被災地でのわんこたちが置かれた現状
環境省では、ペットとの同伴避難が原則として提示されています。
しかし、実際は同伴避難を拒否する避難所ばかりだったのです。
わんこ受け入れ拒否。残酷な現状
被災した当時、すぐにあちこちの公共施設などが避難所として使われるようになりました。
しかし、その避難所のほとんどはペットの受け入れを拒否したのです。
環境省でいくらペット同伴避難を推奨してても、その受け入れの判断は各自治体に委ねられており、その状況によって決められてしまうと言うとても理不尽なものでした。
また、たとえ受け入れてくれると言っても結局は施設の敷地内だけで、飼い主さんとわんこたちは外で過ごさなければならなかったのです。
夜には追い出される現実
さらに、こんな避難所も報告されています。
日中は避難所の室内で飼い主さんとペットたちが過ごすことができたのですが、身勝手な人の偏見で、夜には追い出されてしまっていたのです。
こんなことってありますか?
とても心ある人のすることじゃないですよね。
止むを得ず車内で過ごす日々
結局、避難所に入ることもできず、行き場所をなくした飼い主さんと多くのわんこたちは車での避難生活を余儀なくされました。
そのお陰で心身の疲労だけでなく、飼い主さんはエコノミークラス症候群、わんこたちは熱中症の危機にさらされていたのです。
地震のショックで迷子犬続出
今まで体験したことのない大きな揺れに驚き、逃げ出して迷子になってしまうわんこが続出しました。
今も毎日情報がTwitterやFacebookであちこちで更新されており、『犬がいなくなりました。見かけたら保護お願いします』や『犬を保護しました』などと言う書き込みが掲載されています。
メンタルケアが必要なわんこも
地震は心身ともにダメージの大きいものですが、それはわんこたちにとっても大きなダメージだったのです。
余震が続いていることで揺れる度におびえ、飼い主さんにしがみついて離れようとしない子や、元気をなくし食欲をなくした子など、人のメンタルケアもなかなか行き届かない被災地では、ペットたちのメンタルケアはもっと行き届いておりません。
今後、ペットケアカウンセラーさんなどの方々が被災地に入ってわんこたちのケアに当たっていただけると良いのですが、まだボランティア活動の制限があり、難しい状況です。
私たちにできる支援
私たちにできる支援は、様々な方法があります。
現地に行かなくても今いる場所から被災地のペットたち、そして、飼い主さんに支援をしてみませんか?
SNSを使って情報を提供しよう
被災地の方でまだまだ情報が掴めておらず、困っている飼い主さんとわんこたちがたくさんいます。
このようなときに、どこで物資がもらえるのか、どこに行けば雨風や寒さ、暑さを凌げるペット同伴可の避難所があるのかを調べて、SNSにあげることも支援のひとつの方法です。
動物愛護団体への支援金を寄付する
現地では本当に必要なもの以外はかえって迷惑になってしまいます。
「何を送ったら良いか分からない」という方も多いようですので、支援金の寄付は有効的な支援方法だと言えるでしょう。
動物愛護団体への物資支援
現地では人間の為の物資よりもペットたちの物資の方がなかなか揃わないことが多く、この場合動物愛護団体や民間のボランティア団体、動物病院などが窓口となってペットの物資受け入れをしてくれます。
一時は熊本県全域で配送機能が停止している状態でしたが、今では一部の地域を除き、配送機能が回復しており、被災当初よりも物資支援がしやすくなっています。
また、動物保護団体が、ネットショッピング総合サイトであるAmazonで、必要リストを作成しており、そこから物資を選んで現地に送ることもできるようになっています。
ドッグフードを送る時の注意点
各団体ではフードのメーカー指定をしているところが多いです。
安いからと言って、スーパーやホームセンターで販売されているオリジナルブランドは送るのを控えるようにして、各団体の指定に従ってフードを送ってください。
メーカーを指定している理由としては、ある程度のメーカーでないとわんちゃんたちがそのフードを食べたことで体調を崩す可能性があるからです。
安いスーパーやホームセンターのオリジナルブランドのフードは、実際のところ原材料に不安要素があります。
総合栄養食と表示してあったとしても、本当に安全な原材料が使われているのか分かりませんし、原材料があまり良いものを使用してないため、嗜好性を高める加工をしています。
このようなフードをあげると、たとえわんちゃんが体調を崩さなかったとしても、フードの質が悪ければ体に栄養素がしっかり取り込めず、糞が増えてしまうのです。
また、被災したわんちゃんたちも人と同様に、心身ともに通常の状態ではなく、体調不良や情緒不安定に陥りやすいです。
そんな時だからこそ、わんちゃんたちの体のためにもフードはなんでも良いというものではないのです。
支援物資を送る時の注意点
物資を被災地に送る時は、いくつか注意していただくことがあります。
それは、1つの段ボールには1種のみを入れるということです。
これはどういうことかというと、1つの段ボールにドッグフードならドッグフードのみを入れるということです。
どうしても色々な物をひとまとめにして送ってあげたくなってしまいますが、それだと、現地での物資の仕分け作業に時間がかかってしまうのです。
現地スタッフの手間を省いてあげることも、支援者の心遣いです。
また、梱包を終えた段ボールにはマジックで大きく何が入っているのかを記入しておきましょう。
これも仕分け作業の手間を省くことに役立ちます。
仕分け作業が早く終われば、それだけ早くペットと飼い主さんのところへ届けることができます。
