でも知らない人でも、撫でてくれる方がよかったんですね。

犬は人の言葉を理解できません。繰り返し訓練することで「言葉と行動を結びつけて覚えること」ができます。「言葉と嬉しいこと」が結びついていなければ、褒め言葉を与えられても「褒められている」「嬉しいことが起こった」と理解し難いんですね。

それに比べ、撫でられることは「気持ちいいと体で感じられること」ですよね。
実験の犬達も、頭で理解しないといけない言葉より「気持ちいい」と体で感じられることの方がよかったのでしょう。

ナデナデの方が解りやすい。気持ちがいい。言葉よりも犬に伝わりやすい、というでしょうね。
ですから、「しつける時は褒め言葉よりも撫でてあげる方が高い効果が得られる」と考えられます。

撫で方の使い分け

さて、撫でるといってもいろんな撫で方があります。
優しく撫でる、少し強めに撫でる、ポンポンと叩くように撫でる、毛を逆立てめちゃくちゃにするように撫でる。犬が心地良いと感じる撫で方や強く皮膚を刺激されてじっとしていられなくなるような撫で方、さまざまです。

これらはシーンによって使い分けます。
犬の気持ちやテンションをどのようにコントロールするのか、その目的によって撫で方を変えるんですね。

優しく撫でる

これは犬を興奮させない、その場に留まらせておく、気持ちを落ち着かせる時の撫で方です。落ち着きのある声で、ゆっくり声がけしながら毛並に沿って撫でます。

ポンポンと叩くようにして撫でる

これは撫でる、というより合図に近いですね。
「落ち着け」「もうすぐ行くぞ」「準備しろ」こうした合図で使うことができます。
これは撫でるよりも強い力が皮膚に伝わります。不快に感じることもありますし、場所によっては気持ちいい(ツボを強く刺激されるよう)感じることもあります。どんな時にポンポンするか、決めて活用するようにします。

毛を逆立てるように撫でる

この方法は犬のテンションを一気にあげて興奮させ、やる気を爆発的にアップさせる方法です。首元や前足の上部などの毛をワシャワシャと逆撫でしながら高く大きな声を掛けると、大抵の犬は一気に興奮状態になります。

アジリティ競技に参加する犬、麻薬探知犬などでよく行われます。
アジリティ競技は全身を思いっきり動かして走らなければなりません。麻薬犬は麻薬を見付けたら褒めてもらえる犬です。でも、麻薬はそう簡単に見付かりません。褒めてもらえることが少ないと、仕事に対する意欲も低下します。それを防ぐためにダミーで訓練したり、見付けた時にこれでもか! というほどテンションを上げて遊び回り「とても楽しい」という記憶を植え付けます。

まとめ

#ボールを追いかける犬#

実際には、撫でる以外に、声を掛ける、おやつをあげるなど、いろいろ組み合わせてしつけを行います。
規則性を持ち、いつ、どんな時に、どんな方法で褒めるのか。これを決めた上でしつけを行いましょう。

犬はただ、褒められるよりは体で気持ちいいと感じられるナデナデを好む傾向があります。しつける時はもちろん、しっかりスキンシップを図って存分にナデナデし、信頼関係を築くようにしましょう。
人も撫でられると嬉しいですよね。嬉しい経験をたくさん積んでお利口さんに育てましょう。

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