このような小さな心遣いが後に大きな思いやりとなるのです。
(※次のページでは現地で活動する動物愛護団体を紹介します)
現地で活動する動物愛護団体
震災直後から現地動物愛護団体は活動を開始しました。
「少しでも多くのペットたちと飼い主さんを助けたい」
そんな思いが彼らの原動力となっていたのです。
では次に、そんな動物愛護団体をいくつかご紹介します。
動物愛護団体 ドッグレスキュー熊本
ドッグラン、トリミング、ドッグホテルやカフェを経営している動物愛護団体です。
家が倒壊し、ペットを避難所に連れていけない方のわんちゃんを一時預かりしたり、迷子犬の保護も積極的に行っています。
物資支援、支援金を必要としております。
ドッグレスキュー熊本 物資支援・支援金の詳細
支援金振込先
ゆうちょ銀行
記号番号17190
口座番号14800801
動物愛護団体 ドックレスキュー熊本
※他の金融機関からの振り込みの場合は
銀行名 ゆうちょ銀行
店名 七一八(ナナイチハチ)
普通預金 口座番号1480080
現在必要としている物資一覧
- 犬用フード(幼犬用成犬用)サイエンスダイエット、アイムス等
- 箱ティッシュ
- ペットシーツ
- 首輪、リード
- サークル
- バリケン
送付先
〒869-1102
熊本県菊池郡菊陽町原水2861-1ひなたぼっこ内
ドックレスキュー熊本 宛
熊県動物管理センター
熊本県が運営する犬猫の保護、譲渡、正しい飼育方法の啓発などを行っているところです。
平成28年熊本地震に伴う被災ペット救援物資について
現在必要としている物資一覧
- ペットフード(特にドッグフードが不足)
- ペットシーツ
- フード入れ(深めの物。紙皿でもOK)
- ペット用うんち袋
- 首輪、リード
- 係留用のチェーン
送付先
〒861-8031
熊本県熊本市東区戸島町2591
熊本県動物管理センター 宛
熊本県地震災害 非常時動物救済活動 CDCA一般社団法人民間災害時動物救済本部
東日本大震災より発足した動物保護団体です。現地にてペットたちの救済、物資の配送などを行っております。
熊本地震直後もすぐに活動を開始されてます。
Amazonでの必要リストがあり、そこから選んでの物資支援も行えますが、ただ今支援物資がたくさん届いたため保管場所がいっぱいとなり、支援物資の募集は休止中ですが、配送や整理がつき次第ホームページにて募集をかけるそうです。
また、支援金の方は現在も募集中です。
CDCA動物救済本部活動への寄付
支援金振込先
みずほ銀行 尾久支店 普通 口座番号2014252
ゆうちょ銀行 記号番号10180 番号84985021
※他の銀行からゆうちょ銀行に振り込む場合
ゆうちょ銀行
店番018(ゼロイチハチ) 普通 口座番号8498502
支援物資募集再開後の送付先
〒819-022
福岡県福岡市西区福重2-2-44
NPO法人 人と犬の命を繋ぐ会内
CDCA動物救済本部 宛
竜之介動物病院
こちらは動物愛護団体ではありませんが、被災後、ペットたちと飼い主さんの避難所としても病院を開放し、さらに物資支援の受け入れもされています。
今後は5月7日まで避難所を続ける意向です。
救援物資のお願い
現在必要としている物資一覧
- タオル
- 新聞紙
- 毛布
- 犬猫フード
- 水(ペット用、人用)
- ペットシーツ
送付先
〒860-0811
熊本県熊本市中央区本荘6-16-34
竜之介動物病院 宛
まとめ
熊本地震の後、危険な中でも動物愛護団体、民間のボラティア団体、動物病院では力を合わせて被災地のわんこと飼い主さんの命を繋ぐ活動をされています。
私たちができることは現地に行くことだけではありません。
ここに居ながら情報を拡散させたり、支援金を振り込んだり、必要な物資の支援を行うことです。
様々な支援の形がありますが、それぞれができる形で被災地熊本のわんこと飼い主さんを支援していきたいですね。
※追記:環境省が推奨しているのは「同伴避難」ではなく、正しくは「同行避難」です。ご指摘いただいた読者の皆様、ありがとうございました。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 Lykke
迷子札の普及に力を入れています。
きっかけは熊本の震災のニュースを見て。
飼い主さんも大きな震災の時はまずは自分や家族の安全を確保するのは大切なことです。
しかし、家で待っているはずのペットが外に出てしまったら…家が潰れてしまっていたら…どんなに家から出ないと言われている子でも飛び出すのは当たり前。
しかし、平穏な毎日を過ごしているとなかなか想像しにくい事なのなのかもしれません。
熊本地震のニュースで、飼い主がわからないペットを保護し、混乱中の熊本から各県へ送られるペットたちを見ました。
どんなに心細い気持ちでいるだろうかと胸を掴まれる思いでした。
飼い主も探しているかもしれない…
でも、辿り着けないのはペットは自分の事を話せないから。
全てのペットに飼い主の携帯電話番号を刻印した迷子札を付けてもらいたいと思います。
迷子札さえ付いていれば、すぐに飼い主の元へ帰れる子がいる事をもっと現実的にイメージ出来るよう、広めていきたいと思います。
毎年この時期に迷子札チャリティキャンペーンというものを行なっていて、その収益金を託すべき団体を探している中でこのサイトを拝見しました。
(最初の年は熊本県の緊急保護施設に全額納めさせていただきました。)
迷子札はペットと飼い主さんを繋ぐ命綱です。
全てのペットに迷子札が普及する様に活動を続けて行きます。
もし、共感していただけるなら、迷子札の必要性をみなさまからももっと広めていただけたら嬉しいです